プレスリリース 2008年7月

G8諸国は気候変動と妊産婦の健康問題に取組むため、家族計画など人口問題を重視すべき

2008年07月02日
東京

国連人口基金は、本日の国際会議「人口と持続可能な開発に関するG8国会議員会議―国際保健・気候変動・食料安全保障―」において、間もなく開催される G8洞爺湖サミットにおいて食料危機、気候変動、妊産婦の健康の改善について話し合う際に人口問題の視点を考慮に入れるよう、G8諸国に対し呼びかけた。

福田康夫首相の、開会の辞で始まった同会議で、「自発的に家族計画を行い、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を保障することにより、望まれない妊娠を予防できれば、人口が安定し、環境への影響も軽減することができます」と、国連人口基金広報渉外局長サフィエ・チャー(Safiye Cagar)は訴えた。

調査によると、200万人以上の貧しい女性がより小規模な家族構成を望む反面、彼女たちが何人の子どもをいつほしいのかを決めるための手段と情報を十分に持っていない。地球規模レベルでは、リプロダクティブ・ヘルスに関する選択を確実にするための避妊薬具のニーズが、今後15年間で40パーセント増加すると予測されている。しかし、国際的ドナーからの家族計画への資金援助は、減少の一途をたどっている。現在年間5億5,100万ドルが家族計画事業に充てられているが、これは本来必要とされている金額の半分にも満たない。

各国の家族計画などのあらゆるリプロダクティブ・ヘルス・サービスを保障することで、望まれない妊娠をなくすだけでなく、ミレニアム開発目標の5番目の目標である「妊産婦の健康の改善」の達成にもつながるとされる。さらに、家族計画により、女性の社会的地位が向上し、家族そして地域社会の意思決定プロセスに参画が可能となり、ジェンダーの平等を推進することができる。そして女性は、教育を受け、仕事に就く、よりよい機会を持つことになる。

「自発的な家族計画プログラムを実施することで、人口増加を安定させ、また女性が命を落とすことなく安全に出産できるようになります」と広報渉外局長は述べ、政府関係者、国会議員、市民社会、メディア、宗教系組織、G8諸国の元首に対し、家族計画のニーズへの対応を充足させ、保健システムを強化し、そして人口問題への取組みを戦略的に環境・気候変動対策に組み入れるよう訴えた。

アジア人口・開発協会(APDA)、国際人口問題議員懇談会(JPFP)が主催するこの会議には、世界中から約70人の国会議員および国際機関やNGOの代表が参加している。参加者は、来週開催されるG8洞爺湖サミットで各国の元首らが議論することになっている、地球規模課題に関する宣言文を、明日(7月 3日)記者会見にて発表する予定だ。

問い合わせ

池上 清子
東京
電話:03 5467 4684
Eメール:ikegami@unfpa.or.jp

Omar Gharzeddine
アメリカ、ニューヨーク
電話:+1 212 297 5028
Eメール:gharzeddine@unfpa.org

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G8諸国が妊産婦の健康とリプロダクティブ・ヘルスに関して新たな公約―世界の貧しい女性たちにとって希望の光

2008年07月9日
ニューヨーク、国連

洞爺湖サミット最終日の今日、G8諸国はミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けてのさらなる推進を決めた。国連人口基金は、特にミレニアム開発目標を達成する手段として、妊産婦の健康とリプロダクティブ・ヘルスに関して新たな公約がなされたことを歓迎した。

「今回、世界で最も裕福な国の指導者たちが、世界の貧しい女性たちの生活について新たに懸念を表明したことを大いに歓迎します」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは述べた。「これは間違いなく、何百万人もの貧しい女性たちにとっての希望の光であり、世界は彼女たちを見捨ててはいないというはっきりとしたメッセージとなるでしょう。」

