プレスリリース 2004年12月

カナダ、国連人口基金への拠出金増額を決定

2004年12月1日
国連、ニューヨーク

今日(1日)、カナダ政府は国連人口基金(UNFPA)への拠出金を今後4年間にわたって大幅に増額することを発表した。これによってカナダ政府の拠出金総額は、4年間で6740万カナダドル、一年間では1700万カナダドルほどとなり、2004年度の拠出額(1310万カナダドル)と比較しても大幅な増額になる。6740万カナダドルのうち900万カナダドルは、リプロダクティブ・ヘルス関連資機材購入費に充てられ、開発途上国に提供される予定である。

この拠出金増額の発表は、世界エイズデーにあわせてエイリーン・キャロル国際協力担当大臣が行なったもので、国連人口基金は歓迎の意を表明するとともに、こうした多年度にわたる拠出によってより安定した財政基盤ができることに感謝の意を表した。カナダ政府が国連人口基金に対して多年度拠出誓約をするのは初めて。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は声明の中で、「カナダ政府が拠出金増額を決定したことは、われわれの理念と活動に対する強い支援をあらためて確認するもので、深く感謝しています」と述べ、こうした政府による明確な支援はリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)をすべての人に保障するという世界的な取り組みに拍車をかけるものであるとし、他のドナー国に対してもさらなる支援を強く求めた。開発途上国には、妊娠・出産によって命を落とす女性、乳幼児が数多くいる。

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インド洋の津波による被災者支援、女性と少女がもっとも脆弱
国連人口基金、人道援助資金の調達を検討

2004年12月27日
国連、ニューヨーク

今月26日(日)にインド洋で発生した地震による大規模な津波の影響を受けた南アジアおよび東南アジア諸国において、国連人口基金(UNFPA)は各国政府、国連専門機関、その他人道支援機関・団体に対し、特に女性のニーズを短期・中期救援計画に盛り込むことを呼びかけた。

この地震で発生した大規模な津波による死者は数万人、家を失った人は数十万人に上るとされているが、国連はこの災害による「第二波」は第一波よりも悲惨なものとなる可能性があると警告している。飲料水の汚染や医療施設が破壊されたことで数百万人の健康が脅かされているからだ。

国連人口基金は直ちに100万米ドルと追加人員を動員し、被災地域に対し医療施設の即時点検や衛生状態の把握のほか、浄水剤などの医療援助物資の提供を決定した。さらに、各国政府、国連機関、人道援助団体などと緊密な連携をとりながらニーズアセスメントを行い、数日中には関係各機関が共同して緊急アピールを発表し、ドナー国に支援を求めていく意向だ。

27日(月)にはトラヤ・オベイド国連人口基金事務局長が談話を発表し、「今回の災害は未曾有の規模ですが、わたしたちは過去の経験から、特に昨年イランのバムで起きた地震や今年初めにカリブ海諸国を襲ったハリケーンなど、最も大きな被害を被るのは女性や少女であることがわかっています」と述べた。

被災者の中には妊娠中、授乳中の女性が数万人いるとされているが、彼女たちは特に水系感染症にかかる危険性が高く、栄養補助食品の配給、産前検診、出産介添なども必要となる。たとえ理想的な出産環境であっても、およそ15パーセントの妊産婦が帝王切開などの緊急産科ケアを受けないと、妊産婦や胎児の生命が危険にさらされることがあり、国連人口基金では身体的にも心理的にもダメージを受けた妊産婦がより困難な出産を経験することになるかもしれないと警告している。こうした懸念に対し、国連人口基金は、すべての人道援助において被災地域の女性の脆弱性が考慮されることが共同緊急アピールに盛り込まれるよう働きかけている。国連人口基金が優先事項と定める項目には、緊急産科ケア、仮設医療施設の設置および医薬品・医療器具の提供がある。

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インド洋大津波の被災者、特に女性に対する支援が緊急課題
国連人口基金が警告

2004年12月31日
国連、ニューヨーク

インド洋で発生した大津波による被災者が500万人に上るとの報告を受けて、被災国政府および人道援助機関は飲料水、食料、避難施設、医療施設などを一刻も早く被災者に提供するべく救援活動に追われている。また、被災地の多くで現在進められている被災状況の把握作業によると、女性に対する支援が緊急な課題になってきている。

