プレスリリース 2005年12月

地中海フォーラムで、女性や少女への暴力を阻止する法律を強化するよう各国政府に要請

2005年12月6日
国連、ジュネーブ・ニューヨーク

第一回女性への暴力についての地中海フォーラムにて、女性や少女への暴力を撲滅するための法律やその他の具体的措置が、早急に採択されるべきであるとフォーラム参加者によって提唱された。女性への暴力は、社会全体に悪影響を及ぼし、女性が開発に全面的に貢献することを妨げることになる、と報告された。

11月23-25日にモロッコのラバト(Rabat)にて開催されたこのフォーラムでは、1979年の女性差別の撤廃条約にて制限が設けられていた箇所と、1999年の選択議定書の承認を推し進める声があがった。また、ILO(世界労働機関)による職場における女性の権利に関する条約の承認も要求された。加えて、各国の政策は男女平等の原則に基づき、また各国の法律は関連する国際条約に則ったものに、との意見もあがった。

モロッコ政府、カナダ国際開発庁、国連人口基金によるこのフォーラムは、女性に対する暴力撤廃の国際デーを記念して開催された。このフォーラムには地中海諸国政府(アルジェリア、エジプト、ギリシャ、ヨルダン、レバノン、リビア、モロッコ、パレスチナ占領地域、スペイン、シリア、チュニジア、トルコ、カナダ)、NGO、国会議員、調査機関そしてメディアから80名が参加した。

「今も続く性的暴力に対し、女性へのあらゆる虐待をなくし、そして女性が基本的人権を享受できるような明確な国の政策が築かれることが強く求められています。このことにより、女性が政治的・社会的役割を果たし経済活動へ参画していくことができます」と、モロッコの家族・子ども・障害者担当秘書官(Morocco's Secretary of State in charge of Family, Childhood and Disabled Persons) ヤスミナ・バドゥー氏(Yasmina Baddou)は述べた。

フォーラムでは、法的措置やその他の性的暴力の防止策などの実例や、虐待を受けた女性や犠牲となった少女への対応方法などを参加者間で共有した。地中海諸国のほとんどの国で性的暴力の問題への意識は高まっており、また多くの国で成果が大きくあがってはいるものの、参加者からは、ジェンダーの平等と、経済、社会、文化分野における性差別の撤廃への障害が指摘された。

「国連人口基金はこの地域において、性的暴力に対し様々な方面から積極的に取り組んでいます。その中で、国際的な平等と人権の原則から外れることなく、地域や文化の特性を考慮したアプローチを取ることに成功しています。」とUNFPAアラブ諸国・ヨーロッパ地域局局長アラダン・モルシー(Alaadin Morsy)は述べた。

参加者らは、女性への暴力に関わる社会的・文化的側面、関連する国家的・国際的な法律の枠組み、女性と少女のリプロダクティブ・ヘルスへの影響、女性や少女への暴力による経済的損害といった多様な問題について議論を交わした。

フォーラムで採択されたラバト宣言では、地中海諸国の中にはいまだ性差別を助長し、女性の人権を無視した法律がある国が存在していることを指摘している。さらに、いくら国際人権規約を支持したとしても、それがジェンダーに着目した法的制度であり、女性の人権保護と結びついたものでない以上、効果がないということを指摘している。

ラバト宣言は、女性と少女への暴力に関する国内法に加え、これらの暴力が女性の健康、特にリプロダクティブ・ヘルスに及ぼす危険性に関する啓発キャンペーンの必要性を提唱した。また、特に農村地域の女性や少女のニーズを考慮しながら、国の開発計画にジェンダーの視点を取り込む戦略を求めた。同宣言は、学校の教育資料から女性のイメージを損なうような考え方を取り除く必要があることを指摘した。また、精神的・法的支援を行なうカウンセリングセンターの能力強化や、犠牲者への治療の改善を求めた。

さらに、ラバト宣言は、地中海諸国における性的暴力対策のためのネットワークを構築し、成功例の情報交換を促進しながら、フォーラムであげられた提案、行動計画の対応を国連人口基金と協力しておこなっていくことを提案している。

このページのTOP

ジャマイカのジャーナリストらが国連人口基金メディア大賞を独占

2005年12月9日
国連、ニューヨーク

ジャマイカのジャーナリストらが「ジェンダーの平等、リプロダクティブ・ヘルス、ミレニアム開発目標」を主要なテーマとして掲げた2005年カリビアン国連人口基金メディア大賞を独占した。彼らは、ラジオ、出版、テレビ部門6つのうち4つを受賞し、スリナム共和国、トリニダード・トバゴ共和国がその他の賞を受賞した。授賞式は6日、国連人口基金によって開催された。

まず、ジャマイカのパワー106FMのダミオン・ミッチェル(Damion Mitchell)氏がラジオ部門のトップ・プラチナ賞に輝いた。受賞作品は「殺人的怒り」で、母と3人の子どもが、保護者であるはずの父親によって虐待をうける悲惨な物語となっている。IRIE FMのソニア・シムズ(Sonja Simms)氏は、「ジャマイカの買春」で金賞の2位を受賞した。

