プレスリリース 2002年8月

アフガニスタンでの活動内容に関する誤報道を否定

2002年8月16日
国連人口基金、ニューヨーク本部

「国連人口基金がアフガニスタン難民の中絶運動を支援している」という、米国NGOの1つ、人口研究機関(PRI; the Population Research Institute)の根拠のない誤った報道について遺憾の意を表する。国連人口基金広報渉外局長、スターリング・スクラッグス(Stirling Scruggs)氏は、「このような誤った情報は、女性や国連職員、国際支援に従事する人々の信頼性を脅かすものである」と語る。さらに、「アフガニスタンの難民キャンプやその他のどの地域においても、中絶や強制不妊手術を支援する国連機関は存在せず、国連人口基金は、17名中1名が出産時に死亡しているという緊急状況であるアフガンに対して、人命救助サービスを提供している」と言明。アフガニスタン保健省は、国連人口基金に対して、国家復興のための優先事項として、リプロダクティブ・ヘルスへの援助を求めた。国連人口基金は、出産時の妊産婦と乳児の尊い生命を守るため、カブールに移動式の病院を開設すると同時に、崩壊した産院の再建にも携わる。また、米国などの各国政府から拠出されたアフガニスタンへの支援金の中から、さらに1,000万米ドル増額し、医療供給、安全な母性のためのサービス、家族計画や助産師訓練などの活動を続けている。

このような誤った情報は、人口研究機関の2002年8月14日付の最新版プレスリリースで発表され、過去3年間に、国連人口基金がコソボでの民族浄化や、中国やペルーでの中絶と強制不妊手術、アフガニスタン難民キャンプでの大量虐殺に加担していると非難し続けている。

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国連人口基金、カブールに可動式病院施設を開設

2002年8月16日
国連人口基金、ニューヨーク本部

国連人口基金は8月中旬、カブール北部にデンマーク製の緊急可動式病院の開設を予定している。同病院は、72名分のベッドの他に、緊急分娩に対応する手術室を2室備えている。同院は、52名収容のカー・カーナ産科病院(Khair Khana Maternity Hospital)が復興されるまでの間、8ヵ月間運用される。

可動式病院は、アフガニスタン保健省からの要請を受け、コペンハーゲン(デンマーク)から搬送されたものである。アフガニスタン国内で増加し続けるリプロダクティブ・ヘルス・サービスを必要とする人口(70万人)に対して、リプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供する。この可動式病院は、医療における様々なニーズに対応できる。同様の施設は、これまでにボスニア・ヘルツェゴビナ、また昨年のインド、グジャラート州での大地震後においても効果的に活用された。

「アフガニスタンの女性には、リプロダクティブ・ヘルス・ケア・サービスが緊急に必要です。この可動式病院の存在は、多くの女性と子どもたちの生命を守るための、小さな一歩に過ぎません」と、国連人口基金事務局長のトラヤ・オベイド氏は語る。

10万件の分娩につき1,700人が死亡するアフガニスタンは、世界で2番目に妊婦死亡率が高い。ほとんどの医療施設では、深刻な人員不足が深刻なため、その機能が著しく低下している。カー・カーナ病院院長のマールーフ・ナディム(Dr. Mahroof Nadim)氏、およびデンマークの外傷外科医のフィン・ウォーバーグ(Dr. Finn Warburg)氏が協力し、可動式病院の運営に当たる。アフガニスタンの医療スタッフは、院内の様々な部署で活躍すると同時に、デンマークのスタッフから学ぶ好機となる。

「この協力体制により、病院スタッフの医療技術が向上し、また、妊産婦および乳児死亡率を低下させ、しいては、日々、カブール住民のために貢献していくことができると確信している」と、ナディム氏は語る。

