プレスリリース 2004年11月

Young and Rubicam、イギリスにおけるフィスチュラ撲滅キャンペーンに取り組む

2004年11月4日
国連、ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)が進めているフィスチュラ撲滅キャンペーンに広報サービスを提供しているのは、受賞経験もある広告代理店「Young and Rubicam(Y&R)」のロンドン事務所である。今後、同代理店は放送・出版・電子媒体を通じて、フィスチュラ(産科瘻孔、膣瘻)に対するイギリス国民の関心を高めるべく国連人口基金とともに活動をしていく。

Y&Rグループ系列会社のRainey Kelly Campbell Roalfe(RKCR/Y&R)ロンドン支社代表取締役ジェームズ・マーフィー(James Murphy)氏は、「一般市民はフィスチュラについて知る必要がある。なぜなら我々にできることが何かあるからだ」とコメントを発表した。

フィスチュラ(産科瘻孔)は出産の際に起こる組織損傷で、全世界で少なくとも200万人の女性が苦しんでいるとされる。長引く閉塞性分娩で適切な医療介入がないと骨盤の軟組織が損傷し、膀胱や直腸に穴があき、フィスチュラ(瘻孔)となる。通常、胎児は死亡し、妊産婦には深刻な肉体的・精神的外傷が残される。慢性失禁状態になることで、感染や神経損傷のリスクが高くなるほか社会的な阻害・孤立という環境におかれることも多い。

トラヤ・オベイド 国連人口基金事務局長は、「フィスチュラは女性たちから赤ん坊も人生も奪ってしまうという点で二重の悲しみであります」と述べ、フィスチュラという病気がもつ社会的側面(恥辱と阻害)を指摘した。

フィスチュラは予防・治療ともに可能な疾病で、21世紀の現代でこの疾病に苦しむ女性がいるのは許しがたい。熟練した泌尿器科医や婦人科医の手による再生手術さえ受けられれば、損傷した組織や失禁の治療は可能で、手術の成功率も合併症のない例では90%にも上る。回復すれば、帝王切開による出産で再度妊娠も可能となる。

マーフィー代表取締役はこのフィスチュラ撲滅キャンペーンに取り組むにいたった背景について、「フィスチュラに苦しめられている女性は何百万人もいるが、たった300ドルの手術で苦しみを取り除き女性に尊厳を取り戻すことができるのだから、決断に一切躊躇はなかった」と話している。

このフィスチュラ撲滅グローバルキャンペーンは2003年に国連人口基金が始めたもので、幅広いパートナーを得ている。キャンペーンの長期目標は、アフリカとアジアにおいてフィスチュラを先進国と同程度に稀少にすることである。このキャンペーンは世界30カ国で展開されており、予防、治療および治癒後のコミュニティーへの復帰という3つの分野に重点が置かれている。

「フィスチュラ撲滅の鍵は予防であります」とオベイド事務局長は発言し、イギリスを始めとする多くの国ではこの百年間、予防を徹底することでフィスチュラの撲滅に邁進してきたことを強調した。また、フィスチュラを抱える女性がいることは妊産婦の健康を守ることの重要性を強く印象付けるものであるとし、避妊薬(具)などが安価で手に入り、医師や助産師などの立会いによる出産および緊急時の産科ケアが整っているような国では、フィスチュラはめったに起こらないとうったえた。

RKCR/Y&Rは女性の健康と権利に関してさまざまな活動に取り組んできている。これまでに、イギリスの慈善団体である「Womankind」、「Breakthrough Breast Cancer」、「Central Office of Information Anti-Domestic Violence」などの顧客に対して啓蒙的かつ配慮の行き届いたソリューションを提供してきている。

フィスチュラ撲滅に関するグローバルキャンペーンの詳細についてはwww.endfistula.orgまで

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アラブ地域人口フォーラム:カイロからベイルートへ

2004年11月23日
国連、ベイルート

ベイルートで開催されたアラブ地域人口フォーラムは、1994年にカイロで開かれた「国際人口開発会議(International Conference on Population and Development, ICPD)」の「行動計画(Programme of Action, PoA)」を地域内で着実に実施することを再確認し、宣言を採択した。11月19日から21日まで2日間行なわれたこのフォーラムでは、人口と開発分野におけるこの地域の進捗状況と直面している課題について話し合われ、日曜日に閉幕した。

このフォーラムは、レバノン政府主催のもと、西アジア経済社会委員会(ESCWA)、アラブ連盟、国連人口基金(UNFPA)によって開催され、アラブ諸国の国会議員や政府関係者、国連機関やNGO代表、人口・開発の分野の専門家など、 100名以上が出席した。ICPDから10年を迎えた今年世界各地で記念行事が行なわれているが、このフォーラムもその一環として開催され、人口とリプロダクティブヘルスが開発課題の中心となるよう定めた行動計画の再確認がなされている。

