プレスリリース 2004年10月

報道関係者各位:世界が記念する人口と開発におけるカイロ合意

2004年10月7日
国連、ニューヨーク

国連加盟各国は、1994年カイロで行なわれたICPD(International Conference on Population and Development、国際人口開発会議)から10年を記念し、一日特別総会を開くほか、記念イベントの開催を予定している。

ICPDでは、179カ国の政府が「行動計画」を採択し、貧困対策として、世界人口と限りある資源の調和、女性の地位向上、家族計画を含んだ性と生殖に関する医療体制の普及などに取り組む決意を明らかにした。国連人口基金(UNFPA)が発表した『世界人口白書2004』では、各国でカイロ行動計画の実施に大きな進展がある一方、ドナー国からのサポート不足といった困難にも直面していることが指摘されている。

ICPD記念イベントのスケジュール:

10月12日(火)

•国際人口移動と開発に関する円卓会議(「国際人口移動政策プログラム」と国連人口基金による)
"Meeting the Challenges of Migration: Progress Since the ICPD"
場所:国連本部経済社会理事会会議場
時間:午前10時~午後1時
10月14日(木)

•ICPD記念特別総会
場所:国連総会議場
時間:午前10時~午後6時
•写真展示会およびレセプション
Fazal Sheikh, “A Camel for the Son: Somalia and The Victor Weeps: Afghanistan”
場所:国連ロビーギャラリー(First Avenue at 46th Street, New York)
時間:午後6時30分

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フィスチュラ撲滅キャンペーン、30カ国で実施
新ウェブサイト開設:www.endfistula.org

2004年10月12日
国連、ベイルート

フィスチュラ撲滅グローバルキャンペーンに関する新たなウェブサイトが今日開設された。フィスチュラ(膣瘻)とは難産の際に起こる膣の損傷で、開発途上国に暮らす少なくとも200万人の女性が苦しんでいるとされる。このウェブサイトでは、3分間の動画ファイル、フィスチュラ撲滅キャンペーンの進捗が記された双方向地図、フォトギャラリーそしてフィスチュラ患者やフィスチュラの治療に携わる医師の話などが盛り込まれている。

フィスチュラは予防可能な疾病であり、罹患しても300ドル以下の外科手術で治療できるものである。このフィスチュラ撲滅グローバルキャンペーンは、 UNFPAが2003年にはじめたもので、フィスチュラが女性の生命に与える壊滅的な影響が明らかになるなか、その対策としてたちあげられた。キャンペーンはさまざまな団体・個人からの協力のもと、現在では、サハラ以南のアフリカ、南アジア、アラブ諸国の30カ国において支援活動を行なっている。キャンペーンの長期的目標とは、開発途上国におけるフィスチュラに苦しむ患者数を今日の先進工業国のレベルまで下げることである。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、「私たちの協力によってフィスチュラの撲滅は可能なのです」と述べ、フィスチュラは20世紀に医学が進歩するまでヨーロッパやアメリカでもよく知られた病気であったことを指摘した上で、母子保健システムの強化や政策立案者や地域住民の啓発によって、フィスチュラに苦しむ女性が必要なケアを受けられるようにすることの重要性をうったえた。

キャンペーンの活動には、フィスチュラの予防、罹患した女性の治療、治癒後の女性の社会復帰支援、の3つがある。例として、ニジェールでは600人の地域保健職員がフィスチュラ予防に関する基礎訓練を受けたほか、バングラデシュでは国立フィスチュラセンターが週に3日手術を施すことにより今年は140名の女性を治療している。また、チャドでは治癒した女性数百人に対して収入創出プログラムの一環として職業訓練や少額の補助金を提供している。

このキャンペーンに参加している国はそれぞれ、3つの段階を踏んでフィスチュラの撲滅に取り組んでいる。第一は、国内のニーズ・アセスメントを行い、問題の程度および必要となる資金、人的資源の需要の大きさを査定する。第二は、アセスメントに基づき国家的対策を計画する。第三は、そうした対策プログラムの焦点を予防、治療、女性の社会復帰支援に当てて実施することである。

