プレスリリース 2005年11月

何千人もの被災した妊産婦が合併症により生命が脅かされる
-彼女たちの安全を保障するための支援がさらに必要

2005年11月7日
パキスタン・イスラマバード

地震によって被災した妊産婦約1万7000人が今後2ヶ月のうちに分娩をむかえます。そのうち約1200人が重い合併症を、400人は外科手術が必要となることが推定されています。

国連人口基金(UNFPA)は、妊娠している女性と少女の健康および安全が危険にさらされていると警告しています。彼女たちは、10月に発生した地震によって、精神的ショックやトラウマを抱え、厳しい生活環境の中で、基本的な保健医療サービスや緊急産科ケアへのアクセスが限られているという状況におかれているのです。

国連の合同支援の一環として、国連人口基金は地元当局がこの事態に対応できるよう、保健所と医療照会施設に産科キット、帝王切開キット、緊急援助物資、外科手術器具を提供しています。

最も被害の大きかったマンセラ(Mansehra)とムザファラバード(Muzzafarabad)の2地区で、9つのUNFPA巡回医療チームが現在も医療支援を続けています。この2週間で、スタッフは1万人以上の患者を診療し、80人の分娩を介助しました。陣痛の合併症を抱えた女性が、女医の付き添いでヘリコプターでムザファラバードの病院に運ばれ、無事に男の子を出産しました。

しかし、国連人口基金パキスタン代表フランス・ドネイ医師(Dr.France Donnay)は、適切なケアを提供するための支援が今後もさらに必要となると伝えています。なぜなら、今後も多くの女性に医療支援が必要となることが見込まれているからです。国連人口基金では、国連の人道支援統一アピールの一環としてリプロダクティブ・ヘルスへの支援に900万ドル、基礎衛生キットに 100万ドルを拠出国に要請しています。

地震被災への対応が緊急支援から復興の段階へと進むにつれ、保健医療システムの復旧や地元の保健医療サービス提供者が基礎妊産婦ケアを提供できる訓練が必要とされてきます。ここで課題となるのは、女性の医療スタッフおよび地元職員の不足です。国連人口基金では、サービス提供者を対象とした訓練および機材の提供のためのさらなる支援を必要としています。

国連人口基金パキスタン事務所では、タオル、肩掛け、石鹸、クシ、脱脂綿の入った衛生キットを準備しています。キットは、地元の保健医療サービス提供者、国連人口基金巡回医療チーム、地元および国際NGOによって被災地の女性や少女に配布されます。

国連人道支援活動として、国連人口基金では電子データでのマンセラおよびムザファラバードの地理情報を国連保健医療クラスターと共有しています。このシステムには、地形、道路、人口密度、さらに全医療施設と学校を網羅した詳細な地図が組み込まれており、この情報は、政府当局の今後の被災地域での保健医療サービスシステムの復旧計画に役立てられます。

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UNAIDS(国連エイズ計画)と合同でエルサルバドルの軍関係者にHIV/エイズ予防のための訓練を支援

2005年11月10日
エルサルバドル、サンサルバドル

国連人口基金(UNFPA)と国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、エルサルバドル防衛庁との間で、中米の軍関係者にセクシャルおよびリプロダクティブ・ヘルス、HIV/エイズ分野の教育を支援する協定を結んだ。

このプロジェクトへの支援金22万ドルは、エルサルバドル防衛庁、UNAIDS、国連人口基金の合同で拠出され、2年間で軍の士官や兵士(全階級、総数およそ1万人)に教育を行なうことを目的としている。

同プロジェクトは、今週サンサルバドルで開催された地域会合「第三回ラテン・アメリカ、カリブ地域における性感染症とHIV/エイズフォーラム(the Third Latin American and Caribbean Forum on Sexually Transmitted Infections and HIV/AIDS)」にて発表された。

「国連人口基金はラテン・アメリカやカリブ地域の数ヵ国の軍および国家警察に対し、HIV蔓延防止に向けた支援を数多く行なっており、その経験を踏まえて、このプロジェクトを計画しています。」と、国連人口基金ラテン・アメリカ、カリブ担当部長のマリセラ・パドロン(Marisela Padron)は述べた。

この新プロジェクトは、エルサルバドル軍が策定するHIV/エイズ対策、軍関係者のセクシャルおよびリプロダクティブ・ヘルスとHIV/エイズ防止に対する知識や態度、習慣の向上に役立てられる。さらに、このプロジェクトにより、保健医療ワーカーを教育し、HIV/エイズ(スペイン語ではCOPRECOS と呼ばれる)防止と抑制のための委員会を設立し、国のHIV/エイズ蔓延に対応する能力を強化する支援となっている。UNFPAは、既にラテン・アメリカおよびカリブ諸国において、このような委員会の設立を数多く支援している。これら委員会の全体地域会合が、今週、サンサルバドルにて開催されることになっている。

