国連人口基金事務局長 ババトゥンデ・オショティメインからのメッセージ

「世界人口白書2016」世界同時発表に寄せて

2016年10月20日

本日、国連人口基金は「世界人口白書2016 10歳の少女の今が私たちの未来を決める」を発表しました。

世界のある場所では、10歳とは、探求のときであり、急速に視野が広がり、可能性が増えていく年齢です。

しかし、世界の別の場所では、大人へと成長する過程で障害が現れ始め、人生に関する選択肢や機会が限られてしまいます。これらを被るのは特に少女です。

世界のある国や地域では、少女が10歳に達し、思春期に入るとすぐに、自分がやりたいことが何でもできる一人の少女という風に見られるのではなく、商品として見られます。結婚のため、子育てのため、無償で働かせるため、また、性的搾取の対象として、少女は売られ、交換され、取引されます。

もちろん、これらが起こる危険性は少年と少女の両者にありますが、ほとんど全ての場合において、少女のほうがより深刻なジェンダー差別を受けています。

考えてみてください。

毎日、47,700人の少女、その多くが10歳という若さで、強制結婚の危険にさらされています。

児童婚の場合、多くの少女はやがて妊娠します。若年妊娠は、少女に健康的なリスクを負わせ教育の機会を奪い、将来の仕事の可能性や自立を妨げます。

何百万人もの少女にとって、思春期の到来は、生涯にわたる貧困、無気力、機会の損失の始まりを意味しています。

少女の将来に向けて続く扉は閉ざされ、少女の人生は、自ら制御できないものとなってしまうのです。

これは決して許し難い不当であり、少女の基本的な権利の侵害です。

少女が、その権利を享受し、学校に通うことができ、健康体であり、児童婚や若年妊娠から守られていれば、成人するまでに自分が持っている可能性に気づくことができます。

仕事を見つけるための能力を備えることができ、良い賃金を得、あらゆる機会を獲得していくこともできます。

「世界人口白書2016」では、少女の教育、健康、権利が誰にも侵害されることなく成人になった場合、生涯収入が3倍になると述べています。より多くの収入と、より高い生産性は、その国全体の成長を促すことにもなります。

今日の10歳の少女の健康と教育、自立性のために投資をするかどうかで、今後15年間で、開発途上国全体で最低でも210億米ドルの利益を得るか、もしくは失うかが決まります。

開発途上国全体の国の数を考慮すると、この数字は多くないように見えますが、一人ひとりの少女にとっては、この金額はとても大きいものです。

世界全体の将来は、思春期から大人への道のりが始まる、今日6,000万人いる10歳の少女をいかに支援するかにかかっています。

国連が定めた「持続可能な開発目標 (SDGs)」の最終年限である2030年には、今の10歳の少女は24歳になっています。

SDGsは、「誰一人取り残さない」、公正で包括的かつ持続可能な開発をめざしています。

2030年までに今10歳の少女全員が、健康で、教育を受けられ、生産的であるかどうかによって、この開発目標が真に成功したか否かが試されるのです。

家族と地域、国家からの支援があり、かつ、少女の権利が十分に実現されれば、10歳の少女は力強く成長し、私たちの求める未来をもたらすことができるのです。

Last updated: 2016-10-20