通例フィスチュラが起こるのは数日間にわたる難産にもかかわらず帝王切開など必要な医療行為がなされない場合で、胎児は死亡し妊婦は慢性的失禁状態になる。フィスチュラにかかった女性は、甚だしい社会的差別を受けながら治癒の道があることも知らされず何年も生活を送ることが多い。

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国連人口基金、世界の指導者によるカイロ合意支持を歓迎

2004年10月13日
国連、ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)は本日(13日)、「世界の指導者による声明(the World Leaders' Statement)」の中で1994年の国際人口開発会議(ICPD)の行動計画に対する支援が再確認されたことについて言及し、この声明が国家レベルの行動計画の実施や開発努力全体を活性化する上で重要な役割を果たすだろうとの見解を明らかにした。

この声明には、開発途上国・先進国双方の政府首脳および首脳経験者のほか、開発・ビジネス・科学分野などの第一人者、宗教団体や民間基金の代表者らが調印している。声明では、リプロダクティブ・ヘルスへのアクセスの向上、貧困の削減、そしてジェンダーの平等を目標としたICPDの20ヵ年行動計画の成果が称賛されている。

この声明に調印したリーダーたちは、様々な分野の指導者に対して、カイロ会議で掲げられたビジョン―人間開発、社会正義、経済成長、環境保護―を再確認するよう求めている。また、調印者自らが自身の役割を誓約することで、各国政府や慈善団体に対してICPD行動計画の優先化と資金提供を呼びかけた。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、この声明に寄せられた支援をかけがえのないものであると歓迎の意を表し、声明はこの2年間に開催された地域会合の場でも明らかにされてきた各国の行動計画実施への取り組みを引き立たせるものと称賛した。オベイド事務局長は続けて、「行動計画実施に対しては各国の断固とした意欲が地域会合の場で表明されてきたことで、カイロのビジョンが、医療や権利そして開発を望む何百万人もの女性や男性の夢がこれからの10年で実現されることに今まで以上に自信を持っております」と述べた。

この声明の調印者には、バシャール・アル・アサド(Bashar Al-Assad)シリア大統領、トニー・ブレア(Tony Blair)英国首相、ジャック・シラク(Jacques Chirac)大統領、ビセンテ・フォックス(Vicente Fox)メキシコ大統領、小泉首相、アレクサンデル・クワシニェフスキ(Aleksander Kwasniewski)ポーランド大統領、フェスタス・モハエ(Festus Mogae)ボツワナ大統領、ゲアハート・シュレーダー(Gerhard Schroeder)ドイツ首相、パルヴェーズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)パキスタン大統領、タクシン・シナワトラ(Thaksin Shinawatra)タイ首相、アレハンドロ・トレド(Alejandro Toledo)ペルー大統領、温家宝(Wen Jiabao)中国首相、及びカレダ・ジア(Khaleda Zia)バングラデシュ首相がいる。

その他に、オスカル・アリアス(Oscar Arias)コスタリカ前大統領、グロ・ハルレム・ブルントランド(Dr. Gro Harlem Brundtland)ノルウェー前首相、ジミー・カーター元アメリカ大統領、ウィリアム・クリントン前アメリカ大統領および、ノーベル賞受賞者のナディン・ゴーディマ(Nadine Gordimer)、デスモンド・ツツ大司教(Desmond Tutu)もこの声明に調印している。

国連人口基金はこの声明を作成するに当たって音頭を取ってくださったサミット基金及び国際連合基金に感謝します。

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国連、人口と開発におけるカイロ合意を確認
カイロの目標が達成されなければ「深刻な影響」、と開発途上国。
カイロ目標到達なくして2015年はない、とEU、リプロダクティブ・ヘルス用品のため7500万ドル拠出決定