被災者500万人のうち妊娠中の女性は少なくとも15万人いるとされ、外傷による流産など妊娠中の合併症の危険が深刻になるなか、医療支援および食料支援が急務となっている。また、5万人以上の女性が今後3ヶ月以内に出産を迎えると見られているが、医療施設が破壊され基礎的な分娩設備すらない状況では衛生的な環境で出産することは難しい。さらに、自宅での出産を助ける助産師の多くも被災しているため、最低限の分娩環境を整えることも難しいのが現状だ。こうした状況で難産や合併症が起こった場合、速やかに手当てが行なわれないと妊産婦や胎児の生命が脅かされるリスクは非常に高くなる。(平時でさえおよそ15 パーセントの妊婦に何らかの合併症がおこるとされている。)

飲料水、食料、避難施設、医療のほかにも、特に被災地の女性には衛生用品の提供が必須だが、こうした女性に対する援助物資は見過ごされてしまうことが多い。また、被災者の女性の間では衣料品が大幅に不足している。被災地では主に女性が被災者の家族の面倒を見たり救援物資を受け取ったりするため、彼女たちが支障なく地域社会に参画していくにはこうした衛生用品や衣類などは欠かせない救援物資である。

国連人口基金(UNFPA)は、震災直後の緊急支援として300万米ドルを確保し、被災地全域に暮らす女性に対し最低限の妊産婦支援および衛生支援を行なうと発表した。国連人口基金ではさらに、特に被害の大きかったインドネシア、スリランカ、モルディブで基礎的な母子保健サービスの復旧を目指し、ドナー国に対し資金援助を求めていく方針だ。

インドネシア

国連人口基金の推計によれば、北スマトラ州およびアチェ州には約2万5000人の妊娠中および授乳中の女性がおり、震災による疾病、負傷、心的ストレスなどに悩まされている。こうした女性には母体保護、安全な出産のため緊急産科ケアが必要となることから、国連人口基金は緊急出産用キットと衛生キットを緊急援助物資として配布している。出産用キットには、手洗い用の石鹸、地面に敷くためのビニール(遮水)シート、臍帯切除用のカミソリ、臍帯を縛るための紐、そして乳児の産着となる布が入っている。衛生キットには、石鹸、手ぬぐいのほか生理用品が含まれている。他にも、サロン(腰巻)などの衣料品の配布を検討中。また、医療援助物資の管理や国際NGO、現地NGOによる医療支援の調整のため、インドネシア保健省、国連人口基金、WHO、UNICEFが合同でオペレーション・センターを立ち上げ、最も被害の大きかったアチェ州にある保健医療施設の被災状況の把握および緊急・中期ニーズアセスメントを実施するべく活動している。

スリランカ

難民となった100万人の被災者の中には震災で夫を失った女性が多くいるが、スリランカ当局では特に被災者の心的ショックやストレスの影響を危惧していて、地方自治体が人道援助機関と協同して被災者に対する心のケアをどうすればいいか検討を始めている。震災、津波による被害に加え、残された家族の世話という重責を負う女性が十分な社会のサポートと心のケアを受けられるようにすることは特に重要である。国連人口基金は現地保健省と緊密な連携を取りながら、妊産婦のケアに必要な最低限の医薬品・医療器具の提供のほか、地域社会における心のケアのサポート体制設立を目指し活動を展開している。コロンボにある国連人口基金事務所では現地で援助物資の調達を済ませ、すでに2万5000個の衛生キットを被災地の女性に配布した。これに加えて、10万個のキットがさらに必要になると見込まれていることから、ドナー国に対しさらなる資金援助を求めていく方針だ。現在は、アセスメントチームが被災地にある診療所の備品状態の把握と母子保健サービスを再開するために診療所の復旧を目指している。

モルディブ

現地国連人口基金職員は保健省と他の国連機関と連携しながら、被災状況の把握と被災した女性の緊急保健支援プログラムの策定に取り組んでいる。出産キット、臨床機器、安全な輸血を行なうための機材などを緊急援助物資として配布しているほか、今週末には国連人口基金の専門家グループが到着して、被災した保健医療施設の包括的復興計画を策定する予定。

数日中に発表される国連機関共同緊急アピールでは、国連人口基金は母子保健、妊産婦保健に対する支援の継続と急務である被災者の心のケアに対する支援をドナー国に求めていくことにしている。長期的な復興計画では、保健医療施設の復旧のほか、母子保健、妊産婦保健サービスが完全に復旧されるよう他の機関と協同していく方針だ。

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