プレスリリース 2005年2月

オベイド事務局長、フォーブス誌「アラブ世界で最も影響力のある女性トップ50」に選ばれる

2005年2月7日
国連、ニューヨーク

アメリカの長者番付を毎年発表していることでも有名な「フォーブス」誌のアラビア語版12月号で、トラヤ・オベイド国連人口基金(UNFPA)事務局長が「アラブ世界で最も影響力のある女性トップ50」に選ばれた。アラブ諸国19カ国計120名の候補者の中から選ばれたこの「トップ50」には、政治、経済、スポーツ、科学、文学など様々な分野から、影響力があるとされる女性が選ばれている。オベイド事務局長のほかには、ヨルダンのラニア女王やエジプト大統領夫人のスーザン・ムバラクさんなどアラブ諸国のファースト・レディや、パレスチナの活動家ハナン・アシュラウィさん、ヨルダンのヌーア女王、サウジ・オラヤン金融会社CEO(最高経営責任者)のルブナ・オラヤンさん、レバノンの国会議員ナイラ・モアワッドさん、ヨルダンの上院議員レイラ・シャラフさんなどが名前を列ねている。

オベイド事務局長が選ばれたのは、国連人口基金事務局長として女性の権利向上と女性のエンパワーメントに貢献していることと、また国際開発の分野で女性の問題を30年にわたり取り上げてきたことが評価された。最近では、女性に対する暴力の廃絶に向けた活動に熱心に取り組んでいる。昨年10月の国連安全保障理事会では、女性や少女に対する暴力に対して世界は十分に対応してこなかったと批判する演説を行なったが、長年安保理の議事を見守ってきた職員が「数ある安保理の演説の中でも際立って力強いものだった」と賞賛したという。また、昨年11月25日「女性に対する暴力撤廃の国際デー」での演説では、「どのような状況であれ、国家や権力者が、宗教や伝統・慣習を理由に女性に対する暴力を正当化するようなことを許してはなりません」と訴えた。オベイド事務局長は、女性の権利を基本的人権のひとつとして、また、貧困削減および開発への足がかりとして、その向上に長年努めている。

「女性に対する暴力撤廃の国際デー」での演説(英語)

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報道関係者各位:
ナイジェリア「Fistula Fortnight」キャンペーンのお知らせ
~フィスチュラ(産科瘻孔)撲滅2週間キャンペーン~

2005年2月15日
ナイジェリア、カツィナ

概要:
米英両国のボランティアの医師団が今月、ナイジェリアの外科医チームと協力し、フィスチュラ(産科瘻孔)に苦しむ女性の治療と医師に対する手術訓練を行うことになった。ナイジェリアは、アフリカで最もフィスチュラ発生率の高い国の一つとされており、この「Fistula Fortnight」キャンペーン期間中に医師団が治療に当たる女性の数は前例のないものなるといわれている。調査によると、ナイジェリアでは約40万人から80万人の女性がフィスチュラを患っており、毎年約2万人が新たに罹患しているという。また、ナイジェリア北部に患者数が多く、深刻な問題となっている。

国連人口基金が進めているフィスチュラ撲滅キャンペーンの詳細についてwww.endfistula.org

趣旨:
フィスチュラは予防も治療も可能な疾患でありながら、開発途上国に暮らす非常に多くの女性が治療を受けられないままである。治療は存在するという認識を広め、社会的に疎外されている女性に資することがこのキャンペーンの目的である。

参加団体:
国連人口基金(UNFPA)、ナイジェリア政府、ナイジェリア赤十字、Virgin Unite、VSO(Voluntary Service Overseas)、健康問題に関する専門家ら、現地NGOなど