2004年10月14日
国連、ニューヨーク

本日(14日)の国連総会では、1994年にカイロで開催された国際人口開発会議(International Conference on Population and Development、ICPD)から10年を記念するセッションが続いている。ICPDでは20カ年「行動計画(Programme of Action)」が各国の合意により採択され、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の保障、妊産婦死亡の削減、女性の権利推進や貧困削減などを目標としている。総会では各国代表が声明を発表し、「行動計画」への支援を明らかにするとともに、「行動計画」に定められた活動が国、地域社会、そして家族にいかに貢献しているか経験を共有した。

「カイロ会議は開発の考え方に大きな転機をもたらしました。焦点が当てられるべきところに当てられるようになった、どういうことかと申しますと、生まれた場所や性別にかかわらずすべての人の生活を改善していく、ということに主眼が置かれるようになったのです」とトラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は総会でこのように述べ、「行動計画」が人権保障や生命が生きていくために必要となる天然資源の保護の重要性のみならず、人口移動、都市化、高齢化、貧困そして持続可能な開発における相互の関連性にもふれていることを指摘した。国連人口基金はこのカイロ会議の事務局を務めた。

さらにオベイド事務局長は、「行動計画は、簡単な前提に基づいています。それは、教育とリプロダクティブ・ヘルスサービスをすべての人に保障し女性の地位を向上させれば、ジェンダーに基づく不平等や健康不良が改善され何百万もの人が現在とらわれている貧困の連鎖を断ち切る一助となる、というものであります」と述べ、各国政府がこうした問題に対する投資を怠らず、人口データや政策の主眼を人の「数」ではなくの人の「生きかた」に置けば、一種の連鎖反応が起こり、専門家だけでなく個人が日々生活を送る中でも実感できるような具体的な結果につながっていくとうったえた。また、オベイド事務局長は続けて、カイロ会議において設定された目標すべてが2005年に行われるミレニアム宣言の再評価のなかで反映されるべきであると発言し、EU加盟国や準加盟国そして G77を構成する開発途上国の代表が事務局長に賛同した。

また総会では、オランダのハンス・ヴァン・デン・ブルックEU議長国特使が加盟国・準加盟国を代表して、「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals, MDGs)に対するわれわれの取り組みを2015年までに具体的な結果として結実させるためには、まずカイロ行動計画を完全にかつ今まで以上に実施していく必要があります」と発言し、ミレニアム開発目標の達成にはカイロ行動計画の実施が重要であるとあらためてうったえた。ブルック特使は続けて、カップルや個人が必要な情報を与えられ、何人子供を持つか、いつ産むか、そしてどのくらい出産間隔をあけるか自由に選択できるようになれば、家族は小さくなり人口増加が緩和され、経済発展、持続可能な開発、そして貧困削減へとつながっていくとし、特に東南アジアで見られたような「アジアの奇跡」が人口転換と関連して起こる可能性が、様々な地域でありうることを指摘した。さらにブルック特使は1994年のカイロ会議の意義について、上から押し付けられる人口問題から個人が解放され問題の表舞台に立ち、単なる「数」ではなく権利を有する「人間」であることをうったえたものだとの見解を明らかにした。

また、ブルック特使は、2004年度のリプロダクティブ・ヘルス関連資機材の不足分7500万ドルを補うため、EUが国連人口基金のリプロダクティブ・ヘルス関連資機材基金に拠出するとしたEU加盟国総意を発表した。この額により何百万件もの妊産婦死亡、乳幼児死亡そして人工妊娠中絶や望まない妊娠を防ぐことができるだろうとブルック特使は言う。

