プレスリリース 2007年10月

「妊産婦の健康推進のための国際会議」に国連のリーダーたちが参加

2007年10月5日
ニューヨーク、国連

「妊産婦の健康推進のための国際会議」(Women Deliver)という歴史に残る国際会議に参加するため、国連のリーダーたちが10月にロンドンに一同に会す。この会議は、妊娠や出産に関連した妊産婦と新生児の死亡数を削減し、ミレニアム開発目標の実現を推進することを目的とする。

この会議は10月18 - 20日までロンドンのエクセルセンターで開催される。国連の事務次長のタンザニアのアシャ・ローズ・ミグロ博士と、以前国連人権高等弁務官を務めたこともあるNGOリアライジング・ライツの代表であるメアリー・ロビンソン氏が名誉共同議長を務める。その他に、出席する講演者は以下の通り。

●トラヤ・A・オベイド(Thoraya A. Obaid)
国連事務局次長兼国連人口基金(UNFPA)事務局長
●マーガレット・チャン(Margaret Chan)
世界保健機構(WHO)事務局長
●アサネ・ディオプ(Assane Diop)
国際労働機関(ILO)事務局長
●ピーター・ピオット(Peter Piot)
国連事務局次長兼国連エイズ合同計画(UNAIDS)事務局長
●ナフィス・サディック(Nafis Sadik)
HIV/エイズのための国連事務総長特別顧問

上記の講演者の他にも、この世界規模の会議には、75カ国から1,500人以上の政策決定者などの代表の参加が予定されており、保健システムを強化し、世界中の女性、妊産婦そして新生児の命を救う政策提言をすることになっている。

ミレニアム開発目標(MDGs)の4と5は、2015年までに幼児死亡率を削減し、妊産婦の健康を改善することである。現在、各世代で1000万人の女性が出産の際に妊娠や出産にの時になくなっており、400万人の新生児がなす術が無く命を落としている。しかし、これらは、救うことのできたはずの命である。過去20年間の研究と経験により、これら多くの命を救える方法が実証されている。しかし、妊婦と新生児の健康を守ることへの配慮と資金は依然不十分である。会議では、「女性への投資の重要性」(Invest in Women. It Pays.)をテーマに、ワークショップを通じて妊娠をより安全にし、妊産婦の死亡数を削減し、女性が可能性を最大限に発揮できるための分野への政府やドナーによる投資の必要性を訴える。 具体例は以下の通り。

●包括的なリプロダクティブ・ヘルスサービスの普及
●教育により、女性と女子が自身の体について知り、子育て以外の人生における選択肢持てるようにする
●看護士、助産師または医師による妊娠や出産時の緊急ケア及び、産後の母体と新生児のケア

妊産婦の健康推進のための関連資料、プレスリリース、参加登録案内などの詳細はこちら(英文)を参照。

問い合わせ先:
カーチャ・アイバーセン(Katja Iversen)
電話:+1-212-297-5016
E-メール:iversen@unfpa.org

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アジア諸国による高齢化の対策強化

2007年10月11日
中国、マカオ

前代未聞の高齢化問題に取り組むため、アジア各国の政府は高齢者の経済、社会、保健医療におけるニーズを満たすための対策案を作成している。しかし、増大する高齢化問題に対して適切な政策は十分に行われておらず、特に開発途上国では対応が遅れている。

会議において、政府関係者やNGOの代表たちに対し、急速な人口構成の転換や関連した社会的変化への対応策について専門的な国別の報告が行われた。高齢者が適切なサービスと支援を享受し、活動的で健康な生活を送ることができるため政策提言を採択した。

出生率の低下及び平均余命の伸びにより、今後45年間でアジアにおける60歳以上人口は現在の3倍の13億人にのぼり、総人口の10%から、25%に拡大すると予測されている。日本の60歳以上の人口は現在28%であるが、2050年までに44%に達するといわれている。こうした人口統計上の変化が最も早いスピードで進行している東南アジアでは、2008年までに15歳以下の子どもの数を高齢者数が上回るとされている。

