プレスリリース 2006年6月

ネパール議会で女性の権利のための法案可決

2006年6月1日
ニューヨーク、国連

エイズの蔓延をせき止め、HIV/エイズ禍の減退を促すためには、世界の女性たちが自らの身体と人生、そして公共政策や予算に対して発言力を強め、決定権をもっと持つことが欠かせない。昨年の世界サミットで首脳たちも合意したように、「女性たちのためになることは、すべての人のためになる」のである。これを皆が理解しなければならない――6月1日、国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・A・オベイドのメッセージである。

事務局長の発言は、国連のHIV/エイズに関する総会ハイレベル会合の主要な催しの一つであるパネル討論会(テーマは「進むエイズの女性化を食い止める」)でのものだ。この会合には世界140か国から政府要人が集まり、2001年の国連エイズ特別総会で合意された「HIV/エイズに関する政治宣言」の目標達成に向けた進捗状況を検討している。

事務局長はさらに、女性や少女たちはHIV/エイズの影響を非常に受けやすいこと、しかしこれは個人としての行動が原因なのではなく、彼女たちが直面している力関係の不平等さ-女性に対する差別と暴力によるものであることを訴えた。また、今日の世界的HIV/エイズ拡散の傾向に照らし合わせ、既婚であることさえ女性にとってのリスク要因となっていることを指摘した。

「20年前の成人HIV感染者の内、女性は3分の1ほどでしたが、今日、女性の比率はほぼ半数にまで上昇してしまいました」と事務局長は述べた。現在、カリブ海諸国とサハラ以南のアフリカ諸国では、HIV新規感染者は男性より女性が多く、アジア、東欧、ラテンアメリカでも女性のHIV感染が増加している。そして、エイズは25-34歳のアフリカ系アメリカ人女性の死因のトップなのである。

女性と少女たちがHIV感染の高い危険にさらされているにもかかわらず、彼女たちは男性に比べて教育を受けたりHIV/エイズに関する情報に接する機会が少なく、結婚や性的関係において発言力もなく、融資などを含む経済的チャンスからも疎外されている。HIV/エイズについての対策や政策策定に至っては、女性たちの意見が取り入れられることはほとんどないと言ってもよい。

「こうした現状の一つの結果として、2005年に開発途上国で母子感染を防ぐためのサービスを受けられた妊婦は、妊娠中の女性全体のわずか10%にも届きませんでした。また、若い女性たちのうち、HIV感染を予防する正確な方法をわかっていたのは5人に1人しかいませんでした」と事務局長は述べた。「女性たちのニーズに応え、その人権を保障して社会参加を確保していくことでしか、世界はこの病気の蔓延を食い止めることはできないのです」

同じパネル討論会で、デンマークのUlla Tornaes開発協力相は「多くの国際協定が女性の権利擁護を掲げているが、その同じ権利を再確認しようとするとその場が紛糾したり拒絶されたりすることがよくあります。それでも、包括的なセクシュアル・ヘルス/ライツ、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの重要さを、わたしたちは主張しつづけなければなりません」と述べた。また、大統領府総務庁長官のNilcea Freire氏は「エイズ対策のさまざまな努力と試みが成功を収めるには、女性運動やフェミニストの非政府組織へのサポートが強化されることが必要です。 HIV感染の広がりを抑え、減らすために、こうした運動や組織は欠かせないパートナーとなります。ブラジルでも、これらの人々との協働によって成果を収めることができました」と発言した。

このパネルディスカッションには、ジャマイカの「ユース・アドボカシー・ムーブメント」(青年のための啓発活動団体)のKeesha Effs氏、「ASTRA」(セクシュアルおよびリプロダクティブ・ヘルス/ライツのための中東欧女性ネットワーク)の創設者Wanda Nowicka氏、南アフリカのアングロ・アメリカン企業グループ顧問のBrian Brink博士、「HIVに感染している女性の国際コミュニティ」の東アフリカ地域コーディネーター、Lillian Mworeko氏らが出席した。

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ネパール議会で女性の権利のための法案可決

2006年6月5日
ネパール、カトマンズ

「先週ネパール議会で可決された決議案は、女性の市民権と参政権の向上のために画期的な進歩である」と国連人口基金ネパール事務所代表サザキジュンコは述べた。

再召集された下院議院において5月30日に法案が可決され、以前は父親だけに与えられていた子どもへの市民権相続の権利が母親にも与えることを認められた。また、33%の公務員職を女性のために確保し、女性や少女を差別する全ての法律を見直すことを政府に求めた。

「これらの動きは女性のエンパワーメントと貧困削減への重要な取り組みである」、「ネパールが持続可能な開発を達成するために、ジェンダーの平等は不可欠である。全ての女性と少女が尊厳と敬意をもって扱われるべきである」とネパール事務所代表は強調する。

1970年以来、国連人口基金はセクシャル/リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)と女性の権利を守るためにネパールで活動を続けている。

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報道資料:国連人口賞授賞式行われる バングラデシュの医師とハイチの家族計画サービスNPOが栄誉ある同賞を受賞

