プレスリリース 2005年4月

「援助国は約束を遵守し、恐怖と欠乏のない世界を。」トラヤ・オベイド 国連人口基金事務局長が発言。

2005年4月4日
国連、ニューヨーク

「援助国は、貧困削減やミレニアム開発目標を実現するために拠出している人口およびリプロダクティブ・ヘルス関連のプログラムに対する援助資金への貢献を自国の功績とするべきです。」と本日トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は人口開発委員会の冒頭で述べた。

「あらゆる地域の政府が、人口やリプロダクティブ・ヘルスに関する問題はミレニアム宣言の中でも中心的課題であると認めています。また、人々が尊厳や平和のもとに恐怖や貧困に見舞われることのない世界創造のためにおいても同様であると認めています。」また、「カイロ会議での協議事項は、貧困削減とミレニアム開発目標の達成において大いなる貢献であるという合意が、広範囲にわたり得られています。」とオベイド氏は述べた。

人口とリプロダクティブ・ヘルスへの資金提供は上昇傾向にあるが、オベイド氏はその資金提供の取り組みが一層緊急を要する課題であるとして推奨している。なぜなら、資金提供の目的は、性に関する事項や、家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルスへのアクセスを拡大させるためのものであり、また、それは現在、供給されている物資とその目的に見合った供給手段に対する資金の格差をうめていくためのものでもある。

このような行動過程は、約250名の開発専門家によって作成されたミレニアムプロジェクトレポートのQuick Wins[1]で述べられており、何千もの人々に生命に関わる利益をもたらし、また各国をミレニアム開発目標へ各国を向かわせることができる施策として提示されている。自発的な家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルスへのアクセスをより確実なものとして保証することは、貧困削減や乳児と妊産婦の死亡率を安定させ、またHIV・エイズに立ち向かうために不可欠であると専門家は述べている。

この10年間で、質の高い避妊薬具を提供するための資金額は2000年の8億1千万ドルから18億ドルに上昇した。計算によると、100万ドル分の避妊用具は800もの妊産婦死亡数を阻止することが出来、また36万人の「望まない妊娠」を回避することが可能であるとされている。国連事務局長の報告では、毎年3千万人以上の女性が、妊娠時や出産時に本来ならば回避することのできる苦痛や病気にみまわれ、もしくは死に至ってしまう現状があると述べている。

オベイド氏は各国政府に、プロダクティブ・ヘルスの完全普及をHIV/エイズ対策の一環として取り入れるよう呼びかけた。

「比較的に費用を要さない、そして影響力のあるこのQuick Wins[1]は、多くの利益そして、多くの命を助ける可能性を持っています。」とオベイド氏は述べた。そして、「家族計画へのアクセスがあるだけでも妊産婦死亡者数を25%削減、乳幼児死亡率においては20%まで減少させることができます。また、出産時の専門技能者立ち会いをより確実なものにするだけでも、妊産婦死亡率を74%まで削減することができます。タイ、ウガンダの両国においては、禁欲、そして、誠実さ(パートナー以外に性的関係を持たないこと)にまして、何より3セントのコンドームが、HIV/エイズに立ち向かう強力な武器となる、ということを証明しています。」とオベイド氏は語っている。

オベイド 国連人口基金事務局長は国々に対して、ミレニアム開発目標5「妊産婦の健康の改善」のターゲットに、「2015年までにプロダクティブ・ヘルスを完全普及させる」という事項を付け加えよう、というミレニアム行動計画施策案に対する支持を呼びかけた。

オベイド氏は、「今年は、広範囲におよんで変化を引き起こし、より踏み込んだ行動ができるよう基礎的な土台を作り出さなければなりません。」「私たちは力強くその一歩を踏み出し、そして結果に辿り着かなければなりません。そして、私たちを導くのは人々のニーズと希望なのです。」と述べている。

[1] Quick Wins─「ミレニアム開発目標における、3年以内に効果を見込むことのできる施策」2005年1月、コロンビア大学ジェフリー・サックス教授をはじめとする約250人の専門家によって作成され、コフィー・アナン国連事務総長に提出されたMillennium Project Reportに記載。

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ニュージーランドが国連人口基金への拠出金を増額

2005年4月5日
国連、ニューヨーク

ニュージーランド政府は、2005年の国連人口基金(UNFPA)への拠出金を100万ニュージーランドドル(NZドル)増額し、400万NZドルとすることを決定し、トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長の首都ウェリントン市訪問にあわせて発表した。

オベイド氏は「この拠出金は世界中のより多くの女性の妊娠・出産のため、そしてより多くの家族が基本的ヘルスケアを享受するために役立てられるでしょう」と述べ、この発表を歓迎した。「この決定は、太平洋地域そして世界における人口、リプロダクティブ・ヘルス問題に対し、ニュージーランドが真剣に取り組もうとしている姿勢を再認識させるものです。」とも述べた。

マリアン・ホッブス ニュージーランド外務貿易副大臣はこの発表の中で、「高い妊産婦死亡率、HIV/AIDSの蔓延、10代の妊娠や家庭内暴力は国連人口基金が取り組んでいる問題のほんの一部分です。しかし、これらの問題というのは、現在開発途上国が直面している大きな課題のうちに含まれている、ということも事実なのです。」と述べた。

「主要拠出国ではないニュージーランドのような国が差別化を図るには、社会的にも評価が高く、なおかつ影響力のある組織と連携をしていくことが重要です。国連人口基金がまさにその組織であると思います。」とホッブス氏は述べた。

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国連人口基金、ネパールに人権の尊重を要請:
ネパール内紛──女性の救命医療サービスを妨害

2005年4月5日
国連、ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)は本日、ネパール内紛のすべての関係者に対して、開発と人道的援助を促進し、人権を尊重するように要請した。