期間:
2005年2月21日から3月6日

開催地:
ナイジェリア北部の4つの病院で開催

開会式:
日時:2月21日10時~
会場:ババル・ルガ病院(カツィナ)
バージン・グループ代表リチャード・ブランソン氏による講演

Fast Facts

・フィスチュラ(産科瘻孔)は、時として数日に及ぶような難産で帝王切開などの適切な医療ケアが得られない場合に起こる傷害である。ほとんどの場合、胎児は死亡し、膣内にできた瘻孔(フィスチュラ)のため、母体は慢性的な失禁症を抱えるようになる。こうした失禁症により、女性は夫やコミュニティーから見放されるなど社会的に疎外されるケースが多い。

・世界では少なくとも約200万人の女性がフィスチュラを患っているとされており、WHO(世界保健機関)によると、毎年約5万人から10万人が新たに罹患しているという。こうした患者数は治療を求めてきた女性の数を基に算出しているため、実際の患者数はさらに多いだろうと推測されている。

・ナイジェリアでは、18人に1人の女性が出産による合併症で死亡している。これはヨーロッパの数値と比較した場合、2400倍高い値である。

・かつては世界中で見られたフィスチュラだが、ヨーロッパと北米地域においては産科ケアの改善により100年以上前からほぼ撲滅されている。

・「Fistula Fortnight」はフィスチュラ撲滅に向けた世界的なキャンペーンの一環で、2003年から国連人口基金が開始している事業である。国連人口基金では、このキャンペーンをサハラ以南のアフリカ、南アジア地域、アラブ諸国など、30カ国以上で展開しており、数多くの団体とパートナーシップを結んでいる。

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「Fistula Fortnight」始まる
初日は46人の女性が治療を受ける

2005年2月22日
ナイジェリア、カツィナ

ナイジェリアにおけるフィスチュラ(産科瘻孔)撲滅2週間キャンペーン―「Fistula Fortnight」―が今月21日から2週間の予定で始まり、初日は46人の女性が治療を受けた。英国人と米国人からなる4人のボランティア医師チームは、ナイジェリアのフィスチュラ専門医と研修医計24名と協力して、ナイジェリア北部の州でフィスチュラに苦しむ数百人の女性患者の治療に当たる。キャンペーン期間中は、医師団が北部にある4箇所の病院に分かれて治療とナイジェリア人医師らの訓練を行なうほか、看護師やソーシャル・ワーカーに術後のケアやカウンセリングの指導をし、フィスチュラ患者が十分に回復できるよう体制の強化を図る。このキャンペーンは、試験的に2週間行なわれるもので、国連人口基金とナイジェリア政府、ナイジェリア赤十字、Virgin Unite、Voluntary Service Overseas、医療従事者、そして現地のNGOなどとのパートナーシップを通じて生まれたものだ。キャンペーンでは、フィスチュラの治療に当たる医師、看護師、ソーシャル・ワーカーの訓練や患者が多いとされる北部の病院の設備拡充を予定しているほか、地方におけるフィスチュラの認知度の向上を目指し、フィスチュラは治療が可能な疾患であることを広く知らしめたいとしている。

ナイジェリアは世界で最もフィスチュラの発生率が高い国の一つとされていて、推計では国内の患者数は約80万人、また毎年2万人が新たに罹患している。フィスチュラは妊産婦死亡率の高い国でよく起こるとされていて、ナイジェリアでは妊娠・出産による合併症で死亡する生涯リスクが18分1で、ヨーロッパの 2400分の1と比べると非常に高い値になっている。フィスチュラは予防可能だが、閉塞分娩などが起こった際に必要な緊急産科ケア(帝王切開など)が行なわれないことで、膣内が傷つき瘻孔となって、慢性的な失禁症になってしまう。また、たいていの場合、胎児は死亡する。適切な治療が行なわれないと、患者は臭いなどによって差別を受けたり、社会的に阻害されてしまったりする。再建手術によって傷は完全に癒え、再び妊娠・出産も可能となるが、患者の多くは、治療にかかる費用が支払えない、治療が存在することすら知らないなどの理由で、治療を受けることができない。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長はキャンペーンの開始に際し、「われわれのキャンペーンによって、ナイジェリアでフィスチュラに苦しむ何百人という女性が癒され、希望を取り戻せるようになることを願っています。治療を待ち望んでいる女性は膨大な数に上ります。われわれのキャンペーンはこうした女性の声に応える第一歩なのです」と述べた。また、今回のキャンペーンの重要なパートナーであるバージン・グループの会長、リチャード・ブランソン氏は、「フィスチュラは予防も治療も可能なのに、いまだに数多くの女性が苦しんでいます。フィスチュラはおおっぴらに話ができるような病気ではありません。しかし、これを機会に対話を始めてみようではありませんか。そして、一致協力して、こうした女性の苦しみを終わらせようではありませんか」と話している。カツィナ州のババル・ルガ病院で行われたキャンペーンのオープニングでは、ナイジェリアのアクパン(Ms. Rita Akpan)女性大臣が、「政府、開発機関、宗教団体・指導者、NGOなどが一丸となって、フィスチュラ撲滅に向け一層の努力をするよう訴えかけていきたいと思います」と開会の挨拶をおこなった。

