プレスリリース 2007年4月

HIV専門家会議 性産業現場でのコンドームの利用促進を求める

セックス・ワーカーとその客との間でのコンドーム使用を促進することは、エイズ蔓延の速度を遅らせる効果的な予防策である。今週北京で開催された2日間のワークショップでは、中国やアジア諸国の保健専門家がそれぞれの経験を紹介し、性産業におけるHIV感染予防のためのプログラムを改善するために議論を行った。

国連人口基金(UNFPA)、世界保健機関(WHO)、および国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、中国保健省及び国家人口家族計画協会の協力を得てこのワークショップを開催した。中央・地方保健行政担当課、研究機関、NGO、国連機関から120名が参加した。

感染予防なしの性行為は、現在では中国におけるHIVの主要な感染ルートとなっている。性産業は様々な要因を背景として中国全土で広がっているが、コンドーム使用率は低い。中国のHIV/エイズ行動計画は、性産業の現場も含めたHIV感染を引き起こす危険な行為に対処するための取り組みの強化を求めている。

近年、地方では性産業に関連してのHIVについての意識を高め、コンドーム利用を普及させる多くの取り組みがなされているが、これはタイやその他HIV感染予防に成功を収めている地域で使われたモデルを基にしている。世界保健機関と国連人口基金はそれらの取組みのいくつかを支援している。現在、中国全土で 480のプログラムが実施されているが、中国全土の20%未満しか網羅していない。今回のワークショップは、問題点とその克服方法と合わせて、より多くの地域に応用できる成功事例を割り出すことが目的であった。

ワークショップでは、広西チワン族自治区、湖南省、河北省及び湖北省のプロジェクトと内モンゴル自治区のプロジェクトの成果が紹介された。いずれのプロジェクトも、セックス・ワーカーとその客との間で、「コンドーム使用率100%」、「ノー・コンドーム、ノー・セックス」を目指している。様々なアプローチがあるが、保健専門家、警察、娯楽施設のオーナー、ピア・エデュケーターとして訓練されたセックス・ワーカーの協力が必要であるという点は共通している。

ワークショップでは、「HIV/エイズが拡大し伝染病となる唯一の方法は、性感染です。コンドームを100%使用するプログラムの拡大は緊急の優先課題です。」と世界保健機関中国代表であるヘンク・ベケダム(Hank Bekedam)医師は語った。

国連人口基金、国連女性開発基金(UNIFEM)及び世界保健機関からの発言者は、以下の項目に取り組む必要性を強調した。-セックス・ワーカーの人権と健康ニーズ、性労働の要因のひとつになっているジェンダーや機会の不平等
-HIVの予防・治療・ケアとリプロダクティブ・ヘルスプログラムとの一本化
-HIV感染者に対する偏見や差別、暴力と闘うこと
-セックス・ワーカーや関係者にプログラム作成段階に関与してもらう

カルティニ・スラマー(Khartini Slamah)アジア太平洋セックスワーカーネットワーク(Asia Pacific Network of Sex Workers)コーディネーターは「地域社会の参加なしには、プログラムの成功は難しいでしょう。ヘルスワーカーは、サービスを受けるセックス・ワーカーに偏見を持たないよう訓練する必要があります。セックス・ワーカーの権利を保障し、セックス・ワーカーをエンパワーメントするためには、彼ら/彼女らの権利を保障することが不可欠だからです」と述べた。

ベケダム(Bekedam)医師は、「セックス・ワーカーは、最もエイズの危機にさらされているグループの一つです。コンドームの確実な使用が普及すれば、彼ら/彼女らが自分を守れるようエンパワーメントし、エイズの拡大を阻止することにつながります」と話を締めくくった。

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家族計画への資金縮小 女性が犠牲者に

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、家族計画のための資金が大幅に縮小しているため、開発途上国に住む人々の家族計画に支障をきたしていると警告した。事務局長は、全ての人口分野への援助のうち、家族計画に割り当てられる資金は1995年の55%から、2004年には9%にまで落ち込んだと述べた。これは、ドル換算で、1995年の7億2,300万ドル(約846億円)から2004年の4億4,200万ドル(約517億円)への減額となる。

事務局長は、「この減額により、リプロダクティブ・ライツを行使出来ず、家族計画を実行することが出来ない貧しい国々の貧しい女性たちが不利益を被っています。これは、緊急に対策を講じる必要がある深刻な問題です」と述べた。

また、事務局長は以下のように述べた。「途上国には、有効な避妊手段を利用できない2億人の女性がいます。その結果、望まれない妊娠や、安全でない避妊法利用率、女性と子供の命が危険にさらされる機会などが増加しています。」