「可及的速やかに物資を女性と子供に届けることと、保健医療サービスへのアクセスが妨害されないことは、不可欠です。」続けて、「人々の健康と安全は保障されなければなりません。特に、妊娠中の女性にとって、出産の安全で健康的な環境が確保されることが、極めて重要なのです。」と、トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は語った。

最近の信憑性のある報告で、相当の数の女性が、出産の際、医療サービスを受けられなかったために死亡していたということが、明らかにされた。また、複数の情報筋によると、出産に伴う合併症で亡くなっている女性の数は、内紛で殺された人々の数をはるかに上回っているとのことである。

すでにネパールの女性が妊娠中、もしくは出産時に死亡する危険性は24回に1回であるが、最近の治安状況の悪さや内紛、封鎖がその危険性をますます引き上げている。毎年約6000人の女性が妊娠と出産の合併症で死亡しており、これら妊産婦の死亡のほとんどは防止することができるのである。

ネパール内紛は、女性から健康に対する権利を、子供からは教育を受ける権利を奪っている。そしてあまりに多くの人々の基本的人権、生きる権利を否定している。

「ネパールのすべての指導者は、ネパールの人々の健康と幸福を保証し、恒久的な平和を構築するという責任を有しています。そして、女性と子供のニーズは、最優先事項でなくてはなりません。」と、オベイド氏は強調した。

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より多くの資金と公平な医療が何百万の女性と子供を救う
──デリー宣言がミレニアム目標達成のためにリプロダクティブヘルスの必須要件を要求──

2005年4月11日
インド、ニューデリー

現地で開かれた会議で専門家たちは、土曜日、保健関連プログラムは、不平等の克服と、費用対効果の高い手段へのより広範なアクセスの提供に再度焦点が当てられれば、毎年7百万人の女性、新生児、子供の命を救うことができるという見解を示した。

世界中から集まった保健当局者、医療専門家と賛同者が「命の平等:母性と新生児と子供の健康のためのパートナーシップ会議」に参加した。先週の土曜日、三日間に渡るフォーラムの閉会にあたって、参加者は「デリー宣言」をソニア・ガンジー・インド国家諮問委員会議長に提出した。

会議には、インド政府および、連携を深めつつある3つの国際的ネットワークである「安全な母性と新生児の健康のためのパートナーシップ(the Partnership for Safe Motherhood and Newborn Health)」、「健康な新生児のためのパートナーシップ(the Healthy Newborn Partnership)」、および「子供サバイバルパートナーシップ(the Child Survival Partnership)」の主催で開かれ、パキスタン、バングラディッシュ、ボリビア、カンボジア、カナダ、エチオピア、インド、マリ、モザンビーク、タンザニアとウガンダの保健担当大臣に加え、ネパール当局者、国際機関代表者、開発パートナー、市民団体が参加した。

この会議では、多くの国において達成が不十分である国連ミレニアム開発目標(MDGs)の目標4および5(1990年から2015年の間に母子死亡率を大幅に減少させることを目指す)は、極度の貧困を撲滅するための重要な手段であるとして、基本的議題であった。「国家や国際的なレベルでの調整の取れた協調的アクションおよびかつてない程の資源動員があって始めて、我々の公約は目標年までに達成される希望がある」と参加者は宣言した。

議論では、保健セクターの強化、家族と地域共同体の関与、費用見積りと資金繰り、モニタリングに焦点を当てて、妊産婦、新生児、子供の保健における成功と課題が取り上げられた。

宣言には「妊娠と出産は、毎年50万人以上の女性の命を奪うとされる。加えて、4百万人の新生児を含む、1千万人以上の子供が毎年死んでいる。」と述べられている。「もし費用対効果の高い診療が世界中でより一層行われれば、妊産婦の死亡を4分の3近く、子供の死亡を3分の2以上防ぐことができる。従って、私たちは毎年7百万人近い命を救うことが可能な地点にいるのだ。」

これを達成するためには、国々が、プログラムを国家および共同体のニーズに合うよう調整しつつ、「地域共同体レベルからより高度な診療へと医療体制を強化するために投資する」ことや、「貧しい人たちや社会的弱者にもその診療が確実に行き届き、享受される」ことが特に必要であると、参加者は同意した。

妊娠から幼児期への医療が連続的であることを確保して、生殖、妊娠、新生児、子供に関する保健は統合的に行なわれるべきだ、と宣言は述べる。宣言は「MDG目標5を達成するためにはリプロダクティブヘルスへの完全普及が必要不可欠であり、それはMDG目標4の達成においても重要な貢献をするであろう」と強調し、MDG目標5に、完全普及に関わるターゲットを導入することを提言する。

宣言は、目標4および5達成へ向けた取り組みをより強化するために「政府、開発パートナー、ドナー、市民社会、民間部門等の力強いパートナーシップ」を国際的に要求する。宣言はドナーに対し、毎年推定90億ドルに及ぶ母子健康プログラムの資金不足をなくすよう呼びかけている。

「今回の会議は、参加者の経験の深さと多様性を最大限に生かした生産的で啓発的なものとなりました。」と、和気邦夫国連人口基金事務局次長が会議の閉会式で述べた。「健康と公平に対する我々の公約は、母親、新生児、子供を対象とする保健に関する不名誉で不公平な格差を改善しようとする我々の決意を強化しました。」

健康を「社会正義の必要不可欠な要因」と位置づけながら、ガンジー氏は「デリー宣言は断固たる行動へのきっかけをつくった」と述べ、「私たちは、私たちの姉妹の命と私たちの子供たちを救うという崇高な理由のために共に働くことを決意した。」と締めくくった。

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