出版部門では、ジャマイカ・グリーナー新聞のエウラリー・トンプソン(Eulalee Thompson)氏が「自分の健康、自分で守る」と、同紙が年間を通して行なった健康キャンペーンの中で8月と9月に連載した「セックス、ジェンダー、そしてHIV/エイズ」がプラチナ賞に選ばれた。トリニダード・エクスプレス(Trinidad Express)新聞のセドリアン・マーティン(Cedrian Martin)氏は、若者のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを5つの連載で取り上げた「ティーンズ・セックス」で金賞を受賞した。

テレビ部門では、持続可能な人間開発の分野で活動するスリナム共和国のNGOスティッチング・プロヘクタ(Stichting Projekta)のシャルダ・ガンガ(Sharda Ganga)氏が、「ロミオとジュリエット」の様なラブ・ストーリーを用い、HIV感染者への偏見や差別を取り上げた「愛の物語(Wan Lobi Tori)」でプラチナ賞を受賞した。ジャマイカ・テレビのキャロル・フランシス(Carol Francis)氏は、女性や10代の若者間のHIV/エイズを取り上げ、感染者を病気としてではなく人としての視点で見ることを訴え、金賞を受賞した。

カリブ諸国は、タブーが強い地域ではあるが、この大賞への出展作品には、活力とプロとしての意識を持ち偏見と戦う姿勢をもつ強いジャーナリストたちが存在しているということを示した。

参加したジャーナリストらは、カリブ諸国の社会でほとんど知られていない問題を取り上げた。彼らの作品は、いかに男女の社会的地位や役割への伝統的な考え方により、貧困や非識字の問題が悪化し、経済的な理由による路上での売春や、家庭内の虐待、暴力、殺人を引き起こされているか、ということを中心に物語が展開している。

彼らの出展作品を評価するにあたり、キングストンを拠点とするUNFPA英語およびオランダ語圏カリブ諸国 代表ハロルド・ロビンソン(Harold Robinson)は、「UNFPAは、ジェンダーの平等を含むリプロダクティブ・ヘルス/ライツを一般に広く啓発し理解を深めていくための重要な役割を果たすメディア分野のパートナーに対し、これからも支援を続けていくつもりです。」と述べた。

このページのTOP

中国の海南省にて家族計画政策緩和により、中絶が減少、より多く女児の出生がみられる-中国、海南省長江地方

2005年12月15日
国連、ニューヨーク

国連人口基金の報告によると、中国海南省の長江地域での産児制限撤廃により中絶数が減り、よりバランスのとれた男女比の出生となることが判った。

本部ウェブサイト"News Story" では、一つの県で国連人口基金が支援した政策の実施が、2004年12月、その地域全体で適用されることとなったと述べている。農村地域で生活するカップルは、地域の条例により子どもは2人までとされているが、第一子出産後、第二子の出産まで最低4年の間隔をあけるという制限が撤廃された。

当局はこの変化について、娘しかいない家族への経済的誘因となり、また男女産み分けによる違法の中絶を減らしていると、強調している。2000年には、海南省では男児の出生の割合が国内で最も高く、今日ではより自然で比率のとれたものになっていると保健医療サービス提供者は述べている。

国連人口基金は、十分な情報を与えられた上で、当事者本人が選択できるインフォームド・チョイスの原則に基づき、各々のカップルの必要性に応じたリプロダクティブ・ヘルスサービスと、自主的な家族計画サービスの提供を推進している。海南省での結果により、中国におけるこの啓発活動が効果的であるという事実が示された。

このページのTOP

津波被災地でのリプロダクティブ・ヘルスケアが復旧

2005年12月22日
国連、ニューヨーク

タイ、バンコク-インド洋津波被災から1年、国連人口基金(UNFPA)支援によるリプロダクティブ・ヘルスサービスの復旧と、被災者の心理社会的ニーズへの取り組みが継続して行なわれている。

国連機関の共同支援の一環として、インドネシア、スリランカ、モルディブ、タイの国連人口基金カントリー・オフィスは、被害をうけた保健医療施設の再建および復旧活動を行なっており、政府関係者やNGOが一時避難所や巡回医療チームでサービスを提供できるようトレーニングやそのための資機材の供与も続けている。支援活動は、妊産婦保健を優先事項として行なっている。

国連人口基金は様々なパートナー団体と共同で、性的暴力防止を含め、女性や青少年特有のニーズが復興計画の中で見落とされないよう働きかけている。

インドネシア-国連人口基金はアチェ、ニアス島での人口調査を支援しており、そのデータは復旧計画に活用されている。トレーニングや資機材の提供を通じて、国連人口基金はアチェの地域保健省と地元のヘルス・ワーカーの能力を強化し、被災地において質の高いリプロダクティブ・ヘルスケアを提供している。また、8つの主要な保健医療施設に、救急車や蘇生および緊急産科ケアのための機材を調達した。巡回医療チームは、遠隔地の村で生活する妊産婦へ同様のケアを提供している。