G77を代表してスピーチを行なったカタールのスルタン・アル・マフムード(Sultan Al-Mahmoud)代表によれば、開発途上国がリプロダクティブ・ヘルスプログラムへのアクセス確立または拡大に取り組んでいるものの、何百万人もの人々が依然として、必要なサービスにアクセスできていないという。行動計画の実施にはいまだに格差が存在しているため、開発目標全般特にミレニアム開発目標の実現に大きな支障をきたすだろうとアル・マフムード代表は警告する。アル・マフムード代表は続けて、「こうした格差の問題は来年2005年に開催されるハイレベル会合で最優先課題とされるべき」とし、ミレニアム開発目標の達成にはカイロ行動計画の実施が必要とうったえた。

この特別総会は14日終日開催され、午前中には議長および副事務総長によるスピーチが行われた。昨日はカイロ合意への支持を表明した世界の指導者とヨーロッパとアメリカの市民3万人による署名が寄せられた声明文が国連に提出されており、今日のイベントはそれに引き続くものとされる。

カイロ合意は179カ国の政府による合意で、妊産婦・乳幼児死亡の削減、女性の権利と教育の促進、HIV/エイズの予防、そして家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルスの普遍的な保障に取り組むことで、貧困の削減と開発の促進を目指したものである。

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国連人口基金、EUの新規拠出を歓迎
リプロダクティブ・ヘルス用資機材の提供に

2004年10月14日
国連、ニューヨーク

ヨーロッパ連合(EU)は、2004年度UNFPAに対する7500万ドルの新規拠出を決定した。この資金は開発途上国におけるリプロダクティブ・ヘルス用資機材の購入に充てられる。

この拠出の決定は、本日(14日)、国連総会での国際人口開発会議(International Conference on Population and Development、ICPD)の10周年特別セッションで発表され、国連人口基金はこの決定に対し直ちに歓迎と感謝の意を表した。

オランダのハンス・ヴァン・デン・ブルック(Hans van den Broek)EU議長国特使はこの決定に際し、「EU加盟国25カ国と欧州委員会は共同して、リプロダクティブ・ヘルス用資機材購入費の2004年度不足分7500万ドルを『国連人口基金リプロダクティブ・ヘルス用資機材基金(Reproductive Health Commodity Fund)』に拠出します」と述べた。国連人口基金の試算によれば、この拠出によって他国からの援助に頼らざるを得ない49の開発途上国に対して、 2005年度必要とされるHIV感染予防用の避妊薬(具)とコンドームの提供が可能になるという。

ブルック特使はさらに、「国連人口基金の研究・分析では、性と生殖に関する医療はさまざまな保健処置の中でも最も費用対効果の高いものである」と述べ、 100万ドル相当のリプロダクティブ・ヘルス用資機材を提供することによって、望まない妊娠を36万件、人工妊娠中絶を15万件、妊産婦死亡を800件、乳幼児死亡を1万1千件、5歳未満児死亡を1万4千件、防ぐことができるとつけくわえた。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、「EUのこの暖かい申し出に対し、心より感謝いたします。この大金によって、世界中のたくさんの男女、とりわけ若い世代を救うことが可能になりました。必要とするすべての人にリプロダクティブ・ヘルス用資機材や医療を提供するというカイロ会議の目標に向け、国際社会はまた一歩大きな前進をしました」との談話を発表した。

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リプロダクティブ・ヘルスに関する国会議員会議、ストラスブールにて開催

2004年10月18日
フランス、ストラスブール

国際人口開発会議(ICPD)で採択された「行動計画」に関する世界国会議員会議が18日、フランスのストラスブールで始まった。この会議には90ヶ国から大臣閣僚および国会議員が参加し、2015年までにすべての人にリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供することや妊産婦死亡を減少させるという目標に関しその進捗状況を確認する。2日間の会議は欧州評議会議員会議によって主催され、人口と開発に関するヨーロッパ議員懇談会と国連人口基金(UNFPA)によって運営される。

ビデオメッセージの中で国連アナン事務総長は、「国会議員は『財布』の紐を握っています。貧困対策や女性の問題に関心が集まるよう資金を割り当てる権限を持っているのです。また、法律をつくる権限によって、一定の水準が守られるようにすることもできるのです」と発言した。

