プレスリリース 2006年5月

欧州委員会(EC)が紛争被害国17カ国にリプロダクティブ・ヘルス関連物資供給のため15万ユーロを拠出

2006年5月2日
国連、ニューヨーク

欧州委員会(EC)はこのほど、産科ケアおよび妊産婦の健康改善のための機材と物資を供給する資金として、国連人口基金(UNFPA)に14万8700 ユーロを拠出した。対象となるのはアフリカ・カリブ・太平洋諸国(ACP)のうち、紛争による被害を受けている17か国である。この拠出による物資の供給は2年間継続され、何百万という人々に、安価で品質のよいリプロダクティブ・ヘルス物資を、自らの選択によって手に入れる機会を提供することになる。

今回の新規拠出によるスキームの対象国は、ACP諸国との合意に基づき、アンゴラ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コートジボワール、コンゴ民主共和国、チャド、コンゴ共和国、エリトリア、エチオピア、ハイチ、ギニアビサウ、リベリア、モザンビーク、ルワンダ、シエラレオネ、ソマリア、スーダンとなった。これらの国々でのリプロダクティブ・ヘルスと家族計画関連のプログラムに対する資金援助は需要の高さと比較して大きく不足しているばかりでなく、HIV/エイズ対策が状況をさらに深刻なものにしている。

「国連人口基金は、ECのイニシアティブを大いに歓迎し、拠出金に感謝します。この拠出により、最も必要とされている地域でのリプロダクティブ・ヘルスと家族計画サービス提供を補強することができます。何百万というカップルが、自らの家族づくりを計画的に行い、出産の間隔を主体的に選ぶのを手助けするとともに、HIV/エイズを含む性感染症や、出産・誕生に伴う医学的リスクを防ぐことができます。ひいては、これらの国々による、『妊産婦の健康の改善』、『HIV/エイズの蔓延防止』といったミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた努力への支えともなるのです。」と国連人口基金事務局長トラヤ・オベイドは、強調する。

このスキームでは、対象国はリプロダクティブ・ヘルス関連物資の現在および今後の必要量の見積もりを行い、必要とされる時期と地域に応じて製品の購入と配分を行うことになる。対象となる機材・物資は妊娠検査キット、妊婦ケア機材、出産キットなどで、帝王切開術に関する機材・物資も含まれる。さらに、 HIV/エイズなど性感染症の予防・処置という観点から、避妊薬(具)などの物資も対象とされる。

このページのTOP

国際助産師の日、国際保健組織 さらなる助産師の必要性を訴える

2006年5月5日
オランダ・ハーグ、米国・ニューヨーク

5月5日は「国際助産師の日」である。この日、国際助産師連盟(ICM)と国連人口基金(UNFPA)は世界の人々に向け、助産師支援の必要性を訴えた。世界的に、また特に開発途上国において緊急に助産師支援が行われれば、2015年までに500万人の妊産婦の命を救い、8,000万の妊娠・出産に関連する疾病を予防することができると考えられている。

世界では、毎年52万9,000人の妊産婦死亡と、800万の妊娠・出産時の疾病罹患が起こっていると推計されるが、助産師の存在はこれらの悲劇の予防に死活的な重みを持っている。マレーシア、スリランカ、チュニジアといったさまざまな国で、助産師の募集・訓練・保持に対する投資は、緊急産科ケア体制の補強とあいまって大きな成果を上げ、妊産婦死亡率を低下させてきた。助産師に対するさらなる投資は、より多くの-何百万人の命と健康を救うことになるのだ。

国連人口基金とICMは、妊産婦の健康の改善・幼児死亡率の削減といった、国際公約となっているミレニアム開発目標を達成するため、助産婦の不足に対する世界の迅速な対応を呼びかけた。世界保健機関(WHO)の推計によれば、妊産婦の死亡と疾病を抑制するためには、新たに少なくとも70万人の助産師が必要とされている。

「教育、訓練、各地域への均等な配分を通じて、助産師不足の地域の問題に取り組むことは、『妊産婦の健康の改善』というミレニアム開発目標の達成に向けた大きな力となります。」と国連人口基金事務局長トラヤ・オベイドは強調する。