同時に、家族や高齢者への支援の在り方も変化している。慢性疾患の影響を受けている高齢者数が増えており、またその大半が女性である。

こうした現実の社会変化に取り組むため、近年多くの国で対策が講じられ、経済的に豊かな国では広範囲に及ぶ政策をうまく機能させている例も見られる。しかし、大多数の国においては、増え続ける高齢者層のための財政面や保健面での保障のための資源やサポート体制が不足している。「高齢化に関するマドリッド国際行動計画」は、この問題に対し各国政府が解決策を見出すことを推進する。アジア・太平洋地域は「行動計画」採択後5年間の進展を評価する初めての地域となる。

ガリメラ・ギリダールは、会議において国連人口基金(UNFPA)を代表して、「国連人口基金はパートナーと協働して、公共政策に働きかけ、高齢者の権利の拡大、開発の場への進出、社会的貢献度の向上、そして高齢者のための社会・医療サービスの普及に努めています」と述べた。東・東南アジア技術支援事務所長もコメントを発表している。「国連人口基金は差別に反対する法律制定や、関連データの収集と分析を促進し、家族やコミュニティが高齢者を支えるよう奨励するため、アジアの国々で活動しています。」

問い合わせ先:
ウィリアム・A・ライアン(William A. Ryan)
携帯:+66-89-897-6984
Eメール:ryanw@unfpa.org

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英国政府が国連人口基金へ1億ポンドの拠出を公約
安全な出産とリプロダクティブ・ヘルスの推進を目指す

2007年10月18日
ロンドン

リプロダクティブ・ヘルス/ライツへの普遍的アクセスを達成するため、国連人口基金に1億ポンド(約233億2700万円、10月18日現在)を支援すると英国政府が公約し、世界中の妊産婦死亡と望まれない妊娠の大幅な削減が見込まれている。

会議において、政府関係者やNGOの代表たちに対し、急速な人口構成の転換や関連した社会的変化への対応策について専門的な国別の報告が行われた。高齢者が適切なサービスと支援を享受し、活動的で健康な生活を送ることができるため政策提言を採択した。

「政治的なコミットメントが強化され、資金援助が増加されれば、妊産婦の健康は改善されます。つまり、政治的な関与の有無が生死の分かれ目を決めるのです。英国の寛大な資金援助が女性に向けられることにより、国連人口基金は妊産婦を救うための早急かつ組織的で持続可能な活動が可能となるでしょう。妊産婦の安全なくしては、安全な未来はありえません。 ― いかなる女性も命を産み出すために命を落とすべきではありません。」と、国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは述べた。

3日間に渡って開催される国際会議「妊産婦の健康推進のための国際会議」(Women Deliver)の初日の今日、ダグラス・アレキサンダー(Douglas Alexander)英国国際開発大臣は今後5年間にわたり1億ポンドを拠出し、妊産婦死亡の削減に取り組むと発表し、アフリカ諸国などの最も貧しい国々の指導者達に女性の健康改善を優先課題とするよう呼びかけた。

「母の死は、子ども、家族、地域社会そして国家から、健康、幸福そして繁栄の源を奪います。毎分1人の女性が妊娠や出産に伴う合併症で命を落とし、過去 20年間の死亡件数の合計は1000万人以上にのぼります。これは悲劇であると同時に、これらの死は未然に防ぐことができたはずであるがゆえに、嘆かわしい事実とも言えます。」と、妊産婦死亡を削減するための国際会議「妊産婦の健康推進のための国際会議」(Women Deliver)の開催初日に、アレキサンダー国際開発大臣は各国の代表へ訴えた。