ICPD「行動計画」とは、リプロダクティブ・ヘルスサービス、教育、および女性の権利へ投資することによって、人口増加を緩和し、経済成長を促進することを目指した壮大な20カ年計画である。今年は「行動計画」の中間地点であり、各国の国会議員には今後の10年間の前進のために大きな役割が期待されている。この世界国会議員会議は、今年ICPDから10年を記念して行なわれているイベントのひとつで、他にも世界のNGOが集まって開催された円卓会議「カウントダウン2015」や10月14日の国連総会および一連の地域会議や公開イベントなどがある。

会議ではトラヤ・オベイド国連人口基金事務局長が、「生と死は政治的決断であります。そして、国会議員こそが法律や政策を実行し予算を配分することによって、教育や性と生殖に関する医療が普及し、命が救われるのです」と述べ、無知と貧困、そして何百万件もの妊産婦や乳幼児の死亡を食い止めるこうした活動こそ政府ができる最もよい投資であるとの見解を示した。

この会議では、緊急に必要な資金調達や人口とリプロダクティブ・ヘルスに関する法律と政策の実行に国会議員がどのように関与できるかが議論の焦点になる。資金不足は、任意の家族計画サービスの拡充、安全な母性の保障そしてHIV/エイズ予防対策の拡大に支障をきたすほど深刻化している。

また、会議では欧州評議会事務局長のテリー・デービス議員が、「死亡率が下がることはそれだけ命が助かっているということです。すべての人に適切なヘルスケアを提供することはすべての人に活力と経済力を与えることです。貧困の削減は人間の尊厳を取り戻すことです。そして女性の地位向上は社会全体の向上につながります。われわれは常にこのことを心にとめておく必要があります」と発言し、活動の重要性を強くうったえた。

高品質の避妊薬(具)を提供するために今後10年でかかる費用は8億1000万ドルから18億ドルに増加すると推定されている。国連人口基金の試算では、 100万ドル相当の避妊薬(具)があれば、妊産婦死亡を800件、人工妊娠中絶を15万件、もしくは望まない妊娠を36万件、防ぐことができるとされている。

欧州評議会議員会議の議長でスイスの国会議員でもあるルース・ジェンナー(Ruth Genner)氏は、「今日、多くの国の人々は近代的避妊方法についての知識を有しています。そして、それらを使用したいと願いかつ使用方法も知っているのです。しかし、避妊薬(具)を入手できないというのが現状なのです」と述べた。また、ジェンナー議員は、サハラ以南のアフリカでは成人男性1人が1年に1つのコンドームしか入手することができない国があることや東欧のいくつかの国ではひと月分の避妊ピルがひと月分の賃金の20-30%に相当するのに、人工妊娠中絶の費用はその10分の1にしかならないという状況を指摘し、「このような状況で、アフリカでのHIV感染率の高さに驚くことができるでしょうか?東欧で中絶率が高いということに驚くことができるでしょうか?」と窮状をうったえた。

ストラスブールに集まった国会議員は、各国が次の10年間に実施すべき具体的な行動を示す確固たる誓約を採択する予定である。

この会議を支援している国会議員のグループには、人口と開発に関するアジア議員フォーラム、人口と開発に関するアフリカ・アラブ議員フォーラム、人口と開発に関するアメリカ地域議員グループそして地球的行動のための議員連盟がある。

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世界の国会議員、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの擁護および推進を各国にうったえ

2004年10月19日
フランス、ストラスブール

各国の国会議員がここストラスブールに参集し、人間一人一人のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に対しより積極的な活動を展開するよう各国に呼びかけた。世界90カ国から130名を超える国会議員や大臣・閣僚が会議に参加し、個人が子供数や出産間隔を決定できる権利や女性の地位向上の推進そして女性に対するあらゆる形の暴力の撤廃に努める責任があることを改めて確認した。