「専門家としての助産師という職業は、より安全な出産のための大切な役割を担っています。全ての女性が、望むならば助産師の助けを得られるようにしなければなりません。助産師はコミュニティと医療施設との橋渡し役であり、保健医療システムの"産前医療"、"乳幼児ケア"といった枠組みを超えて活動することができます。このため、妊娠・出産というサイクルのなかで継続的なケアを提供するために、非常に重要な役割を持つのです」とICM会長のKathy Herschderfer氏は述べている。

国連人口基金とICMは、世界各国で助産師の能力強化を行い、妊産婦や新生児が死亡したり障害を負ったりする事例を減少させるため、協力して活動している。協働分野には、助産師の活動の専門性を高め、その意義の大きさに対する社会的関心を喚起すること、各国の助産術のレベルを引き上げること、さらにコミュニティに基盤を置く助産師活動の規模拡大のために各国を支援することなどが含まれている。

★★★★
「国際助産師の日」は1992年にICMによって制定された。
ICMは1919年に設立された組織で、75カ国、88の助産師協会が加盟する連盟である。世界のどこに住んでいようとも、母と子、そして家族が安心して妊娠・出産できるよう助産師の意識を高めることを目的として活動している。

このページのTOP

ハイチの新国勢調査の結果まとまる-雇用、教育、妊産婦保健サービスの大幅な不足が明らかに

2006年5月10日
ハイチ、ポルトープランス

5月10日、ハイチのHenri Bazin財務大臣と国連人口基金(UNFPA)はハイチの首都ポルトープランスで、同国で24年ぶりとなる国勢調査の結果を発表した。この結果から、人口の半数が20歳未満であること、失業率が何と33パーセントにも上ること、さらに就学率が49%にしか満たないことなどが明らかになった。そして、ハイチの妊産婦死亡は出産10万に対し523にもなり、西半球で最も高い率を示していることが関連する調査によって分った。

「国勢調査により、ハイチにおける根本的なニーズがどのようなものかが見えてきました。人口構成を見ると若年層が非常に多いため、教育とリプロダクティブ・ヘルスサービスにより重点を置くことが必要である」と、国連人口基金ハイチ事務所のHernando Clavijo代表は述べた。

また、別の調査によれば、ハイチ人のHIV/エイズ感染率は西半球で最も高く、4%から5%の間との推計結果が報告されている。確実な数値は出ていないが、4%から5%の間との推計である。

今回の国勢調査は、ハイチの財務省と統計・情報科学研究所によって実施され、調査員などに総勢25,000人が雇用された。1950年、71年、82年に続く、ハイチの歴史上、4回目の調査である。なお、実施費用は約8百万米ドルで、ハイチ政府の自己資金のほかに国連人口基金、米州開発銀行、欧州連合、日本政府、およびベルギーのワロン地域政府からの資金でまかなわれた。

以下に主な結果を記載する。

<社会経済的指標>
人口サイズ:840万人。なお、2010年までに1,000万人を突破すると考えられる。
人口統計学的人口増加率:年率2.5%
合計特殊出生率:女性1人当り4人
平均寿命:男性-53歳、女性-56歳
人口密度:1平方キロメートル当り302人
人口の50%が20歳未満
都市化率:40%
失業率:33%
成人識字率:59%
初等教育就学率:49%

<社会的指標:ハイチの数値が他のカリブ海地域諸国より低い>
妊産婦死亡率:出産10万件あたり523件
HIV/エイズ:総人口の4-5%がHIVに感染
幼児死亡率:8人に1人の子供が5歳の誕生日を迎える前に死亡
乳児死亡率:14人に1人の乳児が1歳の誕生日を迎える前に死亡

このページのTOP

国連人口基金は、エイズ時計の数値をゼロに戻すために活動を続ける

2006年5月23日
国連、ニューヨーク

国連人口基金のイニシアティブによって始められ、リニューアルされたエイズ時計は、HIV/エイズの感染者数を示しており、1997年以降現在にいたるまで止まることを知らずに増え続けている。