2006年6月7日
ニューヨーク、国連

今年の国連人口賞授賞式が国連本部で開催され、受賞者が栄えあるメダルを手にする。国連人口賞選考委員会は世界各国で人口問題対策に取り組み、人々の健康と福利の向上のために優れた業績をあげてきた27候補者を慎重に審査し、今年の受賞者を決定した。選考委員会は国連加盟国10か国の代表で構成され、国連人口基金(UNFPA)が事務局を務めている。

2006年国連人口賞受賞者

*Halida Hanum Akhter医師(バングラデシュ)
「バングラデシュ家族計画協会」事務局長。同協会は世界の家族計画団体の中でも最も長い歴史を持つ組織の一つである。Akhter医師はシアトルに本部を置く「保健における適正技術プログラム」(PATH)の理事長でもある。

*FOSREF (Fondation pour la Sante Reproductive et l'Education Familiale)(ハイチ) ハイチのリプロダクティブ・ヘルスと家族生活の向上に尽力してきた民間団体。1988年の設立以来、FOSREFは26のセンターを通じ、120万人以上の市民にリプロダクティブ・ヘルスケアを提供している。

2006年国連人口賞授賞式
列席者:
Halida Hanum Akhter医師 (受賞者)
FOSREF (受賞者)

国連人口賞専選考委員会議長 Judith Mbula Bahemuka 大使(ケニア)
国連総会議長 Jan Eliasson
国連事務局次長 Mark Malloch Brown
国連人口基金事務局長Thoraya Ahmed Obaid

場所: 国連本部(ニューヨーク) Trusteeship Council Chamber
日時: 6月7日(水) 4:00-5:30 p.m.

授賞式では、報道関係者の出席を歓迎します。

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「HIV/エイズ対策の要は予防活動に」と世界の指導者たち
~HIV/エイズのない未来世代のため、エイズ予防策実施に対する障壁を撤廃し、資金を振り向け、女性のエンパワーメントを促進して蔓延を食い止めると宣言~

2006年6月7日
ニューヨーク、国連

エイズの蔓延が始まってから四半世紀が経とうとしている。先週金曜日、ここニューヨークに集合した世界の指導者たちは「政治宣言」を発表し、今後およそ 40か月のうちに、包括的なHIV/エイズの予防プログラム、治療、ケアやサポートの完全普及を目標とする各国の対応をさらに強化するために最大限の努力を払うことを表明した。

「HIV/エイズの予防・治療・ケア・サポートへのアクセスを阻む障壁は、法規制、貿易・関税、その他いかなるものであろうと取り除かねばならない。総合的なエイズ対策を実現させるためには適切に予算と資源を配分し、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを促進しなければならない」と指導者たちは宣言した。さらに、「すべての人々が、生命を救い得る薬品や予防手段を手に入れられるよう、あらゆる必要な措置をとる」ための効果的かつ包括的な予防対策を拡大実施していくことが合意された。

この宣言は、5月31日から6月2日まで開催され、各国の首脳を始め多くの政策決定者が出席した「国連HIV/エイズに関する総会ハイレベル会合」の総意として採択されたものである。

ここでは、政策と実際のプログラムとをより有機的に連結し、HIV/エイズ対策、セクシュアル・ヘルス(性に関する健康)やリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の向上とをより効果的に統合していく---さらにこれらと国家開発計画との統合も加速させる---ことの必要性が強調されている。また、HIV/エイズの「女性化」を受け、ジェンダーの不平等や女性に対する暴力を撤廃し、女性や少女たちがHIV感染から自らを守ることができるよう政治・経済・社会的能力を高めていくための対策がとられることも盛り込まれた。

さらに踏み込んで、女性がHIV感染からと同時にジェンダーに基づく抑圧や差別、暴力からも自由になるべく、自分のセクシュアリティに関するさまざまな事がらを自分でコントロールすること、そのために必要な権利の行使が保障されるべきことが言明されている。世界の指導者たちは、「女性のエンパワーメントと経済的自立を促進する環境を確保するため、すべての必要な措置を講じる」と約したのである。

女性と並んで青年層のHIV感染増加が問題視されているが、「宣言」はこの点にも言及している。包括的かつ具体的データに基づいた感染予防戦略、同じく具体的データに裏付けられた青年層のための特別教育プログラム、若者が利用しやすい保健サービスの提供などが挙げられている。

「宣言」は53段落にわたる。上記の他に各国指導者たちが「宣言」でコミットメントを明言した課題を以下に紹介する。

●HIV/エイズ対策の重点を確実に「予防」に置く。これは、対策範囲の大小(全世界、地域、国内)のいずれにおいても同様。

●すべての国においてHIV感染予防が多様なプログラムを通じて行われるよう努力する。例えば、ハイリスク行動を減少させ、より責任ある性的行動を促進する(性的行動の節制や性的パートナーを制限する方式を含む)情報・コミュニケーション関連プログラム、必須関連物資(男性用および女性用コンドームなど) を手に入れやすくする活動、希望者がカウンセリングやHIV感染検査を受けやすくする活動などもこれに含まれる。