二日間におよんだ会議では、1994年にカイロで開催された国際人口開発会議(International Conference on Population and Development、ICPD)にて179カ国が採択した20カ年「行動計画」の実施における国会議員の役割が本題となった。この「行動計画」では、 2015年までにすべての人に性と生殖に関する医療を提供することと妊産婦死亡の大幅削減が目標とされている。

カイロ会議の目標達成に関しては、各国にばらつきがありかつ進展も遅い。こうした現状を踏まえ、会議に参加した国会議員は自らの役割の重要性を確認し、資金調達による行動計画目標の早期達成や人口やリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する法律制定に全力を尽くすことを明らかにした。

世界では、妊婦のおよそ三割が妊娠中に一切検診・診療を受けることが出来ず、また六割の出産が医療施設以外で行なわれている。また、貧困が妊産婦死亡を大幅に増加させることも明らかになっている。女性が妊娠および出産で死亡する確率は西アフリカでは12人に1人であるのに対し、先進国地域では2800人に 1人である。会議では、オランダのアグネス・ヴァン・アーデン(Agnes van Ardenne)開発協力大臣が「開発途上国の多くの女性にとって妊娠するということは死を宣告されることと同じである」と発言した。

世界には、現在3800万人もの人々がHIVに感染またはエイズを発症しているが、感染の危険が高いとされる人々のうち予防手段を持つのは20%に満たない。予防手段を持つ人々の割合が大幅に増加すれば、2010年までに約2900万人から4500万人とも推定される新規感染者の予防が可能になるとされている。

ケニアのチャリティ・K・ンギル(Charity K. Ngilu)保健大臣は、ケニアで性と生殖に関する医療プログラムへのアクセスが限られてしまっているのは、医療費が高いことや医療関係の開発計画に対する国際的支援の減少によるものだと発言し、窮状をうったえた。

閉会式では、全参加者が宣言文を採択しカイロ会議の目標達成のために強い意欲を示した。また、こうした方針を支持するということは絶望的な人生を希望と機会に満ちている人生へと変化させるものであり、時として、生と死を分かつものであるとの認識を明らかにした。

宣言文では、以下のような内容が盛り込まれている。

•国家の開発予算と開発支援予算の少なくとも10%を人口およびリプロダクティブ・ヘルスの分野に振り分ける。
•国連人口基金(UNFPA)および国際家族計画連盟(IPPF)が支援するプログラムで必要な資機材のために年間1億5千万ドルの資金を調達する。
•安全な母性を保障するために必要なサービスを強化する(母性栄養や妊産婦検診の提供、助産師などによる出産、緊急産科医療の充実)。
•妊産婦に対するサポートに関する公教育の向上。
•青少年の性に関する情報やサービスを受ける人権の擁護および推進、結婚年齢を定めた法律の徹底的な施行そして社会および家庭における男子・女子の平等の保障。
•リプロダクティブ・ヘルスに関する男性の責任や役割について男性に教育を行なうこと
•多数の国で見られる深刻な医療従事者の不足問題を是正する(不十分な研修、HIV/エイズによる死亡、先進国への流出などが主な原因)
議論の後、会議の全参加者は、「ミレニアム開発目標」の中に「2015年までにすべての人々に性と生殖に関する健康を保障する」ということを9番目の項目として追加するよう国連に提案することを決定した。さらに、国会議員グループを通じて進捗に関し定期的に報告することと次の会議を2年後にバンコクで開催することを決定し、散会した。

ICPD行動計画実施を推進するこの第二回国際国会議員会議は、欧州評議会議員会議が主催し、IEPFPDおよび国連人口基金の協力によって開催された。後援には、人口と開発に関するアジア国会議員フォーラム、人口と開発に関するアフリカ・アラブ国会議員フォーラム、人口と開発に関する米州議員フォーラム、そして地球的行動のための議員連盟が含まれる。

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国連人口基金、開発途上国とのより緊密なパートナーシップに向けて合意