本日発表されたアフリカの開発に関する声明で、G8の首脳陣は次のように述べている。「われわれの認識では、一部の開発途上国では乳幼児死亡率と妊産婦の健康に関する目標の達成はひどく遅れています。このため、国家主導の計画において、栄養を含めた予防と保健医療の分野は、母子保健にさらに焦点を当てる必要があります。」

声明ではさらに、「より多くの人がリプロダクティブ・ヘルス関連のサービスを享受できるようにする必要があります。G8諸国は、HIV/エイズ対策と、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスそして自発的な家族計画に関するプログラムとの連携の向上、母子感染の防止を含めた保健医療の利用拡大、そしてマルチ・セクター・アプローチの採用と地域社会の参加の推進によるミレニアム開発目標の達成に向けて、具体的な方策を進める予定です」と述べられている。

洞爺湖サミットでは、潘基文国連事務総長も、妊産婦の健康の改善には国際的な推進が必要であることを強調した。「妊産婦の健康の改善は、ミレニアム開発目標の中でその達成が最も遅れている目標となっています。100億ドルあれば、母子保健のための基本的なサービスを供給できるでしょう。地域社会の医療従事者を訓練するためにさらに多くの投資がなされれば、保健システムの強化につながる力強い一歩となるでしょう。」

国連人口基金は、今回のG8諸国による新たな公約が、基本的な保健サービスと人的資源に対する投資を増やし、その結果、年間何百万人もの子どもや女性の死亡を減らすことにつながると期待している。

さらに事務局長オベイドは「世界の軍事費の2.5日分以下の費用で、毎年6百万人の母子の命を救うことができます。国連人口基金は、G8の首脳陣に対し、今回の公約を投資の増大に結びつけ、また多くの命を守るため、公約を通じて率先して具体的な行動を起こすことを強く求めます」と訴えている。

問い合わせ

Omar Gharzeddine
電話:+1 212 297 5028
Eメール:gharzeddine@unfpa.org

Katja Iversen
電話:+1 212 297 5016
Eメール:iversen@unfpa.org

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世界人口デー(7月11日)に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ

2008年07月11日

世界の指導者たちは40年前、個人には子どもをつくる人数とその時期について、自由かつ責任を持って決定する基本的権利があると宣言しました。妊産婦の健康状態の改善を目指すミレニアム開発目標5はこの権利を確約していますが、これまでほとんど進展は見られません。今年の世界人口デーにあたり、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成をめざす上で、家族計画がいかに重要であるか改めて考えてみましょう。

出産時における妊産婦の死亡率は、国内においても、また国同士の間でも、いまだに富めるものと貧しいものの格差を明確に表す指標です。女性のライフサイクル、特に妊娠・出産時の健康に関する基本的ニーズを満たすには何をしたらいいのか、私たちにはわかっています。妊産婦の健康状態を改善するために必要な基本的介入策は3つあります。専門技能者立会いの下での出産、緊急産科治療を提供する施設、そして家族計画です。

家族計画はリプロダクティブ・ヘルスに欠かせない要素です。妊娠の間隔を決めることができるからです。調査結果から、家族計画は母子の生命と健康に直接的利益を及ぼすことがわかっています。家族計画が普及すれば、妊産婦死亡率を3分の1、また、子どもの死亡率を20パーセントほど減らすことができます。

しかし家族計画による利益を享受できるのはわずかな人々であり、貧しい人、疎外された人、若者などは、家族計画に必要な情報とサービスをなかなか手に入れることができません。出産年齢に入る15~24歳の人口は10億人を超え、需要は高まるばかりです。

私は各国政府に対し、国際人口開発会議(カイロ会議)でのコミットメントを尊重するよう求めます。カイロ会議では、すべての男女および個人は、子どもを生む人数と間隔を自由かつ責任を持って決定するだけでなく、そのために必要な情報、教育、および手段を得る基本的人権を有すると合意されました。

今年は、2015年のミレニアム開発目標(MDGs)達成予定までの中間点にあたります。世界の女性と女児に投資しなければ、目的地に到達することはできません。この国際女性の日にあたり、団結して使命を遂行しようではありませんか。

