活動カレンダー2013年6月

6月28日 東京大学講義

東京大学大学院医学系研究科・「国際地域保健学特論」という講義で、所長の佐崎はミャンマー、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ネパール、アメリカ、中国からの留学生を含めた計21名の修士課程・博士課程の学生に向け、「Gender and Health」と題した講義を3時間にわたり英語で行いました。

佐崎は、国連人口基金の役割を紹介した後、日本の「晩産化・未婚化」「少子高齢化」を含めた世界の人口問題、ミレニアム開発目標(特にMDG5 妊産婦の健康の改善)、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、HIV/AIDS、またこれらの分野における国連人口基金の活動事例等について説明をしました。

講義全体を通し、各コミュニティに根強く存在しているジェンダーに基づく暴力や経済的差別、性と生殖に関する健康(SRH)に関する不公平、そして有害な伝統的慣習が女性や少女たちの立場をより貧弱なものにし、またHIV/AIDSの女性化を助長していると佐崎が指摘し、それらの課題解決のために、リプロダクティブ・ヘルス(RH)や家族計画を含めた全ての開発プログラムが積極的に男性の共同参画を進めるものであり、ジェンダー・バランスを重要視したものでなければ成功しえないという事をUNFPAの活動事例であるニジェールの「夫の学校」を用いて説明しました。

毎日、800人以上のお母さんが妊娠や出産が原因で命を落としているという事実、また2012年世界で約8000万ある意図しない妊娠のうち約4000万が人工中絶されたという事実が、受講生たち関心意識を深く惹き付け、受講生からは講義内容の様々な要点に対しての有意義な質問が講義終了後にも続きました。

活動カレンダー2013年6月(13)

講義中の様子                    講義中の所長


活動カレンダー2013年6月(14)

講義教室の様子                   質疑応答の様子


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6月25日 横浜国立大学講義

横浜国立大学大学院の「リスク共生型環境再生リーダー育成」プログラム(SLER)において国連人口基金(UNFPA)所長の佐崎が「人口問題と環境」というテーマで講義を行いました。SLERとは、アジア・アフリカ地域における生態リスクと環境被害の拡大を抑制あるいは環境再生するために、リスク共生型の研究・教育を学際的に発展させ、高い実効力・実践力を有する国際環境リーダーを養成するための国際教育プログラムです。

講義は、横浜国立大学と国連大学の学生の他にも、以下の海外8大学から合計80名程度がテレビ会議システムを活用して参加しました。ランプン大学(UNILA、インドネシア)、マレーシア科学大学(USM、マレーシア)、ナイロビ大学(UON、ケニア)、フィリピン大学(UPLB、フィリピン)、カセサート大学(KU、タイ)とアンタナナリボ大学(UA、マダガスカル)、ダナン工科大学(DUOT、ベトナム)と華東師範大学(ECUN、中国)。講義後、横国大を含めて、海外の8大学から様々な質問、コメントが寄せられました。

その後の懇談会では、横浜国立大学の本プログラム」を受講する約15名の日本人や外国人の学生達との間で(インドネシア、マレーシア、ケニア、フィリピン、タイ、マダガスカル、ベトナム、中国)、積極的な意見交換が行われました。

活動カレンダー2013年6月(12)

講演中の所長                    テレビ会議                      大学からの質問   


活動カレンダー2013年6月(15)

講義教室の様子                   講義教室の様子                   懇談会


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5月31日~6月3日 第5回アフリカ開発会議の開催に合わせ、国連人口基金展示ブース出展

国連人口基金では、第5回アフリカ開発会議の開催に合わせ、5月31日~6月3日の4日間パシフィコ横浜の会議センター1階にて、展示ブースを出展しました。

当ブースでは、国連人口基金の活動を紹介するパンフレットをはじめ、「アフリカの妊産婦死亡削減加速化キャンペーン(CARMMA)」に関する多数の資料・パネルを展示し、TICAD Vに参加していたアフリカ諸国の方々をはじめ、国連機関職員、外務省職員、アフリカや日本の市民運動団体の関係者、日系企業関係者にご覧いただきました。また会期中ブースにお立ち寄りいただいた約100名もの方々とは、直接お話をさせていただき、多くの方々に国連人口基金の活動理念や具体的な援助の内容を知ってもらう、素晴らしい機会となりました。