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UNAIDS、WHOによる報告:HIV/エイズの蔓延防止のためには予防対策が最も重要

2005年11月21日
国連、ニューヨーク

「あらゆるレベルの指導者が、女性や薬物注射使用者、セックスワーカーといった脆弱なグループを対象とした包括的なHIV/エイズ感染予防の対応を促進しない限り、その蔓延を止めることはできません。」と国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・オベイドは述べた。

国連合同エイズ計画(UNAIDS)および世界保健機関(WHO)より今日発表された新たなHIV/エイズ統計報告書に対し、オベイドは「ますます多くの女性に影響が及んでいるHIV/エイズの蔓延に対し、より効果的で緊急な予防対策が求められています。」と述べ、コンドームへのアクセス、HIV感染予防対策とセクシュアルおよびリプロダクティブ・ヘルスケアの統合、蔓延を加速させているジェンダーの不平等に対する意識の向上、が不可欠となると述べた。国連人口基金はUNAIDSを構成する10の機関の一つである。

「今日発表された内容は、包括的かつ総合的なHIV/エイズ予防対策へのアプローチの重要性を裏付けるものです。」「予防対策、治療、ケアへの普遍的なアクセスが最終目標です。女性、少女、そして脆弱なグループの人々が疎外され、権利を奪われ、差別される以上、HIV/エイズは蔓延し続けます。」とオベイドは述べた。

UNAIDS、WHO合同のエイズに関する最新報告(UNAIDS-WHO AIDS Epidemic Update)では、成功した点を強調しながらも、問題となっている事例も挙げている。現在、世界には4,000万人以上のHIV感染者が生活しているが、この数は1995年の2倍である、と報告されている。2005年、300万人もの人々がエイズに関わる病気で死亡し、HIVに感染する女性の数は増え続けている。

報告では、包括的かつ長期間の予防プログラムを緊急に拡大させる必要を強調すると同時に、新規感染の流れを止めるには禁欲や貞節だけでは不十分であるとも述べている。多くの国で、結婚や女性の側だけの貞節では必ずしもHIV感染の予防とはならない。報告では、セックスワーカーや薬物注射使用者を対象とした感染予防対策が、いかに「世界各地のHIV蔓延率を阻止するために重要な役割を果たしている」かが示されている。コンドームの使用もまた性感染症の感染率の減少に貢献している。

「この報告は、私たちが既に何年も前から知っていることを再確認しています。」「禁欲や貞節は大変重要で、HIV感染予防には必要不可欠な要素ではありますが、それは男性用、女性用のコンドーム両方へのアクセスといった、その他の予防対策と平行して推進されなければなりません。女性と、そして脆弱なグループの人々には自身を守る権利があります。私達は、彼らがその基本的な人権を享受できるよう任務を遂行しなければなりません。」とオベイドは述べた。

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国連エイズ合同計画、世界保健機構、国連人口基金、エイズ予防拡大の必要性に関する欧州連合の声明文を支持

2005年11月30日
国連、ジュネーブ・ニューヨーク

国連エイズ合同計画(UNAIDS)、世界保健機構(WHO)、国連人口基金(UNFPA)は本日、エイズ予防を強化するとしたEU(欧州連合)の声明文を支持している。EUはこの声明文の中で、加盟国、特に開発途上国のHIV/エイズの問題に取り組むことを再確認している。

UNAIDS、WHO、国連人口基金は、さらなるエイズの蔓延を防ぐ為、エイズ予防の範囲や規模を迅速に拡大することを求める声明文を支持している。エイズ治療やケアへのアクセスを拡大する包括的な取り組みの一環として、HIV予防を拡大することが不可欠である。エイズ予防・治療・ケアへ全ての人々がアクセスできるようになることが、世界の当面の課題とすべきであるとしている。

エイズに関するUNAIDS/WHOの最新報告書によると、ハイチ、ケニア、ジンバブエなどの国々で、HIV予防プログラムが、エイズ感染の蔓延を抑えるのに、重要な役割を担っていると報告されている。プログラムの恩恵を受けている人々もいる一方で、2005年には新たに500万人の感染が報告されており、HIV感染者推計総数は、4,000万人を超える。

HIV感染の危機にさらされていながらも、基本的な予防サービスを受けられるのは、世界中で5人に1人に満たない。また、HIV感染者のうち、実際に検査を受け、自分が感染しているという事実を知っているのはたった10人に1人である。

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HIV/エイズ予防キャンペーンウェブサイト:“I've Got the POWER”

