プレスリリース 2008年6月

TICADニュース Vol.7 [東京事務所 発行]

TICAD IV閉幕に寄せて

2008年6月3日

5 月28~30日、40カ国以上のアフリカ諸国首脳、国際機関・地域機関の代表、G8およびアジアを含むパートナー諸国、民間セクター、市民社会組織の参加を得て、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が横浜で開催されました。

TICAD IV開会に寄せて行った演説のなかで、福田首相はアフリカの人口問題について触れ、リプロダクティブ・ヘルスの重要性を再確認しました。また、日本が誇る母子健康手帳のシステムを紹介し、妊産婦と子どもの健康維持の必要性を強く訴えました。日本政府は、アフリカの保健・医療分野で貢献した人物を表彰する「野口英世アフリカ賞」を設立し、28日、天皇・皇后両陛下や各国首脳の臨席のもと、第1回野口英世賞をブライアン・グリーンウッド博士(英国)とミリアム・ウェレ博士(ケニア)の両氏に授与しました。既にお伝えしたとおり、ウェレ博士は、1993~2000年、国連人口基金アディスアベバ(エチオピア)技術支援事務所長として活躍した、国連人口基金の元職員です。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、初日に開かれた全体会合に出席したほか、福田首相夫人主催で開かれたアフリカ各国首脳夫人との昼食会に出席しました。この昼食会では母子保健をテーマに議論が行われ、福田首相夫人も自身が実際に使っていた母子手帳を見せ、アフリカの首脳夫人らに母子手帳の普及を呼びかけるなど、女性の立場からアフリカの発展を支援したいと訴えました。事務局長は、妊産婦、新生児、子どもの保健医療の向上について訴え、若年結婚や若年出産などの慣習をなくすこと、ヘルス・システムの強化、そして、保健医療の専門技能者の育成の必要性などを呼びかけました。

2日目の29日、事務局長は保健に関する分科会に出席し、保健医療、人間の安全保障とミレニアム開発目標(MDGs)の達成について発表を行いました。そのなかで、保健は社会全体が目指すべき目標というだけでなく、人権であり、そして、人間の安全保障の中核をなす要素でもあると述べたうえで、保健分野の進展を促進するためには、首脳レベルでのコミットメントが必要であると訴えました。また、MDGsのなかでも、幼児死亡率や妊産婦の健康の改善、そして、感染症対策に関する目標を達成することは貧困削減につながることを指摘し、最後に、女性の健康の改善を開発政策の優先事項とするよう各国首脳に訴え、財政支援増加の必要性を強調して締めくくりました。

最終日の30日に40カ国以上の首脳によって採択された「横浜宣言」では、前回のTICAD III以降にアフリカで見られる政治・経済両面での進展に焦点を当て、成長の加速化、MDGsの達成、平和の定着とグッド・ガバナンス、環境・気候変動問題への対処、パートナーシップの分野において、アフリカの開発のために国際社会の取組を強化することを謳っています。また、「横浜宣言」とともに採択された「横浜行動計画」は、TICADという枠組みを通じて、今後5年間で具体的にどのようにアフリカの成長と発展を支援していくべきかを示す行程表(ロードマップ)とも言うべきもので、分野ごとに取るべき行動が記されています。保健分野については、保健医療従事者の育成や保健インフラ整備などを含む保健システムの強化、母子保健の改善、感染症対策について記述されています。また、各分野に共通する課題のひとつとして、ジェンダーの視点への配慮が繰り返し述べられています。

TICAD IVが開催された3日間は、横浜全体がアフリカ一色に染まり、アフリカが直面している深刻な問題について考える良い機会となりました。また、福田首相のリプロダクティブ・ヘルスに関する発言や、母子保健に関する各国首脳との議論など、国連人口基金の活動に関わる問題に関心が払われたことは大きな成果であったと思います。TICAD IVでの議論を踏まえ、今年7月に北海道洞爺湖で開催されるG8での議論につながることを大いに期待しています。

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国連安保理、紛争下における性的暴力の即時停止を要請

2008年06月24日
ニューヨーク、国連

先週、国連安全保障理事会(国連安保理)は、紛争下における女性への性的暴力の即時停止を求める決議を採択した。女性や少女が犠牲になる性的暴力は、紛争状態において、ある種の戦略としても利用されてきた。彼女たちの尊厳を保護するために大きく貢献するであろうこの決議を、国連人口基金は歴史的な成果と評価し、歓迎する。

「危機的状況にさらされている女性を守るためのこの決議が採択されたことは、歴史的であり、とても心強く思います。紛争下における女性への性的暴力は、これまでは取るに足らぬ問題として、ないがしろにされてきたために、多くの女性たちがこの犯罪行為の犠牲になってきたのです」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは述べた。

先週木曜日、15の理事国が丸一日がかりの議論を行い、「安保理決議1820」を全会一致で採択した。 この決議により、民間人に対する性的暴力を禁じ、軍を訓練し、規律に従わせることで、性的暴力を未然に防ぎ、またこのような暴力に対する対策のために、具体的な行動をとることが全加盟国に求められている。

事務局長は以下のように加えた。「この歴史的といえる決議は、性的暴力は平和への脅威であるという認識に基づいていると同時に、それに対し国際社会が迅速かつ効率的に取組む必要性を再確認させ、そして、女性や少女たちが脅威にさらされている限りは安全で平和な社会の実現はあり得ないと喚起しています。」

2000年に採択された「安保理決議1325」では、戦争が女性に影響を与えること、そして紛争解決と持続的な平和構築に女性が貢献するということが初めて明言された。新しく採択された決議では、その点が再度強調されており、さらに今後、性的暴力をなくすための取組みのための長期的経済支援を求めるための基本方針となるだろう。

国連人口基金は、紛争下での性的暴力に対して各国連機関が連携して人道支援を行う際の中心的存在である。

問い合わせ

Omar Gharzeddine
電話:+1 212 297 5028
Eメール:gharzeddine@unfpa.org

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