デンマークからの医師、看護婦、技術者を含む8名の医療スタッフとの協力の下、カー・カーナ病院のアフガニスタン医療スタッフ100名が可動式病院で実働する。

24時間体制で運営し、緊急治療室では外科一般および妊娠・分娩に対応する」と、ウォーバーグ氏は語る。

この可動式病院は、ルクセンブルグ、イタリア、オランダおよびノルエェーの各政府からの資金・技術援助を受け、国連人口基金が供給した。デンマークは、このプロジェクトに対し、別途の資金援助を提供している。

カー・カーナ病院の患者は、8月16日の週末には可動式病院に移ることになる。可動式病院では、ハイリスクな妊娠や分娩についても対応が可能であり、またリプロダクティブ・ヘルス関連および性感染症の治療も提供する。

国連人口基金は、アフガニスタン復興のため、国連の包括的援助体制の一役を担っている。アフガニスタンの保健省および女性問題省と共に、健康と教育の基礎を再構築することを基本に、妊産婦の健康維持、女児教育の強化などを優先事項としている。

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国連人口基金が東京事務所を開設

2002年8月20日
国連人口基金、ニューヨーク本部

国連人口基金は2002年9月1日に東京事務所を開設する。事務所は、東京都渋谷区神宮前5丁目53-70 UNハウス(国連大学ビル)内に置く。

トラヤ・オベイド 国連人口基金事務局長は、「国連人口基金の上位拠出国の1つで、人口分野の国際的リーダーである日本に事務所を開設できることは国連人口基金にとって喜ばしいことである。我々は、東京事務所が日本政府および日本の人々と国連人口基金とのパートナーシップのさらなる強化に寄与することを期待している。また、見識高い池上清子氏を所長として迎えることができて光栄である。」と述べた。初代事務所長には池上清子氏が就任する。オベイド事務局長は10月1日に国連大学で予定されている東京事務所開所記念イベントに出席を予定している。

東京事務所の主要な役割は、国連人口基金の任務と国連人口基金が取り組んでいる諸問題について日本の人々の関心を高めることであり、それによって、政策決定者、報道関係者や国民一般からの支援の増大を図ることである。この目的のため、同事務所は、外務省および関連省庁と密接な連携を図る。また、国連人口基金と協力しながら開発途上国でのリプロダクティブ・ヘルス・プロジェクトやアドボカシー(政策提言)活動を行なっている「家族計画国際協力財団(ジョイセフ)」や、日本とアジアの国会議員と共に活動し、アジア地域の人口調査等を実施する「アジア人口・開発協会(APDA)」などの非政府組織(NGO)とも連携を維持していく。また国連人口基金と日本の国会議員、特に「国際人口問題議員懇談会(JPFP)」とのパートナーシップ強化に努力する。さらに、同事務所は日本および国際的な報道機関に対し、国連人口基金を代表することになる。

池上氏は人口分野における日本の専門家としてよく知られており、1983年よりジョイセフに勤務している。現在、ジョイセフ企画開発事業部長として、国内外において人口とリプロダクティブ・ヘルスのアドボカシー活動を担当している。また、同氏は、国際家族計画連盟(IPPF)のロンドン本部にて資金調達担当官として2年間勤務した経験をもち、ジョイセフでは国連人口基金と協力しながらアジア、ラテン・アメリカ、アフリカにおけるリプロダクティブ・ヘルスのプログラム実施にも携わった。ジョイセフ入団前には、ニューヨーク国連本部や国連難民高等弁務官事務所東京事務所での勤務経験をもつ。最近の池上清子氏は、外務大臣の下に設置された第2次ODA改革懇談会の委員でもあった。また、内閣官房長官の下に設置されたアフガニスタンの女性支援に関する懇談会の委員でもある。

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リプロダクティブ・ヘルスと女性の権利がヨハネスブルグ・サミットの鍵

2002年8月27日
国連人口基金、ニューヨーク本部

日本・英国の国会議員、南アフリカの財務大臣、インドのエコノミスト、国連人口基金和気事務局次長が、「持続可能な開発における人口、リプロダクティブ・ヘルス、貧困削減におけるジェンダー」について語った。