エイズ時計がニューヨークの国連本部のロビーに置かれた当時、HIV感染者は、約2,400万人であった。その後、大部分はすでに亡くなっており、何百万人もの人々が新に感染している。1999年以降エイズ時計はウェブサイト上に掲載され、近年修正が加えられ内容がより充実している。エイズ時計の役割は現在にいたるまで変わらず、世界の人々にHIV感染者数を提示し、迅速な対応の必要性を訴え続けている。

25年前にエイズが発見されてから、6,500万人以上の人々がHIVに感染し、2,500万人以上が亡くなり、推定4,030万人が新たに感染している。「エイズ時計は、我々の仕事がいかに急を要するのかということを思い起こさせてくれる」「感染者が増えるごとに音を立てて数値を刻む。それぞれの数値は、個人の顔、家族、その他の感染者を象徴している。我々の目的は、感染者数の増加率を下げ、最終的にはエイズ時計の数値をゼロにすることであり、そのためにはHIV予防が何より大切である」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは強調した。

エイズ時計の数値は、UNAIDS(国連エイズ合同計画)が発表する「世界エイズ報告書2006」のデータに従って修正される予定である。その報告書は「国連エイズ特別総会ハイレベル・レビュー会議」(5月31日~6月2日)で公表される。2001年に開かれた国連エイズ特別総会における「HIV/エイズに関する政治宣言」の採択後5年間の進捗評価をまとめたものである。

エイズ時計のウェブサイトでは、HIV感染者数の推定値だけではなく、UNAIDSから提供される情報をもとに、地域ごとの感染者数、関連するデータや HIV感染の動向を表示している。また、UNAIDSの共同スポンサーである10の国際機関や様々なキャンペーン情報にリンクしており、HIV/エイズに関する問題意識を高め、効果的な支援を可能にしている。

毎月何千人もの人々がエイズ時計にアクセスしている。団体、学校、メディア関係者などに、ぜひともこの啓発ツール(エイズ時計)を活用してほしい。

このページのTOP

報道資料:国連HIV/エイズに関する総会ハイレベル会合:
国連人口基金、HIV/エイズの女性化傾向を懸念

2006年5月24日
国連、ニューヨーク

エイズが発見されてから25年が経った今日、国際社会の代表が国連に集まり、エイズ問題に対する世界各国での取り組みを検討することになった。5月31日から6月2日まで「国連のHIV/エイズに関する総会ハイレベル会合」が開催され、2001年国連エイズ特別総会以降、どれだけ状況が改善されたか、そしてこの総会で採択された「HIV/エイズに関する政治宣言」の実施状況とが吟味される。

この会合で国連人口基金(UNFPA)は、HIV/エイズの「女性化」、特に若い世代におけるこの問題を精力的に取り上げる。世界の特定地域では、女性が青年層(15歳~24歳)のHIV感染者の76%を占めている。国連人口基金は各国の政策決定者たちに対し、青年層や社会的弱者を対象としたHIV/エイズの予防や治療、関連する保健医療ケアをさらに充実させるべく政治的コミットメントを要望していくが、その一環として以下のようなイベントを計画している。

5月29日(月)
●ユースサミット
本会合を控えたプレイベントとして、世界各国でHIV/エイズ問題に取り組んでいるユース団体の代表が集まり、それぞれの団体のキャンペーン経験を発表し、会合での検討のためのインプットに備える。

場所:国連人口基金 (デイリー・ニュース・ビルディング)
時間:9:00 a.m.-5:00 p.m.

5月30日(火)
●「世界エイズ報告書2006」発表
国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドがピーター・ピオットUNAIDS(国連合同エイズ計画)事務局長、アン・ヴェネマンUNICEF(国連児童基金)事務局長と共に「世界エイズ報告書2006」の発表に加わる。この報告書は、HIV/エイズ問題に関する各国の取り組みについて、現在までのところ最も包括的に全体状況を取りまとめた文書である。

場所:国連本部226号室
時間:11:00 a.m.-12:00 p.m.