●妊娠中の女性が出産前ケアやその他のHIV対策関連サービスを必ず受けられるようにする。HIV感染者の女性が効果的治療・ケアをより受けやすいようにする。こうした施策はHIVの母子感染を減少させるのに役立つ。

●HIV感染者やエイズ患者に対するあらゆるタイプの差別を根絶するための法的規制およびその他の施策を確立する、または確実に実施されるようにする。HIV/エイズに対する社会の偏見や、この感染症に関連する社会的疎外をなくすための方策を発展させる。

●女性の人権を保護する対策を強化し、HIV/エイズの影響を女性が男性よりも受けやすい現状を改善する。これは女性および少年少女に対するあらゆる差別と性的搾取を根絶することを通じてなされるべきで、性的ビジネスにまつわるものを含む。

●女性と少女/女児に対するあらゆる種類の暴力を根絶する。これには、有害な"伝統的"慣習、虐待やレイプその他の性的暴力、殴打・暴行、人身売買などを含む。

●2001年の「HIV/エイズに関する政治宣言」を充分に実施に移す。また、「国際人口開発会議」で合意されたように、2015年までにリプロダクティブ・ヘルスケアの完全普及を達成する。

●HIV/エイズの総合的予防・治療・ケアおよびサポート対策を2010年までに完全普及させるため、実態としての深刻かつ急を要するニーズを反映した実施目標を今年中に策定する。

これらのHIV/エイズ蔓延防止対策の策定・実施における進捗状況は、2008年および2011年に点検・検討されることになっている。金曜日のこの「政治宣言」に先立ち、数日前には国連エイズ合同計画(UNAIDS)の報告書が発表された。この報告書はHIV/エイズが世界に及ぼしている甚大かつ深刻なインパクトを整理し文書化したもので、エイズ発見以来の25年間で6,500万人がHIVに感染し、このうち既に2,500万人が死亡していること、現在 HIVに感染した人生を送っている人々がおよそ3,860万人に上ることなどが明らかにされている。

(注) 本文中「政治宣言」からの引用は公式訳ではありません。

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東ティモールの避難民のために妊産婦保健サービスへのアクセスを改善する

2006年6月8日
東ティモール、ディリ

東ティモールの首都ディリの暴動により住む場所を失った避難民のうち3,000人と推定される妊産婦への保健医療サービスが国連人口基金(UNFPA)の急務である。

労働・コミュニティ復帰省が指揮をとる機関合同人道調整グループは、主に宗教施設へと難を逃れた約70,000人の避難民に対する緊急支援を行っている。この支援活動の一端として、国連人口基金、国際保健連合及び東ティモール医療協会は、避難所の妊産婦への保健サービスを提供するために、保健省や地方自治体を支援している。

一日最大5件の出産がある中で、出産の迫った妊産婦を国立病院の産婦人科まで適宜搬送することが緊急の課題である。国連人口基金は保健省を支援し、出産2週間前から産後1週間、妊産婦とその家族が病院内で生活できるような施設を建てる。また、国連難民高等弁務官事務所と国連世界食糧計画は、物資運搬と栄養面の支援を行う。

産科医、一般開業医、助産師から成るチームが毎日避難所を巡回し、国連世界食糧計画が支給する破傷風予防接種や補助食品配布を含む妊産婦ケアを行い、出産間近の妊産婦の健康状態を管理する。国連人口基金は救急車へのガソリンを供給し、ヘルス・サービスを24時間体制で提供できるよう努める。

「東ティモールの出産率は世界でも最高水準にあり、平常時でさえ母子保健サービスの提供に多くの課題を抱えている。緊急時においては妊産婦が必要とする産科医療サービスの提供に向けて、より一層の尽力が求められる」と国連人口基金東ティモール事務所代表のエルナンド・アグデロ(Dr. Hernando Agudelo)は語る。

さらに、緊急時においては平常時よりも性的暴力の問題が深刻となるため、国連人口基金では東ティモール女性NGOネットワークと協力し、避難所で生活する女性や少女に対する性的暴力の予防活動を行う。このNGOネットワークの加盟団体や、政府のジェンダー平等推進局などの性的暴力反対組織は、女性や少女への啓発活動や擁護策についての行動計画を立案中である。

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東ティモールの避難民のために妊産婦保健サービスへのアクセスを改善する

2006年6月15日
東ティモール、ディリ

「ディリ周辺の避難キャンプで生活する妊産婦は、妊産婦ケアサービスを受けられ、出産前には国立病院に入院するという選択もできるようになりました」と国連人口基金東ティモール事務所代表エルナンド・アグデロ(Hernando Agudelo)は語る。

「出産間近の女性が安静にしていられる場所としてディリ国立病院に20個のテントを設置しました。保健サービス機関、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)、東ティモール女性ネットワーク(REDE Feto)の効果的な連携によって実現しました」と東ティモール事務所代表は述べた。

