プレスリリース2016年10月

10月20日 『世界人口白書 2016』発表

2016年10月20日

10歳の少女に投資することは、莫大な人口ボーナスをもたらし、国の経済を数十億米ドルにまで押し上げることができる。

・少女は少年よりも学校に最後まで行けず、強制結婚、児童労働、女性性器切除、その他の身体を傷つけるような慣習の被害に直面している。
・世界に6500万人いる10歳の少女の過半数は、ジェンダーの不平等な48カ国で暮らしている。
・10歳の少女全てが中等教育まで終えることができた場合、開発途上国にもたらされる利益は15年間で210億米ドルにもなる。

2016年10月20日 ニューヨーク、国連
国連人口基金(UNFPA)は、本日発表された「世界人口白書2016」において、強制結婚、児童労働、女性性器切除、その他、女性の健康と権利を侵害する慣習は、世界中が定めたアジェンダである「持続可能な開発目標」の達成を脅かすと警告している。

10歳前後の少女を傷つけ人権を侵害する慣習は、彼女たちが大人としての可能性を十分に実現することや、地域や国の経済や社会的発展に貢献することを阻害する。彼女たちの貢献無しには、持続可能な開発のための2030アジェンダや、それに伴う17の持続可能な開発目標を達成することはできない。

10歳というのは思春期を迎える直前の時期であり、世界のどこに住んでいても極めて重要な年齢である。世界のあるところでは、10歳の少女は限りない可能性を楽しみ、彼女の人生における教育や、その後の仕事に影響を及ぼす決断をし始める。しかし別の場所では、思春期を迎えた少女は突然、売買や取引される商品として見られ始めることがUNFPAの報告書で明らかとなっている。少女は強制的に結婚させられ、学校を辞めさせられ、育児や、生涯に渡る隷属的な生活を強いられることもある。

「少女が思春期から大人になる過程で少女の安全や健康が脅かされ、生産的で自立性を持った成人期を迎えられないのは、少女の権利の侵害である」「しかしそれは、彼女の住む地域や国への損害でもある。少女の可能性が実現されなければ、私たちも皆、損害をこうむるのです」とUNFPA事務局長ババトゥンデ・オショティメインは言う。

2015年に、世界中の指導者によって承認された持続可能な開発目標は、各国の15年間の社会や経済の発展のための設計図である。これは誰一人取り残さないための、公平な開発を目的としている。10歳の少女の道を阻む障害を取り除くことは、この開発目標を成功させることにつながと、この報告書は述べている。

「世界人口白書 2016」は、1億2,500万の現在10歳の少女のうち、6,000万人の少女は、思春期から成人期への過程において、世界的に不利な構造の中に置かれていると指摘している。少女は少年に比べ、中等教育や大学レベルの教育の修了が困難であり、身体的・精神的健康を害しやすく、また有給の仕事に就くことがより難しい。

政府が実施できる政策の幅は、過去10年間で拡大した。これには、児童婚といった有害な慣習を禁止したり、貧しい家庭に育つ少女の親に対して、少女が学校へ通い続けられるために教育費を支給することなどが含まれる。さらに、生活をする上で必要な技術訓練や、思春期に近づく少女向けに、年相応で包括的な性教育を提供することも含まれている。

現在の課題は、最も貧しく弱い立場に置かれている少女が10歳になるまでに、より多くの少女に対しそうした対策を拡大することであると、UNFPAの「世界人口白書」は述べている。

「私たちが、現在10歳の少女にいかに投資し、支援するかによって、2030年の世界がどのようになるかが決まる。」「家族、地域、国からの支援があり、そして少女の権利が十分に実現されれば、10歳の少女は成長し、私たちの求める未来をもたらすことができる」と事務局長は言う。

重要統計データ
・10歳の少女の10人中9人は、開発途上国に住み、5人中1人は後発開発途上国に住んでいる。5人中1人はインド、8人中1人は中国に住んでいる。
・少女が学校に1年長く通うごとに、その後の生活において賃金が11.7%上昇する(男性は9.6%)。しかし、6~11歳の少女1,600万人は学校に行くことができず、その数は少年の2倍である。
・開発途上国で学校を中退もしくは修学できなかった10歳の少女全員が、中等教育を終えることができれば、年間で210億米ドルの利益をもたらすことができる。
・5~14歳の少女の10%は、週に28時間以上の家事をこなし、それは少年の2倍である。4人中3人の少女の労働者は無給である。
・毎日、推定47,700人の少女が18歳になる前に結婚している。