5月31日(水)
●ドキュメンタリー・フィルム「ウェイク・アップ」上映会
モザンビークを舞台とするドキュメンタリー「ウェイク・アップ」(30分)を上映する。モザンビークでは、ようやく内戦が終結した直後、HIV/エイズが急速に蔓延していることが明らかになった。このフィルムは青年層がいかにHIVの影響を受けているかを探るとともに、HIV/エイズに対する人々の関心を呼び覚まし、予防を進めようとするいくつかのNGOの懸命な活動についても記録している。制作は"The Road to Baghdad"などの Simone Duarte。

場所:国連本部 「ダグ・ハマーショルド」オーディトリアム
時間:2:00 p.m.-3:00 p.m.

6月1日(木)
●パネル討論会3 「進むエイズの女性化を食い止める」
討論会のモデレーターは国連人口基金事務局長。今日HIV/エイズの影響は、男性よりも女性により深刻に表れている。討論会ではこの現象について、そしてこの傾向が社会や経済の状況変化にいかなる示唆を与えるのかについて議論がもたれる。

場所:国連本部 第二会議室
時間:10:00 a.m.-1:00 p.m.

●「ユース・コーカス(青年幹部会議)」
本会合の議論について若者たちが検討し、会合の成果を自分たちの国でどう生かせるのかについて話し合う。ナーネ・アナン国連事務総長夫人と国連人口基金事務局次長 和気邦夫が出席する。

場所:国連本部 第六会議室
時間:1:00 p.m.-2:00 p.m.

反エイズ・キャンペーン運動家音声記者会見
ケニア、オランダ、米国でHIV/エイズに立ち向かう3人の青年活動家が電話を通じて行う音声記者会見。彼らの体験について、さらにそれぞれの国でHIV /エイズの蔓延を防ぐにあたり青少年が直面するさまざまな困難について語る。国連人口基金HIV/エイズ局長スティーブ・クラウスが出席。

時間:2:00 p.m.-3:00p.m.
参加を希望するマスメディアの方は、Micheline Kennedy(+1(202)326-8710)にご連絡ください。

このページのTOP

インドネシア・ジャワ島中部地震-
安全な出産のために取り組む国連人口基金

2006年5月30日
インドネシア、ジャカルタ

ジャカルタからの報告によれば、国連から派遣された調査チームは現在、10万人の被災者を対象に、妊産婦に対する緊急産科ケアや母子保健サービスを含むリプロダクティブ・ヘルスサービスに関する現状を調査中である。それに応じて、国連人口基金は必要な物資を被災地に供給する予定である。

5月27日に起きたインドネシア・ジャワ島中部地震による、ジョグ・ジャカルタ市とジャワ島中部の州の死者は5,000人以上、負傷者は15,000人以上と報告されており、犠牲者はさらに増えると予測されている。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、約25,000の家屋が倒壊や被害を受けた。

国連人口基金は、緊急時になおざりにされがちな母子保健サービスを含むリプロダクティブ・ヘルスサービスにも支援が向けられるよう尽力している。そのため 28日には、最も被害の大きかったバントゥル(Bantul)とクラテン(Klaten)地域に専門家を派遣し、ユニセフ(UNICEF)と世界保健機関(WHO)の専門家とともに、同地域における人口と保健システムの地震による被害状況を調査している。

「我々の目的は、被災後これ以上の死者を出さないために、質の高いヘルスサービスを提供することである」、「国連機関合同で行う調査結果に基づき、リプロダクティブ・ヘルス・キットや関連物資を調達して避難所に暮らす人々のリプロダクティブ・ヘルスサービスへのアクセスを確保する。特に妊娠合併症を起こした妊産婦への緊急産科ケアが優先課題である」と、国連人口基金インドネシア事務所代表ベルナール・コクラン(Bernard Coquelin)は語る。

スマトラ沖大地震の際の支援活動と同様に、国連人口基金は避難所で生活している女性に対して、性的暴力の予防や衛生キットの配布を行ない、彼女たちが支障なく日常生活を営むことができるように支援を行なうつもりである。

このページのTOP