2004年10月25日
国連、ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)とアフリカ、カリブ海、太平洋諸国(African, Caribbean and Pacific Group of States、ACP諸国)は本日(25日)、連携強化のための合意書に調印した。両者は、HIV/エイズを含むリプロダクティブ・ヘルスに関する諸問題、貧困削減、ACP諸国79カ国の開発促進の分野でパートナーシップの強化に取り組む。この合意は開発途上国に暮らす人々の健康促進とよりよい生活を支えるための資金調達を促すものとされている。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は本日ブリュッセルで行なわれた調印式で、「国連人口基金とACP諸国はともに貧困撲滅を目指し、ミレニアム開発目標達成のためには人口とリプロダクティブ・ヘルスの問題が解決されなければならないという共通認識をもっています」と述べ、この合意による共通目標の達成のための連携強化に歓迎の意を表明した。

この合意は、HIV/エイズを含むリプロダクティブ・ヘルスの課題は人々の基本的なニーズを満たす政策の根幹にあるべきとの認識に立って、リプロダクティブ・ヘルス、ジェンダーの平等、女性・女子の教育、女性の地位向上、持続可能な開発の促進と相互の密接な関係を強くうったえている。

また合意では、国連人口基金とACP諸国両者がACP諸国の開発計画の中に1994年カイロで開催された国際人口開発会議(International Conference on Population and Development、ICPD)の目標を盛り込むことで、持続可能な開発を進めていくことが盛り込まれている。

両者の連携では、特に性と生殖に関するプログラムと貧困削減のプログラムの推進に焦点が当てられており、共同で訓練プログラムや開発計画策定および実施をすることになっている。

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国連人口基金、貧困削減とリプロダクティブ・ヘルスへの投資は不可分とするEUの発言を歓迎

2004年10月27日
国連、ニューヨーク

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は本日、EU(欧州連合)の開発協力担当の閣僚会議でリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)が貧困との戦いにおいて重要な要素であることが再確認されたことに歓迎の意を表した。「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals、MDGs)」の達成に関するこの会議では、1994年にカイロで開催された国際人口開発会議(International Conference on Population and Development、ICPD)の20ヵ年「行動計画」の重要性が再認識された。

10月26日・27日とマーストリヒト(オランダ)で開催されたこの閣僚会議では、貧困削減にはリプロダクティブ・ヘルス/ライツの推進が鍵であるとし、特にICPDで採択された「行動計画」の実施を促進する方策について議論が交わされた。

「このEU会議で確認されたことは、貧困や妊産婦・乳幼児死亡の削減、女性の地位向上、HIV/エイズの蔓延対策、そして持続可能な開発の確保にはリプロダクティブ・ヘルス/ライツが優先課題となることが非常に重要である、ということです」とオベイド事務局長は発言し、開発を実現させるための枠組みや協力体制をもたらしたミレニアム開発目標の達成にはカイロの行動計画の着実な実施が必要であるとあらためてうったえた。

このマーストリヒト会議の議長を務めたアグネス・ヴァン・アルデンヌ=ヴァン・デル・ホーヴェン(Agnes van Ardenne-van der Hoeven)オランダ開発協力大臣は、長期的な解決策によってリプロダクティブ・ヘルス資機材の国別需要を満たすことの必要性を指摘し、今年EU加盟国とEU委員会がこうした資機材調達のために国連人口基金に対し7500万ドルの拠出を決定した事例をとりあげた。

この会議では、EU議長国の呼びかけで現在のEU加盟国25カ国の間でひき続きカイロ合意を堅持していくことを確認し、行動計画の完全な実施と貧困削減およびミレニアム開発目標の達成に貢献するよう議論が進められた。また、貧困層は情報、家族計画サービスや安価で安全な避妊薬(具)を手に入れることが難しいため望まない妊娠が多いことに注目が寄せられた。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ以外にも、閣僚会議ではEUの対開発途上国政策の改善、とくにアフリカにおける平和、安全保障、開発の問題について議論がなされた。