活動カレンダー2013年6月(4)

左)国連人口基金のブース  中)ババトゥンデ・オショテイメインUNFPA事務局長が立ち寄りました  右)展示ブース会場の様子


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6月1日 『妊産婦の健康に対する投資の効果:「家族計画2020」と「アフリカの妊産婦死亡削減加速化キャンペーン(CARMMA)」』 シンポジウム開催

活動カレンダー2013年6月(1)

2013年6月1日(土)~3日(月)に、横浜を会場に第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が開催されました。アフリカ54カ国のうち51カ国が参加したこの国際会議は、「裾野の広い中間層の創出を後押しし、アフリカ大陸を世界成長の原動力に変容させる」ことなどを盛り込んだ「横浜宣言2013」を採択し、閉幕しました。

初日となる6月1日(土)、パシフィコ横浜において、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)公式サイドイベントとして、外務省、アフリカ連合(AUC)、国連人口基金(UNFPA)、アジア人口・開発協会(APDA)、国際家族計画連盟(IPPF)及びジョイセフの6団体共催でアフリカの妊産婦の健康に対する支援について考えるシンポジウムが開催されました。登壇者は福田康夫元首相、エレン・サーリーフ大統領(リベリア)、ジョイス・バンダ大統領(マラウイ)、ババトゥンデ・オショテイメインUNFPA事務局長、テドロス・アダノム外相(エチオピア)、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長、阿部俊子外務大臣政務官の7人。総合司会はジョイセフの冨永愛アンバサダーが務めました。

活動カレンダー2013年6月(3)

2011年のノーベル平和賞を受賞したエレン・サーリーフ大統領と2013年TIME誌の 「世界でもっとも影響力のある100人」のひとりに選ばれたことでも記憶に新しいジョイス・バンダ大統領という、世界が注目する2人のアフリカの女性大統領が顔を揃えたこともあり、300人を超える方が来場。立ち見がたくさん出るほどの大盛況でした。メディアも国内外から10社 を超える記 者が取材に訪れ、この問題に対する関心の高さがうかがえました。

シンポジウムは冨永愛アンバサダーの司会から始まり、前回のTICAD Ⅳで 議長を務めた福田康夫・元内閣総理大臣のスピーチへと続きました。福田元首相はスピーチの中で、日本として今後もアフリカへ継続的な支援に取り組む必要性を訴え、MDG5(妊産婦の健康の改善)の重要課題とされる家族計画の促進こそがアフリカの経済促進のカギを握ると語りました。

活動カレンダー2013年6月(6)

福田康夫・元内閣総理大臣


続くエレン・サーリーフ大統領は、世界で毎年28万人を上回る妊産婦が死亡していることに触れ、そのうち56%がアフリカのサハラ以南で起きていることを伝えました。その解決のためには、今よりさらにスピードを上げ、家族計画の普及に努め、改善を図る必要性があることを訴えました。

活動カレンダー2013年6月(5)

エレン・サーリーフ大統領(リベリア)


さらに、マラウイのジョイス・バンダ大統領も、自国の妊産婦死亡率を1990年の10万件あたり1100からこの20年間で460へと大幅に削減した実績に触れつつも、「MDG5の実現のために、出生10万当たり115まで減らさなければならない」と述べ、目標達成のためにもさらなる支援を訴えました。

活動カレンダー2013年6月(7)

ジョイス・バンダ大統領(マラウイ)


各ゲストのスピーチの後に行われたパネルディスカッションでは、オショティメインUNFPA事務局長がモデレーターを務め、アフリカは避妊薬に対する満たされないニーズに応えることで妊産婦死亡を削減できるにも関わらず、昨今家族計画への支援が減少傾向にあると指摘しました。また、家族計画は命を救うだけでなく人々の健康改善につながり、地域社会が強化され、経済成長を促すと指摘し、さらに各国政府と開発パートナーは家族計画事業の実施公約と資金を倍増すべきであると言及しました。さらに事務局長は、いかなる女性も出産で死亡してはならないと強調し、国連人口基金はアフリカでの妊産婦健康改善プログラムを引き続き支援していくことを国際社会に保証しました。

活動カレンダー2013年6月(8)

ババトゥンデ・オショテイメインUNFPA事務局長


ディスカッサントの一人、エチオピアのテドロス・アダノム外相は、アフリカの妊産婦及び子どもの健康を支援するための資源を活用するためのメカニズムの構築の必要性を述べ、特に出産立ち会いや緊急産科などのサービスへのアクセスを増やすために健康に関わる人的資源に対するさらなる投資が必要である旨強調しました。また、 テウォドロス・メレッセIPPF事務局長は、ポストMDGにおける家族計画の重要性に触れ、地域社会や市民社会団体が果たす役割が大きいこと、女性の健康への投資による経済効果の高さを指摘し、パネルディスカッションでは、健康の改善、教育の普及、そして家族計画 を浸透させるために継続的な支援を行うことが、妊産婦死亡率削減につながるということが繰り返し強調されました。

アフリカで家族計画を浸透させるということは、多産が多いアフリカの女性が、自ら、子どもを産む人数やタイミングを決定することにつながり、今なお高い人口増加率を抑えることにもなります。また、出産間隔をあけることで女性の体の負担を軽くできるため、妊産婦死亡率の削減に効果があると考えられています。

質疑応答のセッションでは、会場いっぱいの参加者からのご質問が寄せられ、中でも福田元総理夫人からは、アフリカにおける家族計画を推進するために日本の母子手帳システムの導入提案がなされました。

活動カレンダー2013年6月(9)

テドロス・アダノム外相(エチオピア)       テウォドロス・メレッセIPPF事務局長      福田元総理夫人


これらの意見に応じ、阿部俊子政務官は日本政府として、この問題に対して積極的に取り組む考えを述べ、解決へ向けて継続的な支援に努めることを約束し、シンポジウムは閉会しました。

シンポジウムを通じて印象的だったのは、「出産は本来祝福されるべきものなのに、そうではないアフリカの現実」と向き合う各代表の悲痛な思いでした。妊産婦死亡率の削減には妊産婦自身の健康の向上はもちろんですが、地域住民に家族計画への理解を求め、女子教育の重要性を伝え、アフリカ全体に横たわる貧困問題に取り組んで初めて、たどりつける果てしない課題があります。各代表が繰り返し訴える「継続的な支援の必要性」に対して、日本はどのように応えることができるのか。改めてじっくりと考えさせられる1時間半でした。

活動カレンダー2013年6月(10)

阿部俊子外務大臣政務官             質疑応答の様子


英語版記事はこちら                                                        Photos by GOTO AKI

シンポジウム動画

登壇者紹介
Introduction

司会者
ジョイセフ・アンバサダー
冨永 愛 氏

MC
JOICFP Ambassador
Ms. Ai Tominaga

開会挨拶
Opening Remarks

元内閣総理大臣
TICAD IV議長
福田 康夫 氏

Former Prime Minister of Japan
Chairperson of TICAD IV
Mr. Yasuo Fukuda

基調講演 1
Keynote Speech 1

リベリア共和国大統領
エレン・ジョンソン・サーリーフ 氏

President of Republic of Liberia
Ms. Ellen Johnson Sirleaf

基調講演 2
Keynote Speech 2

マラウイ共和国大統領
ジョイス・ヒルダ・バンダ 氏

President of Republic of Malawi
Ms. Joyce Hilda Banda

モデレーター挨拶
Moderator’s Remarks

国連人口基金事務局長
ババトゥンデ・オショティメイン

Executive Director of UNFPA
Dr. Babatunde Osotimehin

パネルディスカッション 1
Panel Discussion 1

エチオピア外務大臣
テドロス・アダノム 氏

Minister of Foreign Affairs of Ethiopia
Dr. Tedros Adhanom

パネルディスカッション 2
Panel Discussion 2

国際家族計画連盟(IPPF)事務局長
テウォドロス・メレッセ 氏

Director General of IPPF
Mr. Tewodros Melesse

質疑応答
Q&A

閉会挨拶
Closing Remarks

外務大臣政務官
阿部 俊子 氏

Vice-Minister for Foreign Affairs of Japan
Dr. Toshiko Abe

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Last updated: 2013-06-14