国連難民高等弁務官事務所は、110個のテントを病院に提供した。各テントは仕切られていて、10人まで収容することができる。

国連人口基金と東ティモール女性ネットワークは、すでに10人の妊産婦とその家族を避難所から病院の新しい「安静所」に移送した。さらに8家族が出産間近に移送されることが巡回医療チームによって確認されている。

「避難所の状況は、特に妊産婦にとって困難な状態です。専門医療サービスへの移送手段が十分でないことで、日常よく見られる健康問題でも妊産婦は命の危険にさらされることもあり得ます」と国連人口基金技術顧問のセビンジ・フセインシャーデ(Sevinj Huseyn-Sade)医師は語る。

巡回医療チームの働きにより、妊産婦は産前・産後のケアを受けることができ、特に妊娠の最後の周期にはより綿密なケアを受けられる。「この新しい『安静所』を病院に設けることで、妊産婦はより安全な場所で総合的医療を受けることを選択できるようになりました」とフセインシャーデ医師は説明する。

巡回医療チームは鉄剤と葉酸を妊産婦に配布し、国連世界食糧計画(WFP)は栄養価の高いBP5ビスケットを提供する。また、カトリック救済サービス(Catholic Relief Services)とヘルスネット・インターナショナル(HNI)は、妊産婦ケアの提供者がマラリアやデング熱にかかりやすい妊産婦に蚊帳を提供できるような支援を行なっている。

この取り組みは、機関合同人道調整グループが実施するより広範な妊産婦のための保護イニシアティブの一部である。首相直轄のジェンダー平等推進局を含め国内外の協力団体と連携し、性やジェンダーに基づく暴力を調査する下部組織も創設した。

機関合同人道調整グループは週3回のミーティングの中で、ニーズの変化を評価しその対応の調整を行う。東ティモール政府主導のこのグループは、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国際移住機関(IOM)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連世界食糧計画(WFP)、カトリック救済サービス、ケア・インターナショナル(CARE International)、オーストケア(AUSTCARE)、赤十字社(the Red Cross)、オックスファム・オーストラリア(Oxfam Australia)、プラン・インターナショナル(Plan International)、国境なき医師団(Medicins Sans Frontieres)、ワールド・ビジョン(World Vision)、NGO団体CONCERNからの代表者で構成されている。オーストラリア国際開発庁や米国国際開発庁(USAID)のようなドナー団体や現地組織も多数参加している。

6月12日付で国連は東ティモールのための共同緊急アピールを発表し、国連人口基金は国内避難民のジェンダーに基づく暴力の予防と妊産婦健康ケアのため、3カ月の予定で約60万米ドルを要請した。

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報道資料:紛争地域内外の性的暴力に関する国際シンポジウム

2006年6月16日
ブリュッセル/ニューヨーク、国連

国連人口基金主催、欧州委員会(EC)とベルギー政府後援で、紛争地域内外における性的暴力に関する国際シンポジウムが行われる。紛争地における性的暴力の問題に焦点を充てた初の大規模な国際会議である。3日間の日程で、性的暴力がもたらす社会的、文化的損害や関連する開発コスト、また予防や対策の効果について強調し、国際社会の政策決定者や一般の参加者に対し戦争に関わる暴力の甚大な損害についての認識を喚起する予定である。本シンポジウムは、知識を共有し、政治的・財政的支援を動員し、包括的な国家行動計画の策定を通じて、緊急人道支援から復興、開発支援の各段階において性的暴力への予防措置が組み込まれることが促進される好機となるであろう。

参加者は、政策決定者、国会議員、ドナー団体の代表者、国連機関の代表者、NGOとメディアである。また、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルンジ、中央アフリカ、コロンビア、コンゴ民主共和国、ハイチ、インドネシア、リベリア、パレスチナ占領地域、ルワンダ、シエラレオネ、スリランカ、スーダン、ウガンダといった紛争中・後の国や地域の代表団も参加する。

日時:2006年6月21日(水)~23日(金)
場所:エグモン宮殿(ベルギー、ブリュッセル)

6月21日(水)12時15分から共同記者会見が開かれ、13時からシンポジウムが行われる。アルマンド・ドゥ・デッカー(Armand De Decker)ベルギー開発協力担当大臣、国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイド、欧州連合の高官があいさつする予定である。

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国連人口基金と世界保健機関の上層部、性と生殖に関する健康の改善に重点を置くことを強く求める

2006年6月20日
ジュネーブ、国連

国連人口基金(UNFPA)と世界保健機関(WHO)の上層部は、性と生殖に関する健康が悪化している世界的傾向に歯止めをかけ、母と乳児と若者へのマイナスの影響を減らすために協力体制をとっている。

世界的に性と生殖に関する健康サービスは適切であるとは言えず、特に開発途上国の妊産婦死亡や性感染症の増加が問題となっている。世界保健機関の報告によると、クラミジア、淋病といった細菌感染症の新規感染者は、15歳から49歳の間で年間3億4千万人にのぼり、その中の多くが医療サービスを享受できず、治療を受ける機会がない。加えて、HIVを含むウイルス感染が毎年何百万と報告されている。ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は子宮頸癌と密接に関連しており、毎年49万以上の女性が宣告を受け24万人が亡くなっている。

毎年約8百万の妊産婦が、性感染症や性に関する健康障害が原因で生命の危険を伴う合併症を引き起こす。年間52万9千人の女性が妊娠・出産中に死亡しているが、そのほとんどが開発途上国で起きており、また死亡原因のほとんどが予防可能なものである。

「性感染症が増加しており、またその深刻さは確かに憂慮すべき事です。しかし性と生殖に関する健康が良好でないことは、本来予防可能な病気や死を引き起こすため、性感染症の問題のみに留まらない深刻な問題です」、「情報や資金が不足しているという理由で女性が出産時に亡くなる、またはHIVに感染するという状況は容認できません」と世界保健機関のアンダース・ノードストロム(Anders Nordstorom)事務局長代理は強調する。

若者は特に影響を受けやすく、毎年1億以上の治療可能な性感染症が報告されている。国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、HIVの新規感染者数は 410万人、そのうちかなりの割合が15~24歳の青年層である。性的に活発になる10代の若者にとっては、早期妊娠、安全でない中絶、HIVを含む性感染症、強制または強要によるセックスや性的暴力が性と生殖に関する健康問題として挙げられる。

「性と生殖に関する健康を保障することなしに、2015年までに妊産婦死亡や乳幼児死亡を減らすというミレニアム開発目標は達成できない」、「現在、先進国への移行国を含む開発途上国に住む女性のうち約2億人が家族計画の方法を持たない」、「望まれない妊娠を避けることや家族計画にアクセスできる環境を整えることは、妊産婦の健康を改善し周産期死亡数を減らすための重要な取り組みです」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは語る。

また、毎年300万人の少女や若い女性が女性器切除の対象となっており、世界保健機関の最近の調査では、女性器切除が原因で出産後の母親や新生児が死亡または傷害を負う危険性が非常に高くなると報告されている。

金曜日のハイレベル会合で、国連人口基金と世界保健機関の上層部は、それぞれの国で実施している活動を再検討し、より効果的なプログラムを策定、成果に対する説明責任を明確にする方向で一致した。

その目標は 国際社会で協議された数多くの計画・決議案や取り組みを各国で実施段階に移しその活動範囲を拡大することにある。国際社会で協議された計画・決議案には、世界保健総会で承認された「リプロダクティブ・ヘルスに関する地球規模戦略」、2001年国連ミレニアム宣言や他の国際的に承認された保健に関する開発目標の達成のための「2005年決議案」、「妊産婦、新生児、子供の健康への普遍的アクセスの実現に関する決議案」、性感染症に対する地球規模戦略を取り入れた「2006年世界保健総会決議案」が挙げられる。

ハイレベル会合後、今後取り組むべき優先事項が下記のように発表された。

- 地球規模の性感染症予防や抑制戦略を実施するための行動計画策定

- リプロダクティブ・ヘルスや妊産婦、新生児、青少年の健康推進のための行動計画策定

- 国連機関によってまとめられた戦略的枠組みの中で、対象とされているアフリカ16カ国に対するひとつの枠組み計画策定

- 貧困削減戦略のような国家経済計画の中に、「性と生殖に関する健康」の記述を盛り込むための啓発活動

- HIV予防・ケア・治療の活動全般に、「HIV」と「性と生殖に関する健康」の相互の関連性強調

- 計画立案を行い国レベルで協力して活動するために、国家チームの共同訓練と共同能力査証の実施

各国における活動計画に取り入れるべき項目
- 女性器切除
- 産科ろう孔
- 緊急災害時を含む女性に対する暴力
- ヒト乳頭腫ウイルスワクチン導入のための試験プログラムを2カ国で実施
- 保健分野の人的資源の確保

「これらの計画・戦略を実施するためには、実践的な計画を立てることが重要です。」、「若者に配慮した質の高いリプロダクティブ・ヘルスサービスへのアクセスを保障するために、性と生殖に関する健康への投資を増やし、『HIV/エイズと性感染症の予防対策』と『リプロダクティブ・ヘルスサービス』を相互に関連付けて実施する必要性に迫られています。」と事務局長は述べる。

「性と生殖に関する健康が良好でないことによるマイナスの影響を減らすために国の支援と啓発活動は不可欠です」、「家族計画を含む性と生殖に関する健康への投資や、情報とサービスへのアクセスは、貧困サイクルを打破するために不可欠であると証明されています。このことは国家と家庭が健康、栄養摂取、教育へ投資することを正当化し、経済の活性化に伴うさまざまな恩恵への期待にもつながるのです」と世界保健機関事務局長代理は強調する。

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第一回紛争地域内外の性的暴力に関する国際シンポジウムがブリュッセルで開催

2006年6月21日
ベルギー、ブリュッセル

欧州委員会(EC)とベルギー政府の意向を受けて、国連人口基金が紛争地における性的暴力の問題に焦点を充てた初の大規模な国際会議を、エグモン宮殿(ベルギー、ブリュッセル)で開く。3日間の日程で、30カ国から250名以上の参加者が見込まれる。参加者は、国連機関の事務局長、NGO団体代表、人権擁護団体代表、研究者、政府閣僚、医師、人道支援機関職員、国会議員、国際刑事裁判所代表、軍、警察、従軍記者及びマスコミの関係者である。

紛争中の性的暴力の問題は今に始まったことではないが、より日常的な問題になりつつある。市民紛争や地域紛争が増加する中、以前にも増して市民が犠牲者となるケースが増えている。ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、東ティモール、ハイチ、そして紛争の続くスーダンのダルフール州で起きている組織的なレイプは、特に深刻な問題となっている。

しかし、性的暴力は武力紛争時のみに発生するわけではない。避難時や避難キャンプで、または支援物資の分配時でさえ、女性や若者が被害に遭うケースが少なくない。暴力の蔓延や法制度の崩壊により、被害者の救済と犯罪者の訴追がままならないため、公式的に紛争が終結した後も性的暴力はなくならない場合が多い。

ブリュッセルの会議では、被害の規模、それに伴う社会・文化・開発的なコスト、そして予防とケアの意義について検証される予定である。さらにコンゴ民主共和国、リベリア及びその他の紛争地域において、保健、社会、法、および、安全保障といった分野を超えた政策や実践の成功例についても検証されることになっている。

ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コロンビア、ハイチ、インドネシア、リベリア、パレスチナ占領地域、ルワンダ、シエラレオネ、スリランカ、スーダン、およびウガンダといった14カ国の紛争地域が代表団を送っている。各国・地域の代表団は、性やジェンダーに基づく暴力を抑制するための国家計画を提示して、国際的支援団体と人道支援機関に援助を求めるつもりである。

性的暴力の影響は深刻なもので、生存者及びその家族と地域、さらには国全体にもおよぶ。肉体的な被害としては負傷、望まれない妊娠、及びHIV/エイズが挙げられる。また、精神的な被害には、精神的不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、及び自殺がある。また、性的暴力の蔓延を防ぐことができない場合、不安、恐怖、報復のサイクルが生まれ、平和構築、復旧および復興活動が妨げられることもある。

紛争影響下にある国々で、性的暴力が公衆衛生、人権、および開発の問題としてますます認識される中、今回のシンポジウムが開催されることになった。

国連は、安全保障理事会やハイレベル会議で議論された平和構築から国連改革といった幅広い内容の報告書の中で、あるいは人道支援活動ための新しい枠組みやガイドラインの中でこの性的暴力の問題を取り上げてきた。国際刑事裁判所は紛争中の組織的なレイプを戦争犯罪であると見なし、被害者を保護し、加害者をより厳しく罰するための法整備に務めている紛争経験国も増えてきている。1月の就任演説の中で、リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領が一国家の最高責任者としてはじめてこの問題へ言及した。

シンポジウムは6月21日 午後1時に開始予定で、アルマンド・ドゥ・デッカー(Armand De Decker)ベルギー開発協力担当大臣、国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイド、リーヴェ・フランセン欧州委員会人間・社会開発部長があいさつを行う予定である。シンポジウムは、「行動への呼びかけ」を採択し金曜日の正午に終了する。

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性的暴力の犠牲者を救済するためにさらなる資金を

2006年6月22日
ベルギー、ブリュッセル

性的暴力に苦しむ女性と少女たちを支援するためには更なる財源が必要だ、と紛争の影響下にある国々の医師と社会サービス提供者たちは呼びかけている。痛ましい証言が紹介される中で、彼ら/彼女らは性的暴力の長期的な影響を強調、犠牲者が自らの生活を取り戻すためには医学的、社会的、法的、心理学的サービスが必要であると説明した。こういった訴えは、「第1回紛争地域内外の性的暴力に関する国際シンポジウム」2日目に取り上げられた。同シンポジウムは、 UNFPA(国連人口基金)主催、ベルギー政府及び欧州委員会の後援。

数ある証言のなかでも最も痛ましいもののひとつは、コンゴ民主共和国のジャン・パスカル・マンガ(Jean Pascal Manga)医師が紹介したものであった。わずか1歳の少女が金属棒、爪、杖といった道具を用いてレイプされたというものだ。「マニオク植物の木で、多数の特にとても幼い少女がフィスチュラ(産科ろう孔)を引き起こす多くの問題に苦しめられています」と、彼は述べた。

心的外傷を伴うフィスチュラは、レイプを受けた際に細胞組織が破壊されることによって起こり、尿や便(またはその両方)の慢性的失禁を引き起こす。国連人口基金は、難産や適切な産科ケアが行われないことが原因で生じるフィスチュラに対しても積極的に取り組んでいる。

マンガ医師は、以下のように語る。「レイプやそれに伴う心的外的後遺症のケアには、新しい治療薬が必要ですが未だ整っていません」、「5歳以下、さらには1歳の幼い少女や赤ん坊がフィスチュラを患っているなんて思いもよりませんでした。私たちは今新しい状況に直面しています。これらの問題に対処するには西欧の医療関係者との情報交換が必要です」。

彼はさらにこうも語った。「約2万5,000人の女性や少女がレイプされ、継続的支援を必要としています。」「アフリカでは、女性がレイプされると家族から見捨てられます。女性がフィスチュラを患い尿のにおいがすると、誰も彼女に近寄らなくなるのです」、「レイプが原因によるフィスチュラが226件あり、手術の約20パーセントが失敗しています」。

「レイプされた女性と少女の90パーセントは何らかの性感染症に感染していて、約10パーセントがHIV陽性です」と、マンガ医師は参加者に説明した。「レイプされた子供たちのHIV感染を防ぐための治療はとても困難です。子供たちの体格に合うように薬を調合することが難しいのです」、「HIVに感染している子供たちは栄養失調であり周囲からも疎外されています。私たちが薬を調合しても、子供たちは衰弱しているので過量摂取となってしまう可能性があります」と語る。薬と医療用品の不足を軽減し、医療関係者に必要なトレーニングを提供し、紛争で被害を受けた病院や診療所の復旧のために国際的な支援を呼びかけた。

ガザ地区にあるブレイジュ(Bureij)女性保健センターのファーヤル・タベット(Feryal Thabet)医師からも報告があった。「イスラエルとの国境閉鎖や拡大する紛争は、女性の健康悪化や女性に対する暴力の増加を引き起こしています」。

タベット医師は、「パレスチナの妊産婦の3分の1以上が貧血症です。早期結婚が増えるにつれて、危険性の高い妊娠も増えています」と語った。

「検診のためにセンターを訪れる妊産婦の数は減っていて、2005年には妊産婦の80パーセントは出産後のケアを受けませんでした。また、何の医療補助もない状態で61件もの出産が行われました」とタベット医師は語り、続けて失業率と貧困の増加に言及しながら「適切な産科ケアへのアクセスや避妊具を含む医療品の不足により女性が弱い立場に追いやられ、安全でない性交渉が増えています」と述べた。

本シンポジウムは政府と国連機関、NGO団体が参加し、紛争中・後における性的暴力の生存者のニーズにこたえるための行動を呼びかけるために実施されている。

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戦争影響下の国々における性的暴力へのゼロ・トレランス(不寛容)を ―国際シンポジウム参加者らが呼びかける

2006年6月23日
ベルギー、ブリュッセル

30カ国以上もの国の代表団が、紛争中・後地域における性的暴力の防止と対応への緊急アクションを呼びかけた。

「紛争地域内外の性的暴力に関する国際シンポジウム」の最終日、各国政府、欧州委員会(EC)、市民社会、国連からの代表らが緊急アクションをまとめた。立案された文書によると、紛争の被害が出ている国々において、人道支援、平和構築と開発を推し進める際には、政府、国際機関、市民社会は、性的暴力の問題を最優先にすべきである、としている。

合意の内容は、「性に基づく暴力を絶対に許してはいけない。また紛争の被害者である女性、男性、子供の安全と福祉を守るべき政府や他機関の問題意識が欠如していることも絶対に許してはいけない」というものである。合意には他にも20項目の実行すべきアクションが含まれており、そこでは、懲罰免除の廃止から、国家行動計画の策定まで挙げられている。

3日間のシンポジウムは、国連人口基金(UNFPA) が主催、欧州委員会(EC)とベルギー政府が後援。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドはこう語る。「私達はこの問題に希望や情熱、そして思いやりをもって取り組まなければいけません」、「私達が徹底的にこの問題について議論を重ねたところで、もし、政府首脳陣がこの問題に取り組む姿勢を見せなかったら解決に向かえないのです。政府は、性的暴力に対する処置を優先するという公約を果たさなければなりません」。

シンポジウムでは、紛争影響下にある14カ国の代表から、性的そしてジェンダーに基づく暴力を明記した国家行動計画が発表された。ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コロンビア、ハイチ、インドネシア、リベリア、パレスチナ占領地域、ルワンダ、シエラレオネ、スリランカ、スーダン、ウガンダの代表らが、性的暴力に対抗してきた自らの経験を語り、復旧や復興に取り組む生存者とその家族とコミュニティーとその影響から守ってきた成果について報告した。さらに、こういった犯罪を撲滅するために国際的な資金支援機関及び人道支援機関に継続支援を要請した。

「女性に対する暴力への認識を高めるということも必要ですが、今後の課題はそれだけではありません。全ての関係者が、ジェンダーに基づく暴力が経済成長を妨げ、公衆衛生上の問題を引き起こし、そして基本的人権を侵害しているということを認識して長期的に取り組んでいくことが必要なのです」閉会式で、アルマンド・ドゥ・デッカー(Armand De Decker) ベルギー開発協力担当大臣がこう述べた。

緊急アクションは、性に基づく暴力への取り組みには一貫した政治的行動がなされておらず、資金供給も不安定であるため、問題解決のための努力も成果もなかなか上がっていないと指摘。そうした状況下では、社会的弱者のニーズに十分に応えられないとしている。シンポジウムの参加者らは、健康、教育、法律、心理的社会的、そして、安全にかかわる様々なニーズに応えるためには、より長期的かつ包括的なアプローチが必要であるとした。

女性、若者、そして難民や国内避難民といった人々は被害を受けやすいので、性的暴力やジェンダーに基づく暴力の問題に関する国家計画の中では十分に配慮される必要がある。また、HIV/エイズ予防や治療、ケアなど、性と生殖に関する健康のための戦略も国家計画の中に入れられるべきである。国家計画の中にジェンダーに基づく暴力が明記されているか否かは、健全な国家統治の一つの指標と考えられるべきである。

「性的暴力は容認できないものであり、今すぐなくさなければなりません」と、リーヴェ・フランセン欧州委員会人間社会開発部長は言う。「我々のため、次世代のためにもジェンダーに基づく暴力を止めなければなりません」。

国家代表の多くは、「シンポジウムで世界の同僚と教訓を分かち合えたことは大きな財産であり、学んだことを帰国後に生かしたい」と述べた。

「この国が直面している問題は万国共通のものであると分りました。同僚が同じ問題に対して奮闘しているということを知り、とても勇気づけられました」とキリスト教こども基金(Christian Children's Fund)のジュディス・ミレンベ氏(Judith Mirembe)は語る。同氏は、現在ウガンダ北部でジェンダーに基づく暴力と家庭内暴力に関して活動を続けている。

一方、コロンビア国防省から来たアドミラル・ハイメ・パーラ氏(Admiral Jaime Parra)は以下のように語った。「この問題はすべての人に関わる問題です。男性、女性といった性別に関係ありません」。「軍人の一人として、私はすべての人に影響を与えるこの問題に終止符を打ちたいと考えています。我々が積極的に活動を行い、人々の間で人間の尊厳の重要性に対して深い理解が得られれば、暴力や権力濫用を防げるはずです」。

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フィスチュラ撲滅へ
英国でキャンペーン推進:軽視されてきた保健医療問題に関する広告キャンペーン始まる

2006年6月27日
英国、ロンドン

本日、歌手で俳優のナタリー・インブルーリア(Natalie Imbruglia)、アモス男爵夫人(Baroness Amos)、公衆衛生専門家、および広告代理店の幹部が集まり、フィスチュラ (産科ろう孔) についての啓発活動推進計画を立てた。フィスチュラは出産によって起こる疾病で、患者女性に耐え難い痛みや慢性的失禁をもたらし、しばしば死産をも招く。今回の会合は軽視されてきたこのような問題を表面化させるため、英国市民を対象とした広告キャンペーンを始めるために開かれた。

「フィスチュラは、英国では100年以上も前に撲滅された疾患です。それなのに、開発途上国に暮らす女性は予防も治療も可能なこの病気にいまだに苦しめられているというのは受け容れがたいことです」と国連人口基金(UNFPA)フィスチュラ撲滅キャンペーン(Campaign to End Fistula)報道官のインブルーリア(Imbruglia)は語る。

フィスチュラは閉塞性分娩の際、迅速に医療ケア(多くの場合、帝王切開)が受けられないことで起こる。簡単な外科手術を行えば90%という高い確率で治るにもかかわらず、途上国の少なくとも200万人の女性が治療を受けることができずにいる。それだけでなく毎年約5万~10万人のペースで患者が増加している。

「フィスチュラは、身体的にも精神的にも女性を死に追いやります。女性にとってこの疾病を患うことは身体不随になるのと同じことであり、精神的にも大きな苦痛が伴うのです」とアフリカでこの疾病の治療にあたったナイジェリア系英国人医師グロリア・エッセボナ医師(Dr. Gloria Esegbona)は語る。

国連人口基金の「フィスチュラ撲滅キャンペーン」は現在、サハラ以南のアフリカ、南アジア、またアラブ圏の35カ国以上の国々で実施されている。重点的な活動分野は、フィスチュラの予防、治療、そして手術後の女性への支援の3つである。開発途上国においても、先進諸国と同程度の発生率となるようにすることがこのキャンペーンの目的である。

撲滅への鍵は予防にあるため、質の高い母子保健医療サービスへのアクセスを向上させることがフィスチュラの予防に役立ち、毎年妊娠合併症で亡くなる何千何百もの女性の命を救うことにつながる。

「開発途上国では妊娠や出産によって女性が毎分一人の割合で亡くなっています。しかしこのことは、ほとんど語られていません」と、上院議長で国際開発に関する政府報道官アモス男爵夫人は語る。

「フィスチュラ撲滅キャンペーン」は2003年の開始以来、世界中のパートナーと手を結んできた。協力団体には、世界保健機関(WHO)、米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)、人口協議会(Population Council)、民間セクターからはヴァージン・ユナイト(Virgin Unite)や、広告代理店ヤング・アンド・ルビカム(Young & Rubicam)の在ロンドン系列会社であり、広告の受賞経験もあるレイニー・ケリー・キャンベル・ロールフ(RKCR/Y&R)などがある。

本キャンペーン用広告は、RKCR/Y&Rにより国連人口基金のために無料で制作され、7月の一カ月間、ロンドン市内で見られる予定である。

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