2005年11月30日
国連、ニューヨーク

12月1日の世界エイズでーにあたり、国連人口基金(UNFPA)は、命を守るために2つのことを世界中の人々とその家族、友人に呼びかけることを、薦めている。

1)HIV/エイズは、主に性行動や薬物使用により感染し、完全な治療方法は存在せず、世界中の誰もが感染する恐れがある。

2) 禁欲、カップルの忠誠、正しいコンドームの使用を実践することでHIV/エイズのから身を守ることが大切である。

「言葉より行動のほうが雄弁である」とよく言われるが、HIV/エイズの脅威に対しては、それについて語ることが、まず重要である。それがHIVウイルスの拡大を防ぎ、被害者を取り巻く不当な差別、威圧、暴力から守る最も効果的な手段となる。

HIV/エイズに関する、対話を促進するために、UNFPAは、"I've Got the POWER”というエイズ予防のツールとなる世界で最も規模の大きなウェブサイトを立ち上げている。

"I've Got the POWER”は、エイズ活動家であるクレーブ・ジョーンズ(Cleve Jones)によって創設された NAMES ProjectによるAIDSメモリアル・キルト(AIDS Memorial Quilt)にヒントを得て作られたものである。このプロジェクトの目標は、人々の意識をエイズに向かせ、研究や公教育に十分な資金を投じることで、エイズの拡大を防ぐ力をもつ政策決定者に公的な圧力をかけることであった。

国連人口基金の目標は、エイズについて語ることがタブーではなくなるようにすることである。

国連人口基金は、サイト訪問者に、エイズに関するコメントとともに顔写真を"I've Got the POWER”サイト内の世界地図上に掲載することを呼びかけている。サイトに掲載された写真をクリックすると、コメントと一緒に、拡大された写真を見ることができるようになっている。コメントには、HIV/エイズの拡大を防ぐために行っていること、エイズの脅威が意味するもの、エイズで亡くなった友人や家族に対する敬意などが寄せられている。

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紛争下の女性への支援増加の必要:国連人口基金が拠出国へ要請
-緊急支援金を要請する国連機関共同アピールに参加

2005年11月30日
国連、ニューヨーク

本日、国連人口基金(UNFPA)は、世界拠出国に対し、世界中の紛争や自然災害の被害者へのリプロダクティブ・ヘルスの緊急ニーズに対応する必要がある、と支援を要請した。このニーズに取り組むにあたり、国連人口基金は拠出国に向けて、人道危機下にある国々への救援活動を支援するための約1,800万ドルを要請している。

国連人口基金の要請内容は、本日発表されたコフィ・アナン国連事務総長の人道アピール2006の一部である。このアピールは、人道支援活動への国際社会の支援を増やすための最も重要な手段である「CAP: Consolidated Appeals Process(国連統一アピール)」がもたらした結果であり、国連人口基金はCAP参加機関の一つである。

社会に大きな変動がある時、妊娠に起因する死や、性的暴力は一層拡大し、また、リプロダクティブ・ヘルスサービスのアクセスが困難になることで、若者はさらにHIV感染や性的搾取の危機にさらされることになる。と国連人口基金は指摘している。また、多くの女性が家族計画サービスの手段を失い、望まない妊娠が増加する。加えて、女性や少女は家族を養わなければならない存在になることが多い。

「津波被災やパキスタン大地震への対応でも分るよう、近年、国際社会において人道危機下にある女性や少女のニーズがより高い優先事項となり始めていることを大変嬉しく思っています。」と国連人口基金事務局長トラヤ・オベイドは述べた。「しかし、災害にあった地域で重荷を負う彼女たちには、さらに支援が必要です。つまり、彼女たちを支援することは、その地域の生活の復興に大きく役立つのです。」

このような緊急ニーズに対応するために、国連人口基金は迅速なニーズアセスメントを行い、安全な出産や輸血、HIV予防のための資材を提供した。また、支援を実行するパートナー団体と調整を行い、性的暴力の犠牲者への治療を含む基本的なサービスの提供や、情勢が安定し次第、保健医療施設の復旧支援にあたっている。

国連人口基金 CAPプロジェクトと、人道アピールに含まれる他の国連機関の共同プロジェクトは、総額で2,430万ドルにもおよぶ。この要請額は、ブルンジ、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボアール、コンゴ民主共和国、大湖地方(the Great Lakes Region)、ギニア、リベリア、ネパール、パレスチナ占領地域、コンゴ共和国、ソマリア、ウガンダ、ジンバブエ、西アフリカ地域への人道支援に必要となる額である。また、国連人口基金は緊急アピールのほとんどに賛同している。

国連人口基金が要請している資金額は、上記の国々における特定の緊急ニーズに対応している。例えば、安全な妊娠と出産などの基本的なリプロダクティブ・ヘルス、性感染症とHIVの予防とケア、そして性的暴力の犠牲者への治療に対応すること等がある。

CAPは、国際社会の人道支援を調整するため、また、国、地域そして国際的な救援システムを結集して複雑な緊急事態に対応することができるよう策定されている。

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