事務局長は、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービスへの投資は、他の保健・社会サービスへの投資よりも効果が上がり、経済成長やジェンダー平等の促進、貧困の削減、HIV/エイズ蔓延による経済・社会状態の悪化に歯止めをかけるなど大きな効果を上げることが出来るであろうと伝えている。

4月10日に行われた国連人口開発委員会での演説で、事務局長は、「人口分野への資金額は増加しているものの、現在あるニーズを全て満たしてはいません。 1994年以降、ドルの価値が下がっている一方で、予想を超えるHIV/エイズの蔓延によって保健関連のコストは大幅に上昇しています」と語った。

事務局長は、国際人口開発会議(ICPD)行動計画を実施するためのさらなる資金援助を各国に要請した。さらに、「家族計画の利用を確実にするだけでも、妊産婦死亡率を20%から35%削減することができ、幼児死亡率は20%削減出来るとされています」と述べ、家族計画を含めたリプロダクティブ・ヘルスケアの有効性を強調した。

国連人口部長であるハニア・ズロトニク(Hania Zlotnik)氏は同委員会で、「1950年から1987年にかけて世界の人口は25億人から50億人へと2倍になりました。地球上で人類が生きながらえるためには、同じようなペースで人口が倍増するようなことがあってはなりません」と警告した。

ズロトニク氏は、個人とカップルの子供の数を決めることの重要性について言及し、「出生率が削減出来れば、家族の規模も縮小し、親は子供一人ひとりにより多くの投資をすることが出来ます」と述べた。

また事務局長は、後発開発途上国で急増している若年人口に対する対策の必要性を世界各国に呼びかけた。「開発目標を達成し、地球上の全ての人々にとってよりよい世界を築くためには、若者に対して、緊急に、そして積極的に働きかけていく必要があります。」

事務局長は以下のように結んだ。「高齢者が健全で生産的であるためには、若者が健全で生産的である必要があります。その両者があってこそ、社会の発展が実現し、どの年齢層の人々にとっても住みよい世界となるでしょう。」

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女性の健康向上 アフガニスタンの未来の鍵を握る
国連人口基金事務局長がカブールを訪問 妊産婦の健康、国勢調査への支援を強調

国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・A・オベイドは、アフガニスタンの女性の健康向上への国際的支援強化を訴える中で、「多くの女性たちが生命を産み出すために死亡する国に進展はありません」と断言した。

今週火曜日に行われた事務局長とハミド・カルザイアフガニスタン大統領との会談において、母親の健康が重要な議題として話し合われた。大統領は、アフガニスタンの妊産婦死亡率が受け入れがたいほど高く、その危機的状況を救うため国連人口基金が支援を行っていることに対し、感謝の意を示した。同国では出産約60件につき1人の女性が死亡しており、地域によってはその4倍にものぼる。

カルザイ大統領は、2008年に予定されているアフガニスタン初の総合的な国勢調査を国連人口基金が支援することに対し、感謝の意を表明した。国連人口基金は、国の計画と再建に不可欠なデータを収集するために、同国のスタッフを訓練し、また技術的支援の提供や資金調達などを行っている。

4日間のアフガニスタン訪問の3日目にあたる今朝、国連事務次長も兼務するオベイドは、国連人口基金が支援した産科ろう孔(フィスチュラ)治療を行うマラライ(Malalai)病院の手術施設の落成式に、サイード・モハメッド・アミン・ファーテミー(Sayed Mohammed Amin Fatemi)保健相とともに参加した。閉塞性分娩の際適切な医療処置を受けられず悲惨な障害に至るケースはアフガニスタン全土に広がっているにもかかわらず、これまでは治療を受けることすら出来なかった。産科ろう孔も妊産婦死亡もその原因は同じである。つまり、専門技能者の立会いや緊急産科ケアを受けられない出産をあまりにも頻繁に、また若い頃から行うためである。アフガニスタンでは、5年前よりは医療ケアを広く利用できるようになっているものの、女性の健康サービス提供者が危機的に不足している。国連人口基金は、パートナー団体とともに助産士訓練を支援し、3つの遠隔地域にある8つの産科病院を支援している。

事務局長は、月曜日の記者会見で「出産間隔をあけることで、母親たちはより健康になり、子どもの健康により気を配ることが出来るようになります。また、母親が出産によって死に至ることがなくなるのです」と述べ、アフガニスタンのようなイスラム社会でより広く家族計画が受け入れられるよう、家族計画の利点を強調した。国連人口基金は、確実に物資供給が行われるよう物流システムを確立するなど、同国保健省の家族計画促進を支援している。

事務局長は、フソン・バーノル・ガザンファー(Husun Banor Ghazanfar)女性省大臣やその他参加者とともに、女性の権利についての午後の会議に参加した。その中で、男性のコミュニティへの参加を促したり、警察官への教育、被害者への支援などにより、女性に対する暴力への取り組みを強化することを求めた。

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