「Fistula Fortnight」や国連人口基金のフィスチュラ撲滅グローバル・キャンペーンについてもっと知りたい方はwww.endfistula.org.へ

報道関係者用の「Fistula Fortnight」プレス・キットはこちらから(英文)

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世界人口91億人に
国連人口基金事務局長、開発途上国に暮らす女性への支援の加速を訴える

2005年2月24日
インド、ニューデリー

国連人口基金(UNFPA)は、24日に国連人口部が2050年における世界総人口の推計が91億人になるという報告を受け、HIV/エイズ感染蔓延の防止と適切な家族計画の実施は以前にもまして差し迫った課題であるとする声明を発表した。国連人口部の「World Population Prospect: The 2004 Revision」では、世界の人口は現在の約65億人から26億人増加して、91億人になると推計している。

2002年度版の同報告書では2050年の世界人口推計は89億人であったが、今回の報告書では約2億人上方修正されている。また、26億人という増加のほとんどが開発途上国でおこるとされており、開発途上国では2050年までに現在の53億人から78億人まで増加すると予測されている。特に、LDC諸国(Least Developed Countries、後発開発途上国)とされる50カ国では2050年までに現在の8億人から17億人になり、人口が倍増すると推計されている。一方、先進諸国では大きな変化はなく、約12億人で推移する見込みである。報告書では、将来の人口増加はこれからの出生率の推移に影響されるとし、「人口増加に歯止めをかけるには、適切な家族計画の実施とHIV/エイズの蔓延防止を確実にするほかない」とした国連事務総長の最近の報告に同調する形になっている。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は声明の中で、「こうした切迫した事態の中で、私たちは家族計画をはじめとするリプロダクティブヘルス・サービスをすべての人に保障するべく一層の努力をしていかなくてはなりません。同様に、HIV/エイズの予防や妊産婦死亡の削減、開発途上国における貧困削減に向けた努力も怠ってはならないのです。また、来週からは北京女性会議から10年を振り返る国際会議が始まります。女性の権利を向上させることで、彼女らの生活と健康、特に性と生殖に関する健康(リプロダクティブヘルス)を守っていくことはまさに緊急な課題です。開発途上国では、妊娠・出産に伴う合併症などで命を落とす女性が多すぎます。母親の死は、家族だけでなく社会全体にとって重大な喪失なのです。女性の地位向上を目指し、貧困からの脱却を図るためにもより一層の活動が必要です」と述べた。さらに、開発途上国での人口増加が著しいこと受け、オベイド事務局長は、「エイズによる死者のほとんどは開発途上国においてです。また、年間50万人もの女性が妊娠・出産に伴う合併症で亡くなっているのも開発途上国においてなのです。ドナー国による資金援助は、開発途上国におけるHIV/エイズ予防、妊産婦死亡の削減、経済発展のために欠かせません。資金不足の問題は、国際会議などでも開発途上国が再三訴えていることです」とドナー国による財政支援の必要性を訴えた。

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