フォーラムで採択された「ベイルート宣言」では、行動計画実施を支援してきた国連人口基金、アラブ連盟そして西アジア経済社会委員会の功績が称えられた。そして、アラブ各国の政府が行動計画の枠組みにおいて人口政策と人間開発戦略を実施すること、そしてそれらの活動を支援する為の独立した財源を開拓することを呼びかけている。また、市民社会と政府機関のより緊密な協力が透明かつ民主的に行なわれることで、人口と開発分野におけるパートナーシップが醸成されるとうったえている。若い世代について言及しているのもこのベイルート宣言の特徴で、若者を対象にした支援プログラムやケアを優先的に実施することのほか、若者の生活向上およびより実質的なプログラム参加を促していくことの重要性が強調されている。

宣言では、このフォーラムでの提言を新たなプログラムやプロジェクトといった形で関係各機関および政府などによる誓約やコミットメントに反映することのほか、国家、地域、国際レベルの機関を通じて多様な財源を開拓することの重要性も強調されている。さらに、ドナー国やドナー機関にたいしは、ICPDで誓約した拠出金(とくに2005年までに30億米ドルを拠出するというもの)を支払うことを強く求めている。

フォーラムの出席者は、ICPDの目標やミレニアム開発目標を完全に達成するべく引き続き努力していきながら、ICPD行動計画の達成がミレニアム開発目標および他の開発目標の達成につながっていくという確信のもと、アラブ地域に暮らす人々の経済、社会発展に尽くすことを誓い、フォーラムは散会した。

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アフリカの女性議員ら、女性の権利保障に関するアフリカ議定書の批准を要求

2004年11月26日
ガボン、リーブルビル

アフリカ女性閣僚・国会議員ネットワークの第6回地域会議は、戦略的行動計画および女性への暴力に対する早急な対策を訴えたリーブルビル宣言を採択し、本日(11月26日)閉会した。このアフリカ女性閣僚・国会議員ネットワーク第6回地域会議にはおよそ40カ国から有力な地位にある女性たちが集い、アフリカ各国政府に対し「女性の権利に関するアフリカ憲章議定書」の即時批准と施行を要求し、女性を暴力や差別から保護することで合意した。

さらに、会議では各国政府と国際機関が市民団体や地域社会と協同して女性への暴力の防止に努めることが訴えられ、ジェンダーの問題に対する努力の強化やプログラム実施を「アフリカ開発のための新たなパートナーシップ(the New Partnership for Africa's Development)」の枠組みで行なうことなどを各国政府に求めた。

4日間に及んだこの会議の閉会式には、ジャン・フランソワ・ントゥトゥーム・エマヌガボン共和国首相(Jean-Francois Ntoutoume Emane)が列席したほか、アンジェリーク・ンゴマ家族・子どもの保護・女性の社会進出担当大臣(Angelique Ngoma)、ファマ・ハネ・バー 国連人口基金アフリカ局長が発言した。この会議は、11月23日(火)、オマール・ボンゴ・オンディンバガボン共和国大統領によって開会宣言が行なわれた。

今回の会議は11月25日(木)の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」にあわせて開催され、記念イベントでは、トラヤ・オベイドUNFPA事務局長のほか各国の閣僚、国会議員、政府高官らがガボン共和国の国会議事堂まで2キロの道のりを行進した。国会議事堂では各国の代表らが女性への暴力撤廃に関する法的イニシアティブの策定を目指し、宣誓を行なった。

25日のイベントに先立って行なわれた記者会見でオベイド事務局長は、「女性や少女に対する暴力は避けられないものではありません。撤廃するのは当然のことであります」と述べ、国連人口基金では、国際的合意にのっとった法制度・政策の強化、刑事免責の廃止、被害者のニーズに合わせたケアの充実、社会的な支援体制の整備と文化的変革の推進、といった4つの方面から活動を促進していることをうったえた。オベイド事務局長は続けて、法律や政策の確実な実施や対策予算の確保、危険な習慣の変革をすすめることが女性と少女に対する暴力を撤廃するには重要であると強調した。さらに、オベイド事務局長は、「子どもには母親の膝の上にいる時から女性や少女に対する暴力は間違った行為である、ということを教えなければなりません」と発言し、国家権力や政府が習慣や宗教、伝統を理由に女性や少女に対する暴力を正当化しないよう一致協力して取り組むことをよびかけた。

この会議では、ジェンダーに対する暴力を撤廃することが「ミレニアム開発目標」達成に重要な役割を果たすことであろうという認識の上で進められた。出席者の間では、貧困、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、HIV/エイズ、地域紛争、そしてエスカレートするジェンダーに基づく暴力についても議論が及び、最後にネットワークの活動のためのガイドラインを採択し閉会した。

次回アフリカ女性閣僚・国会議員ネットワーク会議は、ケニヤで開催される予定である。ネットワークはこの8年間、アフリカ各国の女性に関する難題に対し解決策を見つけ出すべく活動を繰り広げて来た。

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