国連人口基金、南アフリカ共和国政府、人口・開発・リプロダクティブ・ヘルスに関する全英政府代表団(UK All-party Parliamentary Group on Population and Development and Reproductive health)、および人口と開発に関するヨーロッパ大陸政府評議会(Inter-European Parliamentary Forum on Population and Development)が共同主催したこの会合には、大臣クラスを含む政府代表者が200人以上参加した。

この席上、「権利の確保およびリプロダクティブ・ヘルス・サービスの充実」を含む女性の地位を向上させることにより、人口増加を緩和し、それにより、持続可能な開発、貧困の削減および環境の保護が達成できることが確認された。また、参加者は、女性の権利の確保やエンパワーメントを含む人口問題が、ヨハネスブルグ・サミットの政治宣言に採択されることを強く求めた。

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アフガニスタン国勢調査への支援

2002年8月28日
国連人口基金、ニューヨーク本部

国連人口基金は、人口と住居に関する国勢調査のため、アフガニスタンの中央統計局(the Central Statistics Office)への協力を開始した。この調査は、同国の復興を進めるために必要とされる、確実な最新情報源となる。アフガニスタンには、完全な人口統計がなく、1979年を最後に実施された人口調査については、急速に悪化する国内政治情勢のために、統計は完成されることなく断念された。現在、調査に必要なコンピューターなどの設備の準備や、情報技術から地図作成法に至る人材育成のためのプログラムは、すでに始まっており、調査の完成目標を2005年中頃としている。目標期間は、正確な調査を実施するための予備実地調査に必要な期間である。実地調査では、国内の詳細な居住区地図、住居数、また遊牧民や土地を持たない人々、帰還難民を数に入れた世帯リストの作成が行われる。

国連人口基金は、目標期日までに調査を終えるため、中央統計局への資金調達や、実施計画の作成を支援している。調査実施にむけての早急な取り組みのため、激動する長期的拠出支援が極めて重要なポイントである。現在進行中である、計画作成と人材育成には、ルクセンブルグ、イタリア、オランダ、およびノルウェー政府からの援助を受けている。

早期にこの調査が実施されることが重要課題である。中央統計局は2003年までに、住居や世帯、人口の数と分布状況について、初期段階の人口情報を提供できるとしている。この段階では、収集された情報はまだ完全なものではないが、より早急に調査結果を出すことが、地元組織や国際組織など、アフガニスタンの復興と開発を進める、数々の統治機関にとって、非常に貴重である。

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国連人口基金、女性と人口に関する行動を呼び掛ける

2002年8月30日
国連人口基金、ヨハネスブルグ

国連人口基金は、持続可能な開発にはリプロダクティブ・ヘルスと女性の権利の確保が必要不可欠である、という声明を発表した。

和気邦夫 国連人口基金事務局次長は、「貧困・人口・環境問題は相互関係にあり、まず最初に、人口問題が解決されなければ、貧困削減や自然保護の実行が困難です。また、現在人口のほとんどが途上国で増え続けているものの、その速度はかつての半分にまで減少している事実は、女性が自ら、より少なく生むことを選択してきた結果です。女性が、その権利を法律によりきちんと守られ、そしてヘルスケアや教育が女性によって享受される時に初めて個人を超え、社会全体に恩恵をもたらすものなのです」と述べた。

和気氏は、「1994年のカイロ会議で決議された教育・リプロダクティブ・ヘルス、母性の保護、およびHIV予防が、ミレニアム開発目標(MDGs)である2015年までに貧困と飢餓を半分に削減し、妊産婦・乳幼児死亡率を低下させ、HIV/AIDSの蔓延を食い止め、男女平等を促進し、環境的に持続可能な発展を達成するための重要な鍵となるのです」と述べた。

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