プレスリリース 2006年11月

エイズ蔓延に歯止めをかけるために一本化された医療制度を国連機関が要請:アジア太平洋地域が動き出す

2006年11月6日
マレーシア、スバン

2005年、アジア・太平洋地域の新規HIV感染者が93万人であったとの推定を受けて、国連機関は、急速に拡がっているエイズウィルスの蔓延を阻止し、死亡を減少させるため、HIV感染の予防・治療・ケアを母子保健医療サービスと緊急に一本化させるよう要請した。

この医療サービスの統合強化の要請は、アジア・太平洋地域22カ国から医療従事者や政府関係者、HIV感染者、市民団体らが参加した、第1回アジア・太平洋共同フォーラムの冒頭で出されたものである。

同地域には世界の60%の人口が住んでおり、その内の多くの国で15歳から25歳の歳の若者が占める割合が高く、HIV感染予防・治療・ケアへの取り組みを拡大し、リプロダクティブ・ヘルスサービスの供給体制を緊急に改善する必要がある。多くの国で、妊婦と子供への医療サービスが不十分なため、妊産婦死亡率と乳児死亡率、特に出生後1カ月以内の乳児の死亡が特に高いと報告されている。

各国政府は、ミレニアム開発目標の一環として、妊産婦死亡率を減少させ、乳幼児死亡率に対処し、さらなるHIV/エイズ蔓延を防止することに合意している。また、2006年10月に開催された国連総会では、2015年までにリプロダクティブ・ヘルスを完全普及させるという新たな指標が採択された。

しかし多くの国々では公衆衛生のための予算が依然として低く、特に農村部において医療サービスの供給がまだまだ不十分であり、ジェンダーの不平等や差別が根強く、HIV/エイズ予防・治療・ケアや母子保健を整備するための障害となっている。

世界保健機関(WHO)は、HIVの母子感染予防、HIV/エイズ治療を受ける機会を提供するための取り組みは、多くの国々において進んでいると指摘した。しかし、これらの取り組みには、基礎医療制度を充実させ、医療を必要としている人々への福祉と照会サービスが不可欠である。

同地域の国々を比較しても、また国内においても、HIV感染の経緯は大きく異なるが、HIV感染リスクの高い行動をとる者の間で急速に広まっており、そういった人々は貧しく、社会から取り残されている場合が多い。その中で、女性はますます弱い立場に追い込まれている。2001年から2004年までの間で、 HIV陽性の女性は同地域において16%増え200万人を超えたと推定される。これは世界的な平均(約8%)よりも非常に速いペースである。多くの場合、搾取的で強制的、暴力的なセックスを通じて若い女性が感染している。

国連人口基金HIV/エイズ地方担当顧問のChaiyos Kunanusont医師は、「HIV感染予防とリプロダクティブ・ヘルスケアを結びつけることにより、双方のケアが充実し、どちらも利用しやすくなるということです。自分がHIV陽性か陰性かを知らない女性は何百万人もいますが、彼女たちはまた、有効な避妊方法を知らなかったり、必要な避妊薬具を入手することができません。サービスを一本化することで、彼女たちが自分の体を守り、HIV母子感染の確率を減少することができます」と述べた。

子供と若者の新規感染者も増加している。2005年には、アジアで41万1千人の子どもがHIVに感染しており、2005年1年間だけで8万2千人が新たに感染しているが、その内約90%が母子感染を起因としている。

リチャード・ブライドル(Richard Bridle)ユニセフ(UNICEF)アジア太平洋事務所副所長は、「アジア・太平洋地域の多くの国々は既に母子感染予防のガイドラインを持っており、医療従事者の訓練や治療の導入にあたっています。感染を予防し栄養状態を改善し、母親と子供たちに対する包括的な政策を実施するために、これらの取り組みをどのようにリンクさせるべきかという課題が残っています。」と述べた。

世界保健機関、ユニセフ、国連人口基金、国連エイズ合同計画(UNAIDS)の共催で行なわれた会議において、代表団は母子保健と家族計画、セクシュアル・ヘルスを、HIVや性感染症のテストとカウンセリングとさらに強く結びつける枠組みについて合意する予定である。また、母親や子供への一次感染予防のための、4本の柱から構成される戦略を推進している。

