プレスリリース 2004年9月

カイロでの画期的合意から10年、人口と開発における進捗と課題を報告
国連人口基金、9月15日に世界人口白書を発表
報道関係者は解禁日前のアクセス可能

2004年9月3日
国連、ニューヨーク

1994年にカイロで開催された国際人口・開発会議(International Conference on Population and Development, ICPD)は、貧困削減という問題を女性の地位向上や性と生殖に関する保健医療(リプロダクティブ・ヘルス)の改善と関連づけたことで知られている。このカイロ会議で合意された20年の行動計画は多くの国で着実に実施されているが、10年後の現在、先進国からの資金援助が不十分なため、妊産婦死亡削減や HIV/エイズ予防、若者や貧困層のニーズの充足はいまだ妨げられている―169ヶ国の事例を盛り込んだ国連人口基金の「2004年世界人口白書」はこう指摘する。「世界人口白書」は、国連人口基金が発行する最も重要な報告書で、今年は9月15日にロンドンを初めとする世界の主要都市で同時公開される。

今年度の世界人口白書は「カイロ合意の10年:人口とリプロダクティブ・ヘルス―貧困に終止符を打つための地球的取り組み」と題され、性と生殖に関する医療の質の向上およびアクセス強化、女性の権利の推進、妊産婦・乳幼児保健の向上、HIV予防強化に関連し、カイロ行動計画実施における各国の進展および制約について検証している。白書では、過去十年の成果を維持しさらなる進歩を遂げるには、各国政府の政治的意思を盛り上げ、国際社会の資金提供を増加させることがかかせないとしている。

世界人口白書は9月15日のグリニッジ標準時の正午に解禁・発表されるが、報道関係者は、本部のアブバカール・ダンガス(Abubakar Dungus, dungus@unfpa.org)もしくはウィリアム・ライアン(William Ryan, ryanw@unfpa.org)にメールを送ってパスワードを取得すれば、解禁日前に白書および関連文書(サマリー、プレスリリース、図表、チャート及び写真)を本部ウェブサイトにてダウンロードできる。

世界人口白書同時公開の詳細:

ロンドン:国連人口基金のオベイド事務局長が、外国人記者クラブ(11 Carlton House Terrace, London)で9月15日午前11時からの記者会見で発表予定。
詳しくは、
ピーター・ロブス(Peter Robbs)
電話:+44-1480-465-328
電子メール:peter.robbs@ukonline.co.uk

ニューヨーク:国連人口基金広報渉外局の新局長サフィエ・チャー(Safiye Cagar)とファミリーケア・インスティチュートの会長ジル・シェフィールド(Jill Sheffield)が国連事務局226号室で正午に行われる事務総長広報官のブリーフィングの中で発表予定。
詳しくは、
アブバカール・ダンガス(Abubakar Dungus)
電話:+1 (212) 297-5031
Eメール:dungus@unfpa.org
ミコール・ザルブ(Micol Zarb)
電話:+1 (212) 297-5042
Eメール:zarb@unfpa.org
オマール・ガルゼディン(Omar Gharzeddine)
電話:+1 (212) 297-5028
Eメール:gharzeddine@unfpa.org

ワシントンD.C.:上級研究員兼政策アドバイザー(白書担当)のスタン・バーンスタイン(Stan Bernstein)が、キャロリン・マロニー(Carolyn Maloney)下院議員(民主党、ニューヨーク州)と国連財団理事長ティモシー・ワース(Timothy Wirth)とともに、午前10時にナショナルプレスクラブにおいて行われる記者会見で発表予定。
詳しくは、
サラ・クレイブン(Sarah Craven)
電話:+1 (202) 326-8713
電子メール:craven@unfpa.org

そのほかでは以下の都市で発表予定:ベルリン、ブリュッセル、ブダペスト、コペンハーゲン、ダブリン、ジュネーブ、ハーグ、ヘルシンキ、リスボン、ルクセンブルク、マドリッド、メルボルン、オスロ、オタワ、パリ、プラハ、ローマ、ストックホルム、東京、ウィーン、ワルシャワ、ウェリントン、および国連人口基金がプログラムを実施している各国の首都。

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カイロ会議から10年、「行動計画」進歩には格差が UNFPA世界人口白書うったえ
資金不足で妊産婦死亡削減、HIV/エイズ予防、性と生殖に関する権利保障に悪影響

2004年9月15日
英国、ロンドン

貧困削減の問題を女性の権利やリプロダクティブ・ヘルスの問題と関連させたカイロ合意、その「行動計画」は各国において着実に実施されている―国連人口基金(UNFPA)の『世界人口白書2004』はこう強調する一方で、ドナー国からの拠出金は不足しており、家族計画サービスの提供や妊産婦死亡の削減、HIV/エイズの予防や若者、貧困層のケアなど重要な支援活動に支障をきたしていると報告している。『世界人口白書』は国連人口基金が発行する最も重要な報告書であり、今日15日、トラヤ・オベイド事務局長立会いのもとここロンドンで世界同時公開された。