また、10のコミュニティー・センターでは、生計支援のためのトレーニングや宗教的・社会的な活動とともに、心理社会的カウンセリングや巡回診療が行なわれている。インドネシア精神医学協会(Indonesian Psychologists Association)を通じて、カウンセラーらは基礎的カウンセリング技術、性的暴力への対応、青少年および児童心理学についてのトレーニングを受講した。

国連人口基金は、パートナー団体と共同で避難民への基礎衛生キットの常時提供を続けている。今年配布されたキットは32万個にのぼる。

スリランカ-国連人口基金は津波により損傷もしくは破壊された病院と医療施設の再建を支援した。

保健省との合意および国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)の技術協力を得て、国連人口基金(UNFPA)ではリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供する18の施設の再建(母子複合施設、保健医療施設、診療所)を支援した。これら再建プロジェクトのほとんどが2006年6月には完了する予定となっている。各施設には政府の規格に基づいた医療資機材が設置される。また、北部および東部の保健医療サービス提供者は医療およびカウンセリング技術の向上を目的としたトレーニングを受講する予定となっている。

また、他の分野での国連人口基金の支援活動として、被災者の心理社会的ニーズへの対応があげられる。精神保健委員会の政策策定に協力し、行政官、ヘルス・ワーカー、社会福祉職員のトレーニングを支援している。また、女性のニーズへの対応や性的暴力予防に取り組む27の女性センター設立も支援している。 2006年開所予定のこれらのセンターは、関連した基本情報やサービスを提供し、地元での性的暴力への対処方法のシステムを強化する。

モルディブ-国連人口基金は当局を支援し、避難民のリプロダクティブ・ヘルスケアと心理社会的支援へのニーズの評価を引き続いて行なっている。また、包括的で質の高いリプロダクティブ・ヘルスサービスを復旧させるため、損傷した施設の再建を行なっており、2006年には大量の資機材が到着する予定である。妊娠や出産による合併症を負った女性の移送手段を含む、緊急ケアを提供するための医療資機材を載せた大型船2隻を調達することになっている。

国連人口基金では、病院関係者や地元のヘルス・ワーカーを対象としたリプロダクティブ・ヘルスのトレーニングを提供している。また、病院や巡回医療チームに参加するためや、地元の関係者をトレーニングするために海外から産婦人科医や助産師が雇用された。

タイ-最も被害の大きかった4地域にて、地元の人々や移民労働者コミュニティーを対象としたリプロダクティブ・ヘルスのニーズに取り組んでいる。主に、安全な母性(safe motherhood)、家族計画、ジェンダーの平等、HIV予防と青少年のリプロダクティブ・ヘルスに焦点をあてて活動を行なっている。

国連人口基金はタイのワールド・ビジョン財団への支援を通じて、約5,000人の移民労働者とその家族を対象とした一般的なヘルスケアやリプロダクティブ・ヘルスサービスを巡回医療チームより提供している。

このページのTOP

紛争予防と復興における女性の役割を国際社会が再確認 -平和構築委員会は恒久平和を約束するものであると国連人口基金が歓迎

2005年12月23日
国連、ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)は、国連加盟国による平和構築委員会設置の決議を歓迎した。

「この平和構築委員会は、紛争から復興しようとしている国々の恒久平和を促進する、大いなる一歩となるでしょう。紛争予防と復興段階に女性が果たす重要な役割と、それぞれの地域における恒久平和を構築し促進するために女性が行なっている多大な貢献を国際社会が認めたことを大変嬉しく思います。女性と若者は平和構築において中心的役割を果たさなければなりません。」と国連人口基金事務局長トラヤ・オベイドは述べた。

国連総会での決議で、女性が「平和および安全保障の維持と促進へのあらゆる取り組みに、そして紛争の予防と解決、また平和構築に関する政策決定における女性の役割を増やす取り組みに、平等に参加し全面的に関わる」重要性を強調している。また、「市民社会、女性グループを含むNGOの平和構築への重要な貢献」を評価している。この決議は、委員会に対しジェンダーの視点をあらゆる取り組みに含めることを求めている。

近年の国連事務総長による報告では、女性、平和そして安全保障に関わる国連安全保障理事会決議1325号で要求された各国連機関がどのように紛争下および紛争後におけるジェンダーの平等を広めることができるのかを述べている。国連人口基金は、HIV/エイズと性的暴力を含むリプロダクティブ・ヘルスのニーズへの対応、女性グループの能力構築、女性と若者の政治過程参加への推進、法の改正において女性の権利が統合され、正確な人口データが人々のニーズに対応し、人権の促進と保護に活用されるよう取り組んでいる。

このページのTOP