この課題に取り組むため、「2015年までに妊産婦の死亡率を4分の3減少させる」というターゲットに加え、今月上旬に開催された国連総会において、国連ミレニアム開発目標5の新たなターゲットとして「2015年までにリプロダクティブ・ヘルスへの普遍的アクセスを達成する」が加えられることになった。

エジプト、ホンジュラス、スリランカ、タイなど状況が改善された国がある一方、サハラ以南のアフリカや南アジアを中心に妊産婦死亡率はいまだ高いままである。英国では妊産婦8,200人に1人が死亡しているのに対し、アフリカでは26人に1人が死亡している。

アレキサンダー氏によると、100万ポンド(約2億3300万円、10月18日現在)を家族計画分野に投資することで、720,000件の望まない妊娠と300,000件の中絶を未然に防ぐことができ、そして1,600人の妊産婦の命と22,000人の乳児の命が救われるという。

問い合わせ先:

カーチャ・アイバーセン(Katja Iversen)
電話: +1 917 403 3063
Eメール:iversen@unfpa.org

アンジェラ・ウォーカー(Angela Walker)
電話: +44 7975 805 316
Eメール:awalker@unfpa.org

オマール・ガルゼティン(Omar Gharzeddine)
電話:+ 1 212 297 5028
Eメール: gharzeddine@unfpa.org

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妊産婦の健康を守る道―ベトナム

2007年10月30日
ベトナム、ホアビン

プレスリリース 2007年10月(4)

(右)有森裕子国連人口基金親善大使
(左)ドゥォン医師
写真:国連人口基金/ダオ・カン・トゥン

ホアビン市までの山々や竹林をぬうように曲がりくねっているその道は、一見、何の変哲もない田舎道のように見える。ごくまれに、疾走する車と走行を妨げる野牛が歩いている他は、オートバイ、自転車、歩行者たちが、くねくねと蛇行しながら通行している。

しかし、ベトナム北西部のホアビン省ダバック郡の人々にとって、この田舎道はまさに命をつなぐ道である。この道路のおかげで、ホアビン市にあるホアビン省病院に30分で行くことができるようになったのだ。国際協力銀行(JBIC)からの円借款供与により、この道路が建設される前は、途中のフェリー移動も含め、2~3時間もの道のりだったのだ。緊急時には、ほんの少しの距離や時間の差が生死を分ける。実際、ベトナムでは遠隔地に住む妊産婦が妊娠や出産に関連した合併症を併発した際に、高度な医療ケアを享受できないために命を落とす例が依然として多い。

「この道のおかげで、人々は必要なサービスが受けられるのです。医療ケアを受けることができ、女性や赤ちゃんは生き延びるチャンスを得ることができます」とオリンピックで二度メダリストになり、国連人口基金(UNFPA)の親善大使である有森裕子氏は言う。

ベトナム視察中の有森親善大使は、ホアビン省病院で「地方からこの病院に運ばれて来た母親たちから生まれた未熟児も、複数の開発機関の支援を受けたこの病院で、高度な医療ケアを受けることができます。そんな子どもたちを見ていると、大きな希望がわいてきます」と語った。

このホアビン省病院は、国際協力機構(JICA)の機材供与により、先ごろ全面的に医療設備の整備が行われたところである。一方、国連人口基金は、ホアビン省の医療システムのあらゆるレベルの医療従事者に対するトレーニングを実施する等、技術向上を支援している。また、未熟児が生後数日間を生き延びるために不可欠となる保育器を含め、必要な医療機器も提供している。

「開発援助を通して人々の生活や環境を改善していくことは、目標到達のために忍耐やコミットメントが不可欠だという点で、マラソンのトレーニングに似ています。幾つかの機関が協力的な環境の中で互いに連携しながら活動を行うことは、開発を持続可能なものとするためには非常に重要です」と有森親善大使は言う。

有森氏は、2002年以来国連人口基金の親善大使として、若者、ジェンダー、そしてリプロダクティブ・ヘルスなどをテーマに、日本における啓発活動に積極的に取り組んでいる。


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