1994年9月、179カ国が採択した20カ年の「行動計画」はカイロで行なわれた「国際人口・開発会議」において、2015年までにすべての人々にリプロダクティブ・ヘルス・ケアを行き渡らせることを目標にすえた。こうした目標は、女性の地位向上や人権保障、貧困削減、環境保護、そして持続可能な開発につながっていくという理念の下にある。

今年の白書は、「カイロ合意の10年:人口とリプロダクティブ・ヘルス―貧困に終止符を打つための地球的取り組み」と題し、「行動計画」実施における各国の進捗状況や制約について折り返し地点である10年を振り返って精査している。

得られた成果は大きい

国連人口基金が各国を対象に行なった調査によれば、多くの開発途上国で「カイロ行動計画」の実施に大きな前進が見られた。また、各国はカイロ会議後に行なわれてきた地域会合の場でも「行動計画」実施への誓いを再三表明し続けている。

1994年以来、ほとんど国の政府が人口問題を国内開発計画の中に盛り込むようになった。調査の対象となった151の開発途上国のうちほぼすべての国で、法律の制定など何らかの対策をとって女性、少女の権利の保障に乗り出している。また、131カ国で政策や法制、制度を改革し、性と生殖に関する権利(リプロダクティブ・ライツ)の認定をするようになった。

多くの国で、性と生殖に関する医療を第一次医療に組み込む活動が行なわれており、医療施設の改善や医療従事者の訓練が進んでいるほか、国家的なHIV/エイズ対策の実行や思春期の若者の性と生殖に関する健康/権利の問題にも対応がなされてきている。新たな協力関係も築かれていて、特に政府と様々な市民団体が団結して性と生殖に関する健康の問題に取り組んでいる。

近代的な避妊方法の使用率は、1994年の55パーセントから今日では61パーセントまで増加した。また、危険な伝統的習慣、ジェンダーに基づく暴力、人工妊娠中絶後のケア、そして武力紛争や自然災害の影響下にある女性の性と生殖に関する健康問題などに新たな関心が寄せられてきている。

貧困層、若年層への支援にはまだまだ課題が多い

こうした成果の影で、白書が指摘しているのは成果の格差と克服しなくてはならない課題の深刻さである。貧富の格差は医療サービスへのアクセスという面で、いまだ世界中で明らかに存在している。また、女性の権利を保障する法律は一貫性をもって実行されていない。さらに、3億5千万以上のカップルが十分な家族計画サービスを受けられないでいる。

年間50万人以上の妊産婦が合併症によって命を落としているが、そのほとんどのケースが助産師などの立会いによる出産や緊急産科医療を受けることができれば助かったといわれている。また、2003年には300万人がエイズによって死亡し、新たに500万人がHIVに感染したとされているが、新たな感染者のおよそ半数が15歳から24歳の若者である。にもかかわらず、感染のリスクが高いとされる人々のうち20パーセントしか効果的なHIV/エイズ予防対策を受けることができないでいる。

人口増加は貧困層の悪化に拍車をかけると同時に大量消費によって、地球環境に大きな負担を与えている。人口増加率は多くの国で和らいだものの、世界人口は 2050年には現在の64億人から89億人になると推計されていて、増加のほとんどは開発途上国におけるものだとされている。また、最貧国とされる50カ国では、人口は2050年までに3倍に増加し、17億人に上る。カップルや個人が欲しい子供の数と出産間隔を自らの意思で決定できるようになり、医療と教育への投資が増えることで、世帯はおろか国レベルの貧困削減が実現する、と白書では述べられている。

資金、資材はともに不足

こうした成果の影で、白書が指摘しているのは成果の格差と克服しなくてはならない課題の深刻さである。貧富の格差は医療サービスへのアクセスという面で、いまだ世界中で明らかに存在している。また、女性の権利を保障する法律は一貫性をもって実行されていない。さらに、3億5千万以上のカップルが十分な家族計画サービスを受けられないでいる。

年間50万人以上の妊産婦が合併症によって命を落としているが、そのほとんどのケースが助産師などの立会いによる出産や緊急産科医療を受けることができれば助かったといわれている。また、2003年には300万人がエイズによって死亡し、新たに500万人がHIVに感染したとされているが、新たな感染者のおよそ半数が15歳から24歳の若者である。にもかかわらず、感染のリスクが高いとされる人々のうち20パーセントしか効果的なHIV/エイズ予防対策を受けることができないでいる。

人口増加は貧困層の悪化に拍車をかけると同時に大量消費によって、地球環境に大きな負担を与えている。人口増加率は多くの国で和らいだものの、世界人口は 2050年には現在の64億人から89億人になると推計されていて、増加のほとんどは開発途上国におけるものだとされている。また、最貧国とされる50カ国では、人口は2050年までに3倍に増加し、17億人に上る。カップルや個人が欲しい子供の数と出産間隔を自らの意思で決定できるようになり、医療と教育への投資が増えることで、世帯はおろか国レベルの貧困削減が実現する、と白書では述べられている。

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Last updated: 2004-09-01