プレスリリース 2007年2月

国連人口基金 女性性器切除の新傾向に警告

2007年2月5日
ニューヨーク、国連

国連人口基金(UNFPA)は、女性性器切除の"医療行為化"に対して警告を発した。国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは、女性性器切除には健康上のリスクが伴うという認識が高まってきたことにより、このような新しい傾向が生じたと見ている。さらに、成長すると女性性器切除を受けることを拒む可能性があるため、まだ幼いうちに受けさせるという若年齢化に対しても警告を発した。

事務局長は、毎年300万人もの少女がこの女性性器切除の危険性に直面していることに警告を発し、同時に彼女たちを救うための世界規模の取り組みを一層強化するよう要請した。また、国際女性性器切除根絶の日の訴えの中で、「女性性器切除を防ぎ、セクシュアル/リプロダクテイブ・ヘルスの権利を含む人権とジェンダーの平等を向上させるための取り組みに対する支援を強化する」と公約した。

およそ1億2000万から4000万の女性が女性性器切除の対象となってきた。これは、女性と少女の基本的人権を侵しているだけでなく、彼女たちの健康を著しく損なうものである。この行為の結果、出産時に危険性を伴うだけでなく、女性たちは長い間、肉体的にも精神的にも傷を抱えることになる。

女性性器切除が行われている多くの国では、その行為を違法とする法律が既に制定されている。加えて、女性性器切除の身体的・精神的なリスクへの認識が高まっていることを反映し、その行為に反対する者も増加している。

リスクへの認識が高まっていることと、医療サービスが以前より普及したことから、女性性器切除のリスクを最小限にくいとどめるべく、整った診療体制の中で医療の専門家に切除を依頼する親が増加している-その方が安全であると信じて。一方で、医療従事者は、個人や家族からその行為を行うよう圧力をかけられる可能性もある。

「一般に信じられているのとは反対に、どの宗教も女性性器切除を要求してはいません。実際、世界中の多くの宗教指導者や学者、宗教団体は、切除の禁止を要求しています。」と事務局長は語った。

事務局長は、以下のように続けた。「状況をさらに改善するには、法の施行を強化し、人々が教育を受け、地域社会が積極的に関与しなければなりません。」さらに、対話を促進するような介入を通じて「完全に、あるいは部分的に性器切除を止め、別の方法で成人への通過儀礼を行う地域も増えており、これは好ましい傾向です」と述べた。

国連人口基金は女性性器切除を廃止するためのあらゆる措置を支援している。ウガンダやケニアなどに見られるような最も成功した例としては、性器切除なしに少女を成人に導く別の通過儀礼をとりいれている。また、同基金は、地域社会に変化をもたらす主体である地元の指導者や宗教指導者とともに活動している。このようなやり方は、ブルキナファソ、エジプト、エチオピア、セネガルなどの国で成果をあげている。国連人口基金は、人権問題の活動家たちとともに、女性性器切除の実施を禁止する法をより強化するために一層努力していく。

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女性に対する暴力はどう止められるか―最新の研究から

2007年2月26日
ニューヨーク、国連

モーリタニアでのレイプ、メキシコやルーマニアの家庭内暴力、バングラディッシュの若年結婚、ケニアの女性性器切除。これらの女性に対する暴力は、最新の国連人口基金(UNFPA)の冊子の中で調査されている、女性や女子に対する数々の虐待のほんのごく一部にすぎない。

単に女性に対する暴力の程度を記録しているだけの他の出版物と異なり、本日国連人口基金によってニューヨークで発行された「Programming to Address Violence Against Women(女性に対する暴力への取り組み計画)」は、10の事例研究を提示し、慎重に対象を絞り計画を練るという方法を用いれば、ジェンダーに基づく暴力を減らすことが出来るということを示している。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは次のように述べた。「この冊子が他の出版物と違うのは、数は少なくとも対象を絞って対策を実施すれば、地域社会全体の女性に対する暴力への態度を変えることができるということを実証している点です。」

「多くの場合、女性に対する暴力はあまりにも一般化し定着しているので、考え方・態度を変えることは初めは不可能に思えました。しかし、地域社会の指導者や一般市民を対象とした政策提言や啓発活動を粘り強く続ければ、比較的短期間でも大きな変化をもたらすことが出来るとが判りました。」

事務局長はさらに以下のように続けた。「ジェンダーに基づいた暴力は、例えどんなに"伝統的"だとされているものでも、いかなる社会においても当然のこととして存在するものではありません。私たちはこれらの事例の中で、それをはっきりと実証することが出来ました。」

10の事例研究からの教訓は、付属の小冊子「Ending Violence Against Women: Programming for Prevention, Protection and Care (女性に対する暴力の根絶:予防・保護・ケアのためのプログラム)」に集約してある。新しく創設されたオンライン・マルチメディアギャラリーでは、上記の冊子と付属の小冊子、そしてそれぞれの国のビデオが統合され、関連する国連人口基金の資料とリンクされている。

国連人口基金とパートナー団体は、宗教指導者や医者、政治家など国や地域社会の指導者に働きかけるとともに、被害者に対し法的な救済策をとり、また被害者が若い場合には復学出来るよう支援を行っている。さらに、暴力による被害者は不当な差別を受けることも多く、被害に遭った女性と女児が経済的に自立出来るようスキルを身につける訓練も援助している。また、暴力を受けた女性や女児に対する偏見をなくし、ジェンダーに基づいた暴力がいかに蔓延しているか、またその原因と結果についての意識を向上させるための政策提言活動を支援している。

事務局長は次のように述べた。「地域社会は変わることが可能ですし、変わっていくでしょう。しかし、ジェンダーに基づいた暴力が引き起こす悲惨な結果は、世界的な、そして局所的な対策を必要とする人類の非常事態であり、しかるべき緊急な対策が求められています。」

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