今回あらためてEU諸国がカイロ合意や国連人口基金とその活動について支持を表明したのは、2日前にUNFPAと開発途上国79カ国が調印した合意に続くもので、この合意ではアフリカ、カリブ海および太平洋諸国が協力して開発と貧困削減の強化を進めることが謳われている。

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トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長、ジェンダーに基づく暴力と女性の不当な扱いに対して行動するよう各国首脳および安保理に要請

2004年10月28日
国連、ニューヨーク

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、各国首脳と国連安全保障理事会に対し、紛争地域における組織的なレイプや女性に対するあらゆる差別を非難し速やかに対策をとるよう強く求め、被害者の身体的、精神的な回復を支援するよううったえた。オベイド事務局長によるこのアピールは、本日(28日)、安保理の討議の中で行なわれた。この安保理のセッションは、2000年10月31日に採択された女性、平和、安全に関する安保理決議第1325号の採択4周年を記念して開かれた。

「さらなる政治的な意思によって、女性や少女に対する性的暴力や虐待は、家庭から、コミュニティから、そして避難民キャンプからも、取り除かれなければなりません」とオベイド事務局長はアピールの中で述べ、警察官、警備員そして平和維持・人道支援関係者がトレーニングを通してジェンダーに基づく暴力の認知や対応ができるようになることの重要性を付け加えた。また、オベイド事務局長は続けて、効果的なトレーニングプログラムによって性的暴力の被害者に対するケアの方法を医療従事者に提供することや地方組織や女性団体が積極的にこうした活動に参加できるよう体制を整えることの必要性もうったえた。優秀な女性がそこここにいるからよいということではなく、ジェンダーの平等を確立し、女性が権利を行使して権力の濫用を食い止めることが必要だ、とオベイド事務局長は言う。

オベイド事務局長が特に強調したのは、性的暴力の被害者に質の高いケアを提供して、法的サービス、心のケア、医療サービスによって被害者の受けた傷にすぐさま対処できるようにすることで、そのためには地域の代表者に働きかけて被害者の差別をなくし、女性や少女が助けを求めやすい環境を作ることが重要だとした。女性に対する暴力は紛争地域で多くなるが、問題として取り上げられないばかりか被害女性が差別を受けることも多い。しかし、何百万人もの被害者がこうむるショックは計り知れず、被害者の人生そのものに大きく影響する。オベイド事務局長は、性的暴力に対して効果的に対処しなければ、被害者のみならず国の将来、ひいては国際的な平和や安全保障にも大きな影響を与えると指摘する。

オベイド事務局長はまた、「安全保障理事会の場で今日こうしたことが議論されているということ自体が、女性に対する暴力を無くすための大きな進歩にほかなりません」と述べ、国連人口基金が女性に対する性的暴力を痛切に実感してきた背景には、紛争地域におけるリプロダクティブ・ヘルス/ライツを促進してきたことがあると説明した。さらにオベイド事務局長は、ケアを望む被害者の数が膨大であることに深い悲しみと遺憾の意を表明するとともに、対応が不十分である現状にいっそうの衝撃を受けていると発言した。

続けてオベイド事務局長は、HIV/エイズの感染は性的暴力がもたらす結果の中でももっとも悲惨なもので、こうしたHIV/エイズの蔓延は社会の安定性や安全保障を脅かし、社会に混乱を招いて人々の間に将来に対する不安を抱かせるだろうと警告した上で、安全保障や人道保護といった重要な課題に将来十分に対応するためには、ジェンダーに基づく暴力に効果的に取り組まなければならないとした。

安全保障理事会決議第1325号(2000)では国連加盟国に対し、紛争の予防、対応、解決にかかわる国、地域、国際機関・機構において女性の意思決定が強化されるよう強く求めている。また、武力衝突の当事者に対しても、紛争地域の女性がレイプやあらゆる性的虐待、暴力から保護されるよう特別な措置をとることをよびかけている。

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