MDGs達成に向けた努力の強化として、2015年までに妊産婦死亡率を減らし、リプロダクティブ・ヘルスを完全普及できるようにするための行動を起こしましょう。すべての人々の健康と生活の質を向上させる取り組みに、より多くの関心と資源を注ぎ込もうではありませんか。

日本語訳:国際連合広報センター

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IFRCとUNFPA、人道危機に取組むため、さらなる協力体制の構築

2008年07月24日
ジュネーブ・ニューヨーク

国連人口基金(UNFPA)と国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、世界各国で行っている健康増進のための事業のため、協力体制を拡張することに合意した。

本日ニューヨークにて、両団体の代表が協力合意書に調印した。これは、災害や疫病などで苦しむ人々に対し、より効果的な支援をするために、新たな協力体制が必要だという認識のもとに実現した。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、「緊急時においても必要なリプロダクティブ・ヘルス・サービスを誰もが享受できるように、国家レベルでの能力強化が必要です。国際赤十字・赤新月社連盟と協力することで、人道危機の深刻な影響を緩和し、ミレニアム開発目標の達成に貢献することができるでしょう」と述べた。

この協力合意書は、既にある両団体が国家レベルで行っている啓発活動、サービスの提供、訓練、能力開発などに関する協力体制についての合意を継承したものである。

「地域社会における疾病予防と基礎的保健サービスの提供は、最優先課題の1つです。応急処置と健康教育を各家庭に提供する何百万人もの赤十字と赤新月社のボランティアの存在は、効果的な地域社会の健康推進に欠かせません。国連人口基金と共同事業をすることで、妊産婦の健康、家族計画、リプロダクティブ・ヘルス、そして栄養バランスの管理などの分野において、貧困や災害により被害を受けた社会的弱者に対する支援に大変効果をあげています。ですから、我々は本日の合意の更新を歓迎します」と、国際赤十字・赤新月社連盟の事務局長ベケレ・ゲレタ氏はコメントした。

国連人口基金のカントリー・プログラムは、リプロダクティブ・ヘルスの推進、開発のための人口データ作成、ジェンダーの平等の推進と女性の社会的地位の向上に焦点をあてている。そして1994年から2007年の間に、自然および人的災害の影響下にある105の地域で活動してきた。

地域社会に根差し、人々を動員することを得意とする国際赤十字・赤新月社連盟と協働することにより、緊急時に備える対策と、緊急時での対応、そしてその後の復興への取組みにおいて、国連人口基金の技術的な専門知識をより一層活かすことが可能であろう。

危機的状況下では、社会構造・体制のほとんどが、損なわれるか、あるいは完全に崩壊する。HIV感染が加速し、ジェンダーに基づく暴力は増加する可能性がある一方、レイプ被害者を支援する機関が従来通り機能しない、または皆無となる。保健システムの崩壊により、緊急産科ケアを受けることが難しくまたは不可能となる。リプロダクティブ・ヘルス物資が不足し、避妊薬具の入手が困難になることもある。国家レベルでの国際赤十字・赤新月社連盟と国連人口基金との協力体制を強化することによって、これらの問題がより迅速に認識され、また迅速に解決策が取られるようになることが期待される。

問い合わせ

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)
●ニューヨーク国際連盟
Michael Schulz, Deputy Head of Delegation
電話:+1 212 338 0161 (内線101)
Eメール:michael.schulz@ifrc.org

●ジュネーブ国際連盟
Marie-Francoise Borel
電話:+41 22 730 4346
携帯:+41 79 217 3345
メディア用電話サービス:+41 79 416 38 81
Eメール:mf.borel@ifrc.org

国連人口基金(UNFPA)
●ジュネーブ
Laila Baker
Humanitarian Liaison Specialist
電話:+41 79 619 8016
Eメール:lbaker@unfpa.org

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Last updated: 2008-07-01