まず第1の柱は、もうじき親になるカップルをHIV感染から守ることに焦点を当てている。女性は妊娠・授乳期に特に感染しやすい。2つ目は、子供を持つことを望まないHIV陽性の女性とカップルへの支援を目的としている。3つ目は、妊娠しているHIV陽性の女性の子供への感染を防止するよう、診療を確実にすることを目指している。4つ目は、HIV陽性の母親とその家族が、確実にケアや支援、治療が受けられることを目的としている。

上記の会議は、それぞれの国の経験や教訓を共有する場となるだろう。その経験や教訓の多くは、HIV/エイズ蔓延予防のサービスやイニシアチブが、若者のリプロダクティブ・ヘルスの向上や妊産婦・新生児死亡の削減につながると示唆している。

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第3回「国際人口開発会議(ICPD)行動計画」実施のための国際国会議員会議(IPCI/ICPD)世界中の国会議員が一堂に会し、「人口と開発」について話し合う

2006年11月14日
タイ、バンコク

人口と開発問題に世界の国会議員がいかに取り組むか。2015年までに妊産婦死亡の大幅な削減、HIV/エイズ蔓延の阻止、極度の貧困層の半減、リプロダクティブ・ヘルスケアの完全普及などの課題が達成できるか否かは、議員の行動にかかっている。

来る11月21~22日、バンコクにおいて第3回『「国際人口開発会議(ICPD)行動計画」実施のための国際国会議員会議(IPCI/ICPD)』が開催される。本会議には、103カ国から180名もの国会議員や大臣が参加し、ミレニアム開発目標(MDGs)と1994年の国際人口開発会議(ICPD)において合意された「行動計画」を達成するための戦略について議論する。

本会議は、「人口と開発に関するアジア議員フォーラム」(AFPPD)、および国連人口基金(UNFPA)が主催し、アフリカ、中東、欧州、米州のそれぞれの地域の議員グループと、人口問題を考える国際組織「地球規模問題に取り組む国際議員連盟」の協力を得て開催される。また、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)とタイ国民会議が共催団体となっている。

人口と開発分野における目標達成に不可欠である適切な資金援助、効果的な政策と法律、政治的コミットメントに関して、先ごろ調査が実施された。その中で、先進国・開発途上国の国会議員が、カイロ会議以降の当該分野で成された成果と問題点について指摘し、今回の会議はこの調査結果をもとに議論が行われることになっている。

マハ・チャクリ・シリントーン王女が開会を宣言し、国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイド、アジア太平洋経済社会委員会キム・ハク・ス事務局長、国際家族計画連盟ジル・グリア事務局長が基調講演を行う。また、AFPPD議長福田康夫議員が本会議の議長を務める。取材の問い合わせには、参加者の中から各地域の議員連盟を代表する大臣や国会議員の協力が得られることになっている。

11月22日(水)には、国連人口基金事務局長、福田議員、AFPPD マレニー・スカベジョボラキット事務総長による記者会見が、午後1時から国連会議センターで行われる予定である。

国連人口基金事務局長は「国会議員は、人権を擁護し人々のニーズに応える立場にいます。この国会議員による会議は、「ICPD行動計画」とミレニアム開発目標に向けての進捗状況を確認し、貧困削減、妊産婦の健康とリプロダクティブ・ヘルスの改善、HIV/エイズ蔓延の防止、ジェンダーの平等推進といった国際的な開発目標達成のために必要な資金や人的資源を確保する一助となるに違いありません」と語った。

詳細については、ウィリアム・A・ライアン(William A. Ryan)までお問い合わせください。 Tel: +66 2 288 2446 携帯: +66 89 897 6984 email: ryanw@unfpa.org

日程:11月21日(火)、22日(水)
場所:国連会議センター(タイ、バンコク)

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家族計画、HIV感染予防の支援強化を誓う(英文)

2006年11月22日

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女性に対する暴力:語られない真実(英文)

2006年11月23日

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ジンバブエの映画監督 UNFPA主催の映画祭で優